
“売れっ子”になってきても中山は「賢示、大丈夫か?」と何かにつけて気にかけてくれたという。
「ヒデさんと一緒に食事に行くと、帰り際にタクシー代の一万円札を手渡されるんです。当時、私はまだ経済的に不安定だったので一度乗車したタクシーをすぐに降りて、ワンメーター分だけ支払って残りは生活費にしていました。ヒデさんは私がそうすることを知っていても、何も言わずにいてくれた。私のお店で志村さんの誕生日会を開いてくれたこともありました」
事務所の枠や立場を超えて、誰とでも親しく接する中山から、人間的にも多くのことを学んだ。
「ヒデさんはいつも“賢示、人を立てることが大事なんだよ”と言うんです。芸能界にいると“おれが、おれが”になりがちですが、スタッフへの感謝がどれほど重要か教わりました。ヒデさんのように、舞台やテレビの仕事はスタッフがいるからできるのだという気持ちをずっと忘れずに持ち続けたいですね」

いまでも不安になったときは、テレビで中山の元気な姿を見て「私もがんばろう」と気持ちを奮い立たせるという。2023年11月、中山は都内で一夜限りのライブを開いた。ステージには中山と縁のある松本明子(58才)や飯島直子(57才)らとともに、はるなの姿があった。
「ファミリーのような雰囲気で思い切り楽しむことができました。人柄と気遣いと優しさがあるからヒデさんの周りにはいつもたくさんの人がいます。“賢示、売れたね。よかったね”と喜んでくれるけど、それはヒデさんのおかげ。『ヒッパレ』でバニーガールとしてヒデさんと出会えたことが私にとっては奇跡でした。この先もずっとその奇跡を大切にしたいです」
【プロフィール】
はるな愛/1972年、大阪府生まれ。松浦亜弥のコンサート音源を流し口パクする「エアあやや」で大ブレークし、2008年にCDデビュー。『ミスインターナショナルクイーン2009』では世界第1位となり、幅広く活躍。
※女性セブン2025年4月24日号