
厳しい冬を越えて育ち、旨みも栄養もぎっしり詰まった春野菜。そのおいしさを存分に引き出すレシピを、春野菜を知り尽くした農家に聞きました。荒崎yukiファームの小島有貴さんが教えてくれた、春キャベツの選び方や保存のコツ、簡単レシピをチェック!
温暖な気候や海風で甘い春キャベツが育つ
三浦半島の特産品である春キャベツは、市場関係者から『本春キャベツ』と呼ばれ、そのおいしさに定評がある。
「甘くて柔らかい春キャベツの最盛期は、3月中旬から4月いっぱい。三浦半島のものは、温暖な気候やミネラルを多く含んだ海風、牛糞堆肥を使った柔らかい土で育つため、特に甘みが強くみずみずしいのが特徴です」(小島さん・以下同)

おいしい春キャベツの選び方
・葉にハリがあり大きさの割に軽い

葉にハリがあり、巻きがゆるくふんわりしているものが美味。
「冬のキャベツと違い、大きさの割に軽いもののほうが水分を多く含み柔らかいです」
・芯の大きさは500円玉くらい

芯の切り口が白いものが新鮮。
「芯の大きさが500円玉くらいのものがおいしい。小さすぎるのは栄養不足で、大きすぎるものは育ちすぎです」
・芯の長さが半分よりも短い

半分にカットされたキャベツは芯の長さをチェック。
「芯が半分より長いと育ちすぎ。葉が左右対称なものは栄養が均等に行き渡っている証拠です」
キャベツの保存法
・濡らしたキッチンペーパーで切り口を覆う

カットしたキャベツは芯を切り落として成長を止め、濡らしたキッチンペーパーで断面を覆う。
「春キャベツは水気が抜けるとまずくなるので、水分をキープするのがコツです」
・丸ごとなら新聞紙で包んでポリ袋に入れる

丸ごと保存する場合は、芯をくり抜き、濡らしたキッチンペーパーを詰めると鮮度が落ちにくい。さらに新聞紙で包んでからポリ袋へ入れて、野菜室か冷蔵室で保存する。
・ポリ袋に入れて冷蔵庫へ

さらに乾燥を防ぐため、ポリ袋に入れて野菜室か冷蔵室へ。
「1週間程度で食べ切るのがおすすめ」

生食やサッと加熱で春キャベツならではの柔らかさを堪能
「春キャベツの塩昆布和え」のレシピ
新鮮だから和えるだけでごちそうに。

《作り方》(作りやすい分量)
【1】春キャベツ1/3玉はざく切りにする。
【2】塩昆布10g、ごま油適量を加えて和える。
「春キャベツのお好み焼き風」のレシピ
パッと作れて子供も大好き。キャベツの歯ごたえを残すと美味。

《作り方》(2人分)
【1】春キャベツ1/4玉は太めのせん切りにする。
【2】フライパンにサラダ油適量を熱し、【1】を炒める。しんなりしたら溶き卵2〜3個分を回し入れる。
【3】卵が固まってきたら裏返し、1〜2分焼く。
【4】器に盛り、中濃ソース・マヨネーズ・青のり各適量をかける。
「春キャベツの卵とじ」のレシピ
加熱で甘みが増し増しに。ご飯にのせて丼にしても◎

《作り方》(作りやすい分量)
【1】春キャベツ1/4玉はざく切りに、玉ねぎ1/4個は薄切りにする。豚バラ肉80gは4cm幅に切る。
【2】フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、豚肉を炒める。肉の色が変わったら玉ねぎを加え、しんなりしたらキャベツを加えて炒める。
【3】キャベツがしんなりしたら塩・こしょう各少量、コンソメ(顆粒)・しょうゆ各小さじ1を加えて混ぜ、溶き卵2個分を回し入れる。蓋をして中火で3分焼く。
「春キャベツのレンジ蒸し」のレシピ
豪快に丸ごと食べるから外と内の葉の味の違いが楽しめる。

《作り方》(作りやすい分量)
【1】春キャベツ1玉の表面を洗い、6等分に切り込みを入れる。

【2】耐熱皿に【1】をのせ、ふんわりとラップをして、電子レンジ(600W)で5分加熱する。
【3】ポン酢・からしマヨネーズ各適量など好みのたれをつけて食べる。
《Point》

加熱直後はかなり熱くなるため、加熱前に切り込みを入れておく。熱も通りやすくなる。
◆教えてくれたのは:荒崎yukiファーム・小島有貴さん

神奈川・三浦半島で50年以上続く農家の5代目。収穫した野菜は毎日、横須賀市の大型農産物直売所『すかなごっそ』に出荷。
撮影/深澤慎平 料理協力・スタイリング/ダンノマリコ
※女性セブン2025年3月27日・4月3日号