ライフ

スーパーやコンビニの総菜「保存料として添加物を使用」「無添加をうたう総菜には食中毒リスク」「未包装総菜は食品表示の義務がない」…知っておきたい現実 

スーパーやコンビニの総菜の中には健康を害するものが含まれている可能性がある(写真/PIXTA)
写真6枚

焼き鳥にから揚げ、コロッケ、ハンバーグ……料理するのがめんどくさい日や、どうせ1人分なら買った方がいいと思ったとき気軽に買えて、おいしい総菜は強い味方だ。しかし、中には健康を害する可能性がある総菜もあるかもしれない。知っておきたい総菜の真実とは──。

西日本各地で梅雨明けが相次ぎ、もうすぐ猛暑がやって来る。そこで憂鬱になってくるのが日々の炊事だ。

チラシ・買い物情報サービス『トクバイ』が昨夏にまとめたアンケート調査では、回答者の7割以上が「暑い台所での調理作業」を負担に感じていることが判明。また、そうした負担を軽減するため、回答者の34.2%が総菜を購入していることも明らかとなった。

一方で、「既製品の総菜に依存することは、健康を害するリスクが高まる」と不安に思う人も多いだろう。食品問題評論家の垣田達哉さんが言う。

「総菜には、工場調理のものと店内調理のものがあります。工場調理は完成して店頭に並べられてから、消費されるまで2〜3日かかるため、肉じゃがや筑前煮といった煮物類など時間が経っても味や品質が落ちにくい総菜に向いている。

ただ、食中毒対策としてpH調整剤やソルビン酸カリウムなど保存効果のある食品添加物が使われていることが多い。pH調整剤は例外的に一括表示ができるもので、具体的に使用されている物質はわからず、ソルビン酸カリウムは発がん性が指摘されています」

管理栄養士の望月理恵子さんが続ける。

酸化しやすい揚げ物は酸化防止剤を使っていることがある(写真/PIXTA)
写真6枚

「コロッケやから揚げのような揚げ物は酸化しやすいので酸化防止剤を使っていることがありますが、環境ホルモン作用や発がん性が指摘されています。だからといって酸化防止剤を使わないと油が劣化し、酸化した油を摂取することになるので体には決していいとは言えません。酸化した食品を食べると老化が進む可能性があります。

また、ハンバーグのデミグラスソースやあんかけラーメンなどには増粘多糖類という複数の糖類を化学的に結合させたものが添加されていることが多い。増粘多糖類は摂取しすぎると下痢になることがあります」

大手スーパーの鮮魚担当者が匿名を条件に、自分の店では売っているが絶対に食べない商品を挙げる。

「ねぎとろ巻きやねぎとろ丼などに使われる『まぐろのたたき身』は、本物のまぐろの使用量は重量の半分くらいで、残りはショートニングという油脂などでかさ増ししていることもあるので私は買いません。まぐろの刺し身はいいですが、切り落としは植物油脂や酸化防止剤、pH調整剤などが変色防止に多用されています。

また、えびやいか、かき揚げなどの天ぷらもです。うちの店では天ぷらは店内調理ですが、万が一の加熱不足に備え、pH調整剤など保存料を入れています。食中毒が起きてしまえば大問題ですが、添加物は使用が禁止されているわけではありませんし、すぐに不調につながるわけではないですから……」

一方で、無添加をうたう総菜にも危険がある。

「2年前、イベントで販売された無添加の手作りマフィンによって食中毒が発生しました。個人的には無添加の総菜の方が食中毒のリスクが高く、不安が多い。そのため、総菜を選ぶならば多少添加物が入っていても食中毒リスクを避けることを優先したいと思います」(望月さん)

店内調理でも添加物が使用されているケースがある(写真/PIXTA)
写真6枚

総菜の材料となる食材そのものに添加物が使用されているケースも見逃せない。流通アナリストの中井彰人さんが解説する。

「店内調理といっても、店内で売られている生鮮食材を使って調理するわけではない。設備やマンパワーが限られるなかで効率よく調理するため、カット野菜などの半製品キットが使われることも多い」

そうした業務用の半製品キットには、「食品添加物が使われていたり、一般消費者があえて選ばないような外国産だったりする」(垣田さん)という。

さらに垣田さんが「要注意」とするのが、「未包装総菜」だ。

「揚げ物や焼き鳥など、商品棚にバラで並べているのを客がトングなどでパックに取って購入する未包装総菜は、食品表示の義務がない。『国産鶏使用』などと自主的に表示していない場合は、安価な中国産の鶏肉調整品が使われていることも少なくありません」

味付けにも問題がある。

「外食・中食すべてに言えることですが、家庭料理と比べて塩分が高い。これはその方が多くの人がおいしいと感じて売れるからです。

味付けが濃いのが好きな人が薄味なものを食べると“まずい”と感じる一方、薄味が好きな人が少々濃いめの味付けのものを食べても“ちょっと塩辛いな”と思う程度で許容されるという点も、塩分を高くしている理由です」(垣田さん)

関連キーワード