
暑くて食欲がないときでもつるっと食べられて一皿で野菜もたんぱく質も摂れる冷やし中華は、夏の食卓に欠かせないメニュー。ミシュラン“ビブグルマン”に選出されている人気店の麺や 七彩で店主を務める藤井吉彦さんに、お店のワザを再現した絶品冷やし中華レシピを教えてもらった。
ビブグルマン選出の技が光る「麺や 七彩」
イタリアンを彷彿させる、トマトをふんだんに使用した爽やかなスープが特徴の『冷やし中華』。
「スープにレモンの皮を加えると、皮を噛んだときにふわっと香りが広がり、よいアクセントに。そうめんや洗ったご飯を入れてもおいしいですよ」(藤井さん・以下同)
冷やし中華の極意は麺のしめ方にあり!
今回の企画で取材した全店が「冷やし中華をおいしくするポイント」として挙げたのが麺のしめ方。でんぷんが残っていると味がぼやけるので、ゆでた麺は流水でぬめりがなくなるまで洗い、氷水でキンキンに冷やしてコシを出す。たれが薄まらないように、水気をしっかり切ることも大切。
【1】よく洗ってぬめりを取る

ゆで上がった麺は流水でよくもみ洗いし、余分なでんぷんのぬめりを落とす。
【2】氷水に入れてしっかりしめる

麺を洗ったら冷水や氷水に浸けて一気に冷やすことで、麺が引きしまる。
【3】麺はざるに押しつけて絞る

麺は手でざるに押しつけ、麺の中の水気まで押し出すと水っぽくなりにくい。
《作り方》(2人分)
【1】ミニトマト150gは縦半分に切ってから横半分に切る。ボウルに入れ、砂糖小さじ1をまぶす。大葉2枚は縦半分に切ってからせん切りにする。国産レモン1/4個は皮をむき、皮を2cm程度の長さのせん切りにする。残りのレモンは搾っておく。
【2】鍋に酢100ml(1/2カップ)を入れて火にかけ、沸騰したら火を止める。鶏がらスープ150ml(3/4カップ)、砂糖110gを加えて混ぜる。
【3】【1】のトマトを手で揉んで潰し、【2】に加える。残りの【1】を加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やす。
【4】きゅうり2本はせん切りにし、水で洗ってから水に5分程度さらし水気を切る。大葉8枚はせん切りにする。
【5】鍋に湯を沸かし中華麺2玉(400g)を表示の通りにゆでたら、流水で洗ってぬめりを取り氷水で冷やす。
【6】【5】の水気を切り、冷やしておいた器に盛る。トマトが麺の周りになるように【3】をかけ、【4】のきゅうりを盛り、大葉をのせる。
※たれは作りやすい分量。かける際は好みで量を調整を。
Point

トマトは砂糖をまぶして水分を出し、さらに旨みが溶け出すように手で潰す。

「店では酸味の少ない酢を使っていますが、一般的な酢を使う場合は、一度沸騰させると味がまろやかに」

レモンの皮は苦みのある白い部分を丁寧にカット。
「ピーラーを使って皮だけむいても」

きゅうりは水で洗ってから5分程水にさらす。
「シャキシャキし、特有の青くささもなくなります」
◆麺や 七彩 店主・藤井吉彦さん

ミシュラン“ビブグルマン”に2年連続で選出される。注文を受けてから麺を打つという、唯一無二のラーメン店。『冷やし中華』は、小麦粉の香りが高い麺とたれがよく絡む。

住所:東京都中央区八丁堀2-13-2
撮影/市瀬真以 取材・文/青山貴子
※女性セブン2025年7月17日号