
東京・代官山の住宅街にある『TACUBO』は、ミシュランで星を取り続けるイタリアンの名店。素材を活かした美食の数々は、多くの食通に支持されている。今回はシェフが家庭でも作れるレシピを特別に考案してくれた。イタリアンの本来は素朴な家庭料理ということで、素材の味を生かしたレシピが満載!
「戻りがつおのカルパッチョ」のレシピ
野菜たっぷりのソースをかけた自家製たたき風。
「脂がのった戻りがつおに、香りと酸味をきかせたソースがよく合います。パン粉を使うのは、トスカーナ地方のサラダ『パンツァネッラ』のイメージ」(シェフの矢島直樹さん)

《材料》(2人分)
かつおのさく(刺身用)…150g オリーブオイル…15g(大さじ1強) ミニトマト…4個 きゅうり…15g セロリ…15g オリーブ…6個 アンチョビー…1枚
【A】生パン粉…10g ケイパー…5g 赤ワインビネガー…7ml 塩・こしょう…各適量 (あれば)粒マスタード…5g バジルの葉…2枚 紫玉ねぎの薄切り…100g ディル…適量
《作り方》
【1】ミニトマト、きゅうり、セロリ、オリーブは小さめの角切りに、アンチョビーはみじん切りにする。
【2】ボウルに【1】、【A】を入れて混ぜ、10分おく。
【3】フライパンにオリーブオイルを熱してかつおを入れ、すべての面に軽く焼き色をつける。すぐに氷水に入れて冷まし、取り出して水気を拭く。
【4】【3】を食べやすく切って器に盛り、【2】をかける。粒マスタードをのせ、ちぎったバジル、紫玉ねぎ、ディルをのせる。
《Point》
ソースに加えたパン粉が野菜から出た水気を吸う。
「かつおと一緒に食べても水っぽく感じません」(矢島さん)

かつおを加熱するときは、火が通り過ぎないように、表面に薄く焼き色をつける程度に。

「焼き色をつけたかつおはすぐに氷水につけて冷やし、余熱が入るのを防ぎます」(矢島さん)


「包丁は小刻みに動かさず刃を長く使うとスッと切れます。やや厚く切るのがおすすめ」(矢島さん)
「玉ねぎのカルボナーラ風」のレシピ
クリーミーソースに卵を絡めてさらに濃厚に。
「ほどよく加熱した玉ねぎにソースをかけて、温かいサラダ風に。玉ねぎの代わりに、レタスや白菜などで作っても」(矢島さん)

《材料》(2人分)
玉ねぎ…1個(300g) 薄切りベーコン…50g 白ワイン…15ml バター…10g 生クリーム…150ml オリーブオイル…8g(大さじ1/2強) にんにく…1片 温泉卵…1個 塩・チーズ(あればグラナ・パダーノ)・粗びき黒こしょう…各適量
《作り方》
【1】玉ねぎは薄切りにし、軽く塩を振る。耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分30秒加熱する。
【2】冷たいフライパンにつぶしたにんにく、オリーブオイルを入れて浸す。弱火で熱し、香りが立ったらにんにくを取り出す。5mm幅に切ったベーコンを加え、カリカリになるまで弱火でじっくり炒める。余分な脂は拭き取る。

【3】白ワインを加え、鍋底の焦げをこそげ取りながらなじませる。バター、生クリームを加えて少し煮詰める。

【4】器に【1】を盛って【3】をかけ、温泉卵をのせる。チーズ、粗びき黒こしょうをかける。
《Point》

「ベーコンは、カリッとするまでじっくり炒めて旨みを引き出します。フライパンの底に焦げがついてきますが、その焦げにも旨みがぎっしり。白ワインを加えたらしっかりこそげ取ってなじませ、逃さず活用しましょう」(矢島さん)