健康・医療

《専門医が指南する「老いを防ぐ胃腸・脳・メンタル」の鍛え方》重要なのはストレスを減らすこと…「孤食を避ける」「ドーパミンが出る生活スタイル」「肌や頭皮は毎日ケア」

3人のシニア女性
誰かと一緒に食事をすることが大切になる(写真/PIXTA)
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 人生100年どころか、人生120年時代が近づくなか、年齢を重ねることを楽しむか、苦しむかは長い老後を過ごす際の重要なポイントになる。超高齢社会の大きな課題は平均寿命と健康寿命の乖離だ。最期まで体と心の健康を維持してピンピンコロリを実現するには、「老化」の“真実”を知り、日常生活で実践できる「老いないメソッド」を身につけることが分岐点になるのだ。【前後編の後編。前編から読む

胃腸虚弱が便秘やがんなどのリスクを高める

 日々の食生活が健康長寿の土台となることはいうまでもない。

 多くの人は栄養素や食べる頻度などを気にするが、京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二さんは「老いを防ぐ食事で最も大切なのはひとりで食べないことです」と指摘する。

「社会から孤立すると人間はすぐうつになって老化が進みます。重要なのは“孤独感”。毎日の食事で孤独感からストレスを感じないよう、できるだけ誰かと一緒に食べることが大切です」

 ある調査によれば、昼・夜の食事×7日で1週間に14回ある食事のうち、日本人の成人が他人と一緒に食事をする頻度は7回だったという。

若々しくいるための老いない生活習慣(食事・脳)
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「この数字は世界133位という低さです。人との絆が薄くなると健康を害するので、“孤食”を避けることが健康長寿のポイントです」(内藤さん・以下同)

 近年では、“第二の脳”である腸を整える腸活が健康寿命延伸に効果があるとされる。

 内藤さんは腸が弱くなる「ガット(胃腸)・フレイル(虚弱)」が便秘や生活習慣病、がんなどのリスクを高めると指摘する。

「胃腸が弱まったり便秘が悪化すると、細胞壁から毒素や未消化の食べ物が血液にあふれ出し、体に不調や病気をもたらすばかりか、たんぱく質の栄養がどんどん流れてしまうともいわれています。たんぱく質や食物繊維などの栄養素をしっかり摂ることが第一です」

 食事で栄養を摂るのがいちばんだが、サプリメントを取り入れるなら「マルチビタミン」や「マルチミネラル」などベースとなる栄養サプリもいいだろう。

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