料理・レシピ

《キャベツ、レタス、バナナも》野菜&果物を長持ちさせる方法&しなびてもおいしく食べられるレシピを食の専門家が伝授

冷蔵庫の野菜
野菜&果物を長持ちさせる方法とは?(写真/イメージマート)
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キャベツや白菜、米だけじゃない。2月に値上げした食品数は1656品目もある。値上げラッシュのいま、ちょっと風味が落ちたくらいで食材を捨てるのはもったいない。そこで、食の達人たちから、食材を復活させたり、長持ちさせたりする方法を聞いた。家計にも地球にもやさしい裏ワザを駆使しよう。

しなびた青果編

「しなびた野菜は50℃の湯に1〜2分つけるか、葉物野菜なら水につけるだけでも復活させやすい」とは、野菜ソムリエの高崎順子さん。

ただし、しなびたことで失われた栄養成分は戻らないので、適切な保存方法で長持ちさせることが大切。今回はよく使う野菜&果物10種の保存方法としなびてもおいしく食べられるレシピを紹介する。

ごまやじゃこなどを加えて風味を復活

野菜や果物が“しなびる”というのは、水分が失われた状態。風味や香り、栄養成分が落ちてしまうが、焼く・炒める・揚げるといった調理方法で、おいしく食べられるという。

「これらの調理法なら、水分量の低下がむしろメリットになり、油はねしにくくベタつかずに仕上がります。野菜の風味が落ちているので、濃いめに味つけするのがポイント。ごまやじゃこ、かつおぶしなどの風味が強い食材を活用するのもおすすめです」(高崎さん)

そもそも、野菜や果物は、正しく扱えば1週間程度は鮮度が保たれると、料理研究家の島本美由紀さん。

「水分を逃さない工夫をしてから保存すると、多くの葉物野菜が1週間程度保存できます。新鮮な状態から冷凍すれば1か月もつ野菜もあります」(島本さん)

【キャベツ】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「芯を取り、そこへ濡らしたキッチンペーパーを詰めたらポリ袋に入れ、芯を下にして野菜室へ。半分の場合、切り口が濡れていると黒ずむので、水分を拭いてラップで包みます」(島本さん・以下同)

「じゃこ&のりキャベツ」レシピ(2人分/高崎さん)

【1】キャベツ1/4玉はざく切りにする。

【2】フライパンにサラダ油大さじ1をひき、キャベツとじゃこ10gを炒める。

【3】キャベツがしんなりしたら、塩ひとつまみで味つけし、仕上げにちぎった韓国のり適量をのせる。

しんなりキャベツはじゃことの相性抜群
しんなりキャベツはじゃことの相性抜群(写真/高崎順子)
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「キャベツの梅和え」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】キャベツ1/4玉はざく切りにして熱湯でさっとゆでる。

【2】粗熱が取れたら水気を絞り、ねり梅大さじ1/2、めんつゆ小さじ2、ごま油小さじ1、かつおぶし1パックで和える。

※電子レンジの加熱時間は600Wの場合。オーブントースターの加熱は目安。焼き時間は使用機種により調整してください。めんつゆは特記がない限り3倍濃縮を使用。以下同様。

【白菜】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「新聞紙などに包んで、冷暗所で常温保存。カットされているものは芯に切り込みを入れ、切り口の水分をしっかり拭いてからポリ袋に入れる。芯を下にして野菜室で立てて保存します」

白菜とツナのつゆだく(作りやすい分量/高崎さん)

【1】白菜1/4株(400~500g)は細切りにする。

【2】フライパンにツナ1缶分の油を入れ、白菜の芯、葉の順で炒めたら、ツナを加える。

【3】めんつゆ大さじ1(表示通りに希釈)、片栗粉小さじ1を混ぜ合わせ、【2】にまわしかけて混ぜ、とろみがついたら完成。

白菜の塩こうじ漬け(作りやすい分量/島本さん)

【1】白菜1/8株分は1 cm幅に切る。

【2】ポリ袋に入れ、塩こうじ大さじ2、酢小さじ2を加えて一晩漬ける。

【大根】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「葉は切り落とし、根は上部・中部・下部の3等分に切り分けます。切り口の水分を拭いてからポリ袋に入れて野菜室で保存。好きな大きさに切るか、大根おろしにしてから冷凍保存するのもおすすめ」

「大根ステーキ」レシピ(作りやすい分量/高崎さん)

【1】大根4 cm分は皮を厚めにむき、1cm幅の輪切りにする。

【2】耐熱皿に【1】を並べ、竹串が通るまで加熱。

【3】フライパンにサラダ油少量をひき、【2】の両面を焼いたら、バター10g、しょうゆ小さじ1で味つけする。

「大根のコンソメバター煮」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】大根200gは1 cm幅のいちょう切りに、ベーコン2枚分は1 cm幅に切る。

【2】耐熱ボウルに【1】と顆粒コンソメ大さじ1/2、バター10gを入れ、ふんわりとラップをかける。

【3】電子レンジで5分加熱し、黒こしょう適量を振る。

【きゅうり】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「キッチンペーパーなどで1本ずつ包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存する。野菜は育った環境に近い状態の方が長持ちするため、ヘタを上にして、立てて保存するといいでしょう」

「炒めオイキムチ」レシピ(2人分/高崎さん )

【1】きゅうり1本は乱切りにし、叩いてところどころ潰しておく。

【2】フライパンにごま油小さじ1をひき、中火で熱して【1】を炒める。

【3】市販のキムチ100gを加えてさらに炒める。

「きゅうりとしらすの青じそ漬け」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】板ずりをして棒で叩き割ったきゅうり2本分、しらすひとつかみ、青じそドレッシング大さじ2、おろしにんにく少量をポリ袋に入れ、よく混ぜてから30分ほど漬ける。

【ほうれん草】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「葉物野菜は育った環境に近い状態で保存すると長持ちするため、購入した袋のまま野菜室で立てて保存します。しなびたら、約50℃の湯に1~2分つけるのがおすすめ」

ほうれん草の保存方法
購入した袋のまま野菜室で立てて保存(イラスト/うえだのぶ)
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「ほうれん草のチーズ焼き」レシピ(2人分/高崎さん)

【1】下ゆでしたほうれん草1袋は食べやすい大きさに切る。

【2】水気をよく絞り、オリーブオイル小さじ1を混ぜる。

【3】耐熱皿に【2】を並べる。ピザ用チーズ50gを振って、トースターかオーブンなどで焼く。

【小松菜】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「ほうれん草同様、購入した袋のまま野菜室で立てて保存。ざく切りにして冷凍用保存袋に入れ、冷凍してもOK。しなびたときは、ほうれん草と同じく湯につけて」

「小松菜とチーズの卵焼き」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】小松菜1/2束は熱湯で1分ほどゆでる。流水にさらして水気を絞り、1cm幅に切る。

【2】溶き卵2個、ピザ用チーズ20g、塩少量と合わせ、卵焼きにする。

「小松菜のおかかふりかけ」レシピ(作りやすい分量/高崎さん)

【1】小松菜1袋は粗みじん切りにする。

【2】フライパンにサラダ油大さじ1を入れて【1】を炒める。

【3】かつおぶし1パック、しょうゆ小さじ1を振りかけて混ぜる。

【水菜】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「ざく切りにして5分ほど水にさらしてから、水気を拭きとってキッチンペーパーで包み、保存容器に入れて冷蔵庫で保存。しなびたら、約50℃の湯に1~2分つけます」

「水菜のさっと煮」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】水菜2~3株はざく切りに、油揚げ1枚は短冊切りにする。

【2】鍋に【1】、水1カップ、白だし大さじ2を入れ、水菜がやわらかくなるまで煮る。

「水菜のレンチンマヨポン」レシピ(2人分/高崎さん)

【1】水菜1株は2cm幅に切る。ロースハム3枚分は薄切りにする。

【2】耐熱ボウルに水菜を入れ、電子レンジで約2分加熱する。水気を切り、ロースハムを加える。

【3】マヨネーズ大さじ2、ポン酢小さじ1を混ぜ合わせ、【2】を和える。

【レタス】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「芯にある生長点の3か所につまようじを刺し、ポリ袋に入れる。芯を下にして野菜室で保存。ひと口大に切って冷凍保存も可。冷凍レタスは、スープや炒めものに◎」

レタスは芯を下にして野菜室で保存
レタスは芯を下にして野菜室で保存(イラスト/うえだのぶ)
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「担々風レタスープ」レシピ(2人分/高崎さん)

【1】レタス1/2玉はざく切りにする。

【2】鍋に豚ひき肉100gと焼き肉のタレ大さじ2を入れて炒める。

【3】水2カップを加え、煮立ったら【1】を入れて、しょうゆ小さじ1、塩・こしょう各少量で味を調える。豆腐1パックを崩し入れても◎。

【にんじん】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「1本ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存。好きな大きさに切り、冷凍用保存袋に入れて冷凍してもOK。しなびたら冷水につけておくと復活します」

にんじんは1本ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存
にんじんは1本ずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存(イラスト/うえだのぶ)
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「にんじんのマリネ」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】にんじん1本は千切りにする。

【2】酢大さじ2、オリーブオイル大さじ1、砂糖小さじ1、塩ひとつまみで漬ける。

「フライドにんじん」(作りやすい分量/高崎さん)

【1】にんじん1本はスティック状に切る。

【2】フライパンにサラダ油1cm程度を入れ、約3分揚げ焼きする。カレー塩(カレー粉:塩=1:1)少量を振る。

【バナナ】の保存方法&おすすめレシピ

保存方法

「1本ずつラップに包んで野菜室で保存。皮の表面が黒くなっても、果肉がきれいなら食べられます。食べやすい大きさに切ってラップで包み、冷凍保存も可能です」

「バナナジュース」レシピ(作りやすい分量/島本さん)

【1】ミキサーにバナナ1本分をちぎり入れたら、牛乳1カップ、氷50gを入れ、かくはんさせる。

「バナナキャラメリゼ」レシピ(1人分/高崎さん)

【1】バナナ1本は輪切りにする。

【2】フライパンにバター10gを入れて中火で熱し、【1】を炒める。表面がクタッとしてきたら、砂糖小さじ1をまぶして焦げ色をつける。※トーストにトッピングするのがおすすめ。

◆親子★横浜 野菜キッチン 代表・高崎順子

野菜ソムリエ上級プロ。野菜を通じた食育活動「親子★横浜野菜キッチン」を主宰。野菜の授業、料理教室などを手掛けながら、子供が当たり前に野菜を食べる社会の実現を目指す。

◆料理研究家・島本美由紀

ラク家事アドバイザー。200回を超える海外旅行で得た経験、感覚、アイディアを生かした、手軽でおいしい料理レシピを考案(78〜79ページのレシピのうち 担当)。近著に『好きな食材でパパッと作れる簡単レシピ220』(コスミック出版)。

取材・文/番匠郁

※女性セブン2025年3月20日号

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