健康・医療

背中のこりは腰痛、肩こりの原因&太りやすい体質に…やせて痛みがとれる「1日3分の背中ストレッチ」を整体師が伝授

やせて痛みがとれる「1日3分の背中ストレッチ」を整体師が伝授
やせて痛みがとれる「1日3分の背中ストレッチ」を整体師が伝授(写真/PIXTA)
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あなたは最近、自分の背中をいつ見ましたか? 自分ではなかなか見えないため、気づかないうちに丸まり、ガチガチで鉄板のように固まっている人も。「背中のこり」は腰痛、肩こり、歩きにくさなどあらゆる不調を引き起こす原因に。しかも代謝が低下し太りやすい体質にも。これらを改善するために、「背中をほぐす」ストレッチを始めよう!

「背中のこり」は腰痛、肩こり、歩きにくさなどあらゆる不調を引き起こす原因に
「背中のこり」は腰痛、肩こり、歩きにくさなどあらゆる不調を引き起こす原因に(写真/PIXTA)
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背中をほぐして代謝を上げる!

「背中が硬くなると、体にあらゆる異変が起きます」と言うのは、ボディバランス整体師の吉田佳代さん。

「背中には広背筋や僧帽筋といった大きな筋肉群が集まっています。特に肩甲骨まわりは大小含めて17種類の筋肉に支えられています。

肩甲骨がガチガチに固まり、動きが悪くなると血流が悪くなり、肩こり、腰痛などの不調が出てきます。また自律神経が乱れると疲れがとれにくくなる、更年期による不定愁訴の悪化などにつながります」(吉田さん・以下同)

肩甲骨がガチガチに固まり、動きが悪くなると血流が悪くなり、肩こり、腰痛などの不調が出てくる
肩甲骨がガチガチに固まり、動きが悪くなると血流が悪くなり、肩こり、腰痛などの不調が出てくる(写真/PIXTA)
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猫背などの姿勢の悪さも背中を硬くし、太りやすい原因になる。

「背中が丸まり、巻き肩になると胸郭が狭まり、呼吸が浅くなる。すると、代謝が低下し、脂肪がつきやすくなります。また、猫背はお腹の脂肪をため込み、ぽっこりお腹の原因にも。

背中をほぐして姿勢を正せば、代謝がアップしてやせやすい体質を目指せるのです。肩甲骨はたくさんの筋肉に支えられているので、ここが柔らかくなるとほかの部位の動きもよくなり、運動効率が上がって太りにくい体を手に入れることができます。さらに背中まわりがほぐれると血流が改善し、腸内の老廃物の排出がスムーズになり、便秘解消にもつながります」

まずは、あなたの背中が硬いかどうか、簡単なテストをしてみよう。

「背中に両手を回して握手をしてみてください。次に、手を逆にして握手をしてください。両手をつなぐことができたら、あなたの背中はほぐれている状態です。できなかったら、背中がこっている証拠です。

。できなかったら、背中がこっている証拠
両手をつなぐことができなかったら、背中がこっている証拠(写真/PIXTA)
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背中で握手するには、肩甲骨や腕、胸などの筋肉を柔軟に動かす必要がありますが、これらの筋肉が硬く、可動域が狭くなっていると、背中握手はできません。

ですが、背中は意識的に動かせば次第にほぐれて柔らかくなります。これから紹介するストレッチを3週間ほど続ければ、背中で手が組めるようになりますよ」

ストレッチは1日3分行うだけ。痛みを感じない程度にじっくりと行うこと。3週間続ければ、太りにくい体も手に入る。

目指すは“握手”ができる背中! 背中をほぐしてやせるメソッド7

背中ほぐしは食後を除き、いつ行ってもよいが、日々のルーティンに組み込めば続けやすい。

朝のストレッチ

体温を上げ、頭と体を目覚めさせる。硬くなった肩甲骨をほぐして全身の血流をよくし、内臓に酸素を送り込むことで動ける体に。

【ウオーミングアップ】

直立して腕の力を抜き、鼻から息を吸いながらゆっくり両肩を上げる。次に、口から勢いよく息を吐きながら素早く肩を下げる。10回繰り返す。

直立して腕の力を抜き、鼻から息を吸いながらゆっくり両肩を上げる。次に、口から勢いよく息を吐きながら素早く肩を下げる
直立して腕の力を抜き、鼻から息を吸いながらゆっくり両肩を上げる。次に、口から勢いよく息を吐きながら素早く肩を下げる(イラスト/吉濱あさこ)
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【内臓ヨガ】

【1】まっすぐ立ち、両手を後ろに組み、左足を後ろに下げる。

【2】息を吸いながら体を右に倒す。息を吐きながらゆっくりと体を元に戻す。

【3】足を逆にして反対側も行う。【1】~【3】を3回繰り返す。

内臓ヨガ
内臓ヨガ。左から【3】【1】【2】のポーズ(イラスト/吉濱あさこ)
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日中のストレッチ

肩甲骨まわりの筋肉はふだんの生活ではなかなか動かすことが少ないため、家事や仕事を始める前にほぐしておくと、代謝も上がり、疲れにくくなる。

【肩甲骨から腕をまわす】

【1】直立し、腕を前方に伸ばす。

直立し、腕を前方に伸ばす
直立し、腕を前方に伸ばす(イラスト/吉濱あさこ)
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【2】腕を伸ばしたまま、手のひらを上に向ける。

腕を伸ばしたまま、手のひらを上に向ける
腕を伸ばしたまま、手のひらを上に向ける(イラスト/吉濱あさこ)
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【3】両手を開き、肩甲骨から腕をくるくると後ろに10〜30回まわす。

両手を開き、肩甲骨から腕をくるくると後ろに10〜30回まわす
両手を開き、肩甲骨から腕をくるくると後ろに10〜30回まわす(イラスト/吉濱あさこ)
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午後のストレッチ

同じ姿勢を長時間続けると、肩甲骨まわりがこり固まってしまう。1時間に1回はストレッチを行い、ほぐすように心がけよう。

【肩甲骨を寄せる】

【1】背筋を伸ばし、ひじを曲げてわきを締める。手の位置は肩の高さより少し下に。

背筋を伸ばし、ひじを曲げてわきを締める。手の位置は肩の高さより少し下に
背筋を伸ばし、ひじを曲げてわきを締める。手の位置は肩の高さより少し下に(イラスト/吉濱あさこ)
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【2】ひじを締めて肩甲骨を背中の真ん中に寄せる。このとき胸を前に突き出す。1と2を10回繰り返す。

ひじを締めて肩甲骨を背中の真ん中に寄せる。このとき胸を前に突き出す
ひじを締めて肩甲骨を背中の真ん中に寄せる。このとき胸を前に突き出す(イラスト/吉濱あさこ)
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【首のツボを押す】

人差し指から小指で頭を支え、両方の親指でうなじのへこんだ部分を押す。このとき、肩甲骨を寄せるようにする。

人差し指から小指で頭を支え、両方の親指でうなじのへこんだ部分を押す。このとき、肩甲骨を寄せるようにする
人差し指から小指で頭を支え、両方の親指でうなじのへこんだ部分を押す。このとき、肩甲骨を寄せるようにする(イラスト/吉濱あさこ)
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夜のストレッチ

背中をほぐし、姿勢矯正を行うことで全身の血流がよくなり、一日の疲れが癒されて、よく眠ることができる。

【シャンプー時にマッサージ】

シャンプー時に、人差し指から小指で頭部中央を縦に走る「矢状縫合(点線部分)」を横に広げるよう10回程度押すと、リンパの流れがよくなる。

シャンプー時にマッサージ
シャンプー時にマッサージ(イラスト/吉濱あさこ)
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【バスタオルで背中をほぐす】

丸めたバスタオルを肩甲骨の下に置き、その上に仰向けに寝る。手はラクに横に伸ばして2分間深呼吸。

丸めたバスタオルを肩甲骨の下に置き、その上に仰向けに寝る
丸めたバスタオルを肩甲骨の下に置き、その上に仰向けに寝る(イラスト/吉濱あさこ)
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丸めたバスタオル
丸めたバスタオル(イラスト/吉濱あさこ)
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背中ほぐしのストレッチとともに気をつけたい5つの習慣

背中ほぐしのストレッチとともに、以下の習慣を心がけよう。代謝も上がり、よりやせやすい体に。

【1】呼吸を深くする

「深い呼吸は自律神経を整え、気持ちを落ち着かせ、血流をよくします。1時間に1回は鼻から息を大きく吸って、ゆっくり鼻から吐き出す深呼吸をしましょう」(吉田さん・以下同)

【2】猫背にならない

「猫背のままでは横隔膜が圧迫されて呼吸が浅くなります。肩甲骨を動かし、胸を前に出して背筋を伸ばしましょう」

【3】イライラしたら口角を上げる

「イライラすると筋肉が硬直します。口角を上げると気持ちが上がり、筋肉の緊張もほぐれます」

【4】ブラッシングをする

「頭にあるさまざまなツボをブラシで刺激することで、リンパの流れがよくなります。肩甲骨を意識的に動かすと背中まわりの筋肉もほぐれます」

【5】ぬるめのお湯につかる

「38〜40℃程度のお湯に20分程度つかると、より代謝がよくなります」

◆教えてくれた人:ボディバランス整体師・吉田佳代さん

40種類以上の手技で8万人以上の不調を解決。著書に『その不調、背中ストレッチが解決します。』(アスコム)ほか。

取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2025年10月30日号