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【全文公開】『地面師たち』続編の撮影が緊急延期、要因は豊川悦司の体調か 昨年11月に腰を手術も続く激痛、闘病を続ける強い覚悟

『地面師たち』で地面師グループのリーダー・ハリソン山中を演じた豊川悦司
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Netflixドラマ『地面師たち』は、世界的にも大ヒットを記録し、社会現象となった。なかでも豊川悦司(63才)が演じた地面師グループのリーダー・ハリソン山中の静かな狂気は大きな注目を集めたが、いま、その続編制作に「待った」がかかっているという──。

彼は祭壇に飾られた中山美穂さん(享年54)の写真を、息を凝らすようにじっと見つめていた。無造作に流した長髪が、少しだけ揺れる。彼女との時間をゆっくりと振り返っていたのだろう。永遠に帰らぬ旅に出た中山さんを見つめる男の背中は、いつもより少しだけ小さく見えた──。

中山さんの「お別れの会」が4月22日、東京国際フォーラムで行われた。昨年12月6日の明け方、入浴中に不慮の事故で急死した中山さんを偲び、多くの関係者とファンが駆けつけた。

友人代表として弔辞を述べたのは、中山さんから姉のように慕われていた小泉今日子(59才)だ。ほかにも永瀬正敏(58才)、森口博子(56才)ら、故人と親交が深かった著名人らが姿を見せるなか、冒頭のようにひと際静かに列席していたのが豊川悦司だった。

「豊川さんと中山さんは恋愛映画の金字塔といわれる『Love Letter』(1995年)で共演。今年4月4日には映画の国内公開30周年を記念した4Kリマスター版の初日舞台あいさつが行われ、その場で豊川さんは『ぼくの隣に美穂ちゃんがいないのが、とても残念な思いです』と故人への思いを語りました。2人は2001年に大ヒットしたドラマ『Love Story』(TBS系)でも共演し、盟友とも呼べる仲でした。最後のお別れの場になくてはならない大切な友人のひとりでした」(芸能関係者)

だが豊川について、「欠席するのではないかという情報が出回っていた」と話すのは、とある映画会社関係者だ。

「事前に関係者で共有された出席者名簿から豊川さんの名前が消えたタイミングがあり、欠席情報が駆け巡ったのです。結果的に出席になったわけですが、どうも豊川さんには体調面の不安があったようで……」

ハリソンのオーラを漂わせたまま

時を同じくして、あの超大型ドラマの関係者の間でも、豊川の異変が取り沙汰されていた。

「昨年7月にNetflixで配信されたドラマ『地面師たち』の続編の撮影が、今秋にも始まる予定でしたが、4月に入ってから、突然撮影の延期が決定したと聞いています。超大型作品だけに数か月間のスケジュールが白紙になってしまったスタッフも少なくなく、混乱する声があがっています。

延期は複合的な理由があるようですが、関係者の間では“豊川さんの体調”が大きな要因だといわれています。内々には半年の延期とされていますが、豊川さんを心配する声が漏れてきています」(大手配信会社関係者)

「地面師」とは、他人の土地の所有者になりすまし、不動産デベロッパーなどに土地の売却を持ちかけて、多額の代金を騙し取る詐欺師のことだ。ドラマでは、2017年に実際に起きた「積水ハウス地面師詐欺事件」をモチーフに、地面師たちの暗躍が描かれた。

昨年7月に配信がスタートすると、騙す側と騙される側のスリリングな攻防が話題になり、“中毒者”が続出。また、ピエール瀧(58才)演じる地面師の「もうええでしょう」というセリフが、2024年の「新語・流行語大賞」にノミネートされるなど、社会現象ともいえる大ヒットを記録。Netflixの日本のドラマランキングの1位をしばらく独走し、世界での人気の指標となるグローバルランキングでもトップ3入りを果たした。

続編では、各キャストの前日譚が描かれる予定だ
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地面師を演じた主演の綾野剛(43才)、脇を固めるピエールや小池栄子(44才)らクセ者揃いの俳優陣のなかで、異彩を放ったのが地面師グループのリーダー・ハリソン山中を演じた豊川だった。

どんな危機が訪れても動じないミステリアスなたたずまいと底知れぬ恐ろしさを持つハリソンを怪演した豊川。地面師グループを裏切った仲間に、「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」と丁寧な敬語で語りかけるやいなや、容赦ない暴行を加える場面は、視聴者に大きなインパクトを与えた。

《かなり面白い役をいただいたというか、とてもやりがいのある役だと思いました》──インタビューでハリソン役についてそう語った豊川は、撮影に全身全霊で臨んだという。

「撮影にカットがかかって、休憩のためほかの演者が控室へ移動するなか、豊川さんだけはスタジオに残り、ハリソンのオーラを漂わせたまま静かにじっとして次のシーンに備えていました。自分の中に入ったハリソンを一瞬でも離したくない、という気概を感じましたね。そんな豊川さんの姿勢のおかげで、現場には常に心地よい緊張感が漂っていました」(制作関係者)

世界的にも注目を集めた作品になっただけに、多くのスタッフが秋に始まる続編の撮影に向けて士気を高めていた。しかし、大まかな撮影スケジュールが関係者に伝えられる予定だったこの4月、彼らに届いたのは「撮影延期」の知らせだった。

「一般的に、クランクインが秋頃とかなり先なのに、4月の段階で延期が決定するのは、異例ともいえるほど早い。第二シリーズでは、新しい詐欺事件の話ではなく、地面師のメンバーたちがなぜ詐欺に手を染めるようになったかという前日譚が描かれると聞いていました。冷酷無情で謎めいたハリソンにどんな過去があったのかは、続編においてひとつの山場なだけに、早く豊川さんが演じるハリソンが帰ってくることを願っています」(前出・大手配信会社関係者)

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