しかし、そんな固定観念に一石を投じているのが、近年のエイジレスブームだ。大人カワイイファッションを提案する雑誌『sweet』(宝島社)の編集者・鏡味由起子さんは言う。
「1999年の創刊時は“アラサーがフリフリの服なんてNG!”といった内容のページを作っていましたが、2005年頃からは“何才になっても着たい服を着よう”という、エイジレスな女性を推奨するようなメッセージを打ち出すようになりました。“年齢に見合った服”という概念がなくなりつつあると思いますね」
実際、『sweet』では、かつて41才だった梨花(44才)がミニスカ姿で誌面を飾り、その他のメディアでも小泉今日子(51才)や森高千里(48才)、YOU(53才)らがミニスカ姿を堂々と披露している。また世界に目を向ければ、仏・ブリジット大統領夫人(64才)は年齢を感じさせないミニスカ姿で称賛を集めている。
その背中を押すように、男性もエイジレスな女性を推奨する。コラムニスト・泉麻人さんが語る。
「『ひよっこ』の木村佳乃さん演じる美代子のミニスカシーンは本当にかわいかった。大人のミニスカは若い子にはない色気があっていい。
今はスタイルに自信がある人が増えたから、60代くらいでもツイッギー顔負けの人がいますよね。
年齢よりも脚の太さよりも、脚の組み方とか脚の作法をきちんとしていたら素敵に見えるんじゃないかな」
良識のある大人としてのミニスカ
大人のミニスカを後押しする風が吹いていることは間違いないが、その時代の空気に流され、果敢にミニスカートにチャレンジしたところ、しっぺ返しを喰らったという女性も少なくない。
栃木県在住の麻生唯さん(主婦・50才)は肩を落とす。
「喪服すらパンツスーツを選んでいた私ですが、最近の大人女子ブームにのって、30代の頃に封印したミニスカートを引っ張り出してみたんです。
むだ毛の処理をして、ひざの黒ずみを隠すためにストッキングをはいて…自分的には完璧だと思ったのに、外出先で友達に会って嫌みを言われるし、夫や子供からも大ブーイング。当たり前だけど、芸能人の彼女たちとは違いますよね…」
彼女は自室の鏡で、ミニスカート姿の自分を眺めながら、「“似合う”と“好き”は違うのかもしれない」とミニスカートを再び封印したという。
パーソナルスタイリストの政近準子さんは言う。
「ファッションは人への配慮なんです。誰と、どんな目的で会うのか。季節はどうか。職業的に、社会的立場にふさわしいかどうか。人はまず、外見で判断されます。いくら近年、年齢と服のボーダーが取り払われたからといって、似合うものは年齢によって変わってくる。自分に似合うものを着ていないと損してしまうんです」
「はけるのか、はけないのか」「はくのか、はかないのか」──若い頃のように、何も考えずにミニスカートをはくことは難しい。良識ある大人として、ミニスカートをはけるのか。年を重ねれば、重ねるほど、ミニスカートは私たちを強迫してくるのだ。
※女性セブン2017年9月28日号
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