【東京都中央区】「あまからくまから」人形町店
もとは居酒屋を営んでいた林 育夫さんがジビエに出会ったのは約20年前。

季節ごとの味わいで楽しむ滋味深いジビエ料理
冬に届く鹿肉や、初めて扱った猪鍋のおいしさに驚き、同時に「同じ種類の肉でもその時々で味が違う」という、ジビエならではの奥深さを知ったという。
調べる中で、猟期や発情期、環境によって肉質が変わる“旬の食材”であることを知り、「一番おいしい瞬間を届けたい」と専門店へ転向。個体の背景が分かる仕入れと丁寧な下処理により、クセを抑え、甘みとコクのある味わいを実現。和洋の多彩なメニューでジビエ初心者にも親しまれている。

バターのようなまろやかな甘みを堪能「穴熊すき焼き」
高たんぱくでビタミンB群や鉄分、亜鉛などのミネラルが豊富。脂は驚くほど香り高い。すき焼きの割り下と相性がよく、噛むと旨みがふわっと広がる。

長時間煮込んでトロトロに。コラーゲンたっぷりの高級食材「熊の掌の煮込み」
中国では高級食材として珍重されている。5~6時間かけて煮込み、しょうゆ、紹興酒、みりん、はちみつなどで食べやすく味付け。

骨についた肉もすべてありがたくいただく「ジビエの前菜3種盛り合わせ」
鹿肉と“海のジビエ”と言われるトドの肉は低温調理でじっくり加熱し、たたきに。穴熊の佃煮はあばら骨についている肉を煮た後にほぐして味付けしたもの。(「至福のグルメコース」1万2800円、「マタギの月鍋コース」1万3800円などコース料理の中で提供)

◆「あまからくまから」人形町店
命の尊さや感謝の気持ち、自然との共存という考え方を大切に、信頼できる猟師から仕入れたジビエだけを提供する。

住所:東京都中央区日本橋人形町3-7-11 大川ビル2F

【東京都渋谷区】「Saint FAUCON」(サン フォコン)
ジビエの本場フランスで修業後、2012年から渋谷、代々木上原とフレンチの名店が集うエリアでジビエの魅力を伝え続ける千葉貴大シェフ。

先入観を捨てて食べてほしい驚くほどおいしいジビエ
「日本ではまだなじみが薄いジビエですが、きちんと扱えば、驚くほど繊細でおいしい料理になります」(千葉シェフ)
仕入れから下処理、火入れまで、一切妥協せず、野性味を残しつつも澄んだ味わいに仕上げる。日本人の味覚になじむ一皿を提供し、ジビエを“特別”から“身近”へと導く一軒として注目されている。
かわいらしいあしらいに食べる前からにっこり「クマパイ」
熊の脂を使ったパイ生地に、熊肉とフォアグラを包んで焼き上げる。ソースは熊の骨や筋を赤ワインで煮詰め、熊の血とカシスで深みを添える。

コク深くとろける味わいは赤ワインにぴったり「アナグマのロワイヤル」
穴熊の肉を、骨や筋から取ったフォンでじっくり火入れ。フォンを煮詰めて作った濃厚ソースを合わせ、フォアグラやトリュフも加えてぜいたくな味わいに。

◆「Saint FAUCON」(サン フォコン)
フランスの星付きレストランに勤務し、ジビエに目覚める。食べるのが楽しくなるような盛り付け、香りにもこだわる。

住所:東京都渋谷区西原3-5-3 小林ビル1F
※メニューはコース料理のみ。「おまかせコース」1万1000円~ほか。内容は仕入れ状況により異なります。
【大阪府三島郡】「RISTORANTE Co.N.Te」(リストランテ コンテ)
大阪府で最初にジビエ加工処理施設を併設したリストランテ コンテ。

加工処理施設も併設し、命と向き合って料理する
宮井一郎シェフは、10代で画家を志して渡仏するが、ジビエ文化に出会い衝撃を受け、料理の道へ。帰国後、ジビエ専門飲食店をオープンし、狩猟免許も取得した。
「コンセプトは“山から、テーブルへ”。命と向き合いながら、性別や個体差を見極め、状態に合わせた丁寧な作業でその日の料理を組み立てています」(宮井シェフ)

素朴な味付けだけで楽しむ繊細な香りとやわらかさ「鹿のロースト」
鹿肉は脂が少なく繊細。じっくりと温度を上げ、休ませながら火を通すことで肉汁が落ち着き、しっとりやわらかく仕上がる。味付けはシンプルにハーブや塩、黒胡椒で。

骨付きで焼き上げ香草をまとわせて「猪のロースト」
若い猪の小ぶりなロースは、骨付きのまま調理。にんにく、ローズマリー、アンチョビ、酢漬けケッパー、白ワインで香りよく仕上げ、素材の力を引き出す一皿に。付け合わせには自家栽培の野菜を。


◆「RISTORANTE Co.N.Te」(リストランテ コンテ)
大阪・島本町で、狩猟・解体・調理までを自ら一貫して行う。ジビエ料理のイベントや食育、狩猟に関するセミナーなども開催する。
※メニューはアラカルトほか、「島本ジビエを使った季節のコース」1万2800円など。内容は仕入れ状況により異なります。

住所:大阪府三島郡島本町水無瀬2-7-1
撮影/山崎純敬、玉井幹郎 取材・文/廉屋友美乃、近藤鈴佳
※女性セブン2026年2月5日号