健康・医療

【「変形性膝関節症」治療のために知っておくべきこと】傷んだ部分のみを削ってインプラントに入れ替える人工関節「UKA」はメリット多数だが、「医師の経験」に左右されやすい 

女性は、年齢を重ねると関節、首や腰などに問題を抱えやすい(写真/PIXTA)
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 人生100年時代に暮らす私たちの生き生きとした老後を妨げるのは、ひざ、股関節、首や腰の痛み。一方、症状や治療法は千差万別だ。あなたに合った診断と治療で、年だからと諦めていた「痛みのない生活」を叶えてくれる病院を名医たちに聞いた。ジャーナリストの鳥集徹氏と本誌『女性セブン』取材班がレポートする。【全3回の第1回】

「ロコモティブシンドローム」をご存じだろうか。日本整形外科学会が提唱している言葉で、骨、関節、筋肉、神経といった「運動器」にかかわる組織の障害によって、身体能力(移動機能)が低下した状態を指す。

 年齢を重ねると、誰もが多かれ少なかれ骨や関節に不調をきたす。特に女性は男性より「ひざ関節」「股関節」「首・腰(脊椎)」などに問題を抱えやすいのに、「歩きづらくて困ってはいるものの、なんとかがまんできるから」と放置してしまっている人も多いのではないだろうか。

 だが、侮るなかれ。実は、要介護・要支援になった原因の第3位が「骨折・転倒」(13.9%)、第5位が「関節疾患」(10.2%)と、骨や関節にかかわるものなのだ(第1位が「認知症」で16.6%、第2位が「脳血管疾患」16.1%、第4位が「高齢による衰弱」13.2%/厚生労働省「国民生活基礎調査」2022年)。

 骨や関節の痛みを放置すると、その部分を動かさなくなるので、筋肉がやせ細って硬くなり、ますます症状が悪化してしまう。そののち介護や支援が必要にまでなると、健康寿命にも影響する。つまり、命が縮まる恐れがあるのだ。

 それに、外を出歩くのがつらくなると、生活の質が落ち、人生自体を楽しめなくなってしまう。充実した毎日を過ごすためにも、骨や関節の悩みがある人は放置せず、整形外科医に相談してほしい。

 とはいえ、ひざ関節、股関節、脊椎などの手術には、病院によって治療成績に差があるのが実情だ。そこで今回も、本誌で過去に取材した名医を中心に「自分や家族がかかりたい病院、あるいはかかりたくない病院」を尋ねるアンケートを実施した。

 さらに、「頼れる病院」リストと合わせて、手術するにあたって「知っておくべきこと」をまとめた。最期まで自分らしく生きるためにも、医療を上手に利用できる「賢い患者」になってほしい。

【ひざ】「骨切り術」でジャンプができる!

 街を歩くと、ひざが外側に曲がって両足の間に隙間ができる「O脚」の中高年を見かけることがある。ひざ関節の内側の軟骨がすり減り、骨が変形してしまうのが原因だ。このように、腫れや痛みとともにひざ関節が変形する病気を「変形性膝関節症」と呼ぶ。

 この病気は圧倒的に女性に多く、有病率は男性と比べて約4倍も高い。足の筋肉が弱いことが要因の1つと考えられており、さらに体重も関係している。北水会記念病院副院長の塚田幸行医師が話す。

北水会記念病院副院長の塚田幸行医師
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「当院は手術だけでなく、保存療法にも熱心に取り組んでおり、痛み止めの服用やヒアルロン酸注射を行っています。

 しかし、いちばん効果が確かなのは『減量』です。歩くときは体重の3~4倍、階段を下りるときは7~8倍の負荷がひざにかかります。ですから、数㎏の減量でかなり痛みが軽くなる。

 加えて、ひざを支える筋肉のトレーニングも大切です。ひざ関節と股関節は筋肉を共有しているので、これらのトレーニングと同時に体幹も鍛えると、大抵の人は症状が改善します。減量と筋トレだけで、手術せずにひざの不調が治ったという人もたくさんいるのです」

 では、具体的にどんな筋トレが効果的なのか。香川県済生会病院副院長の真柴賛医師がすすめるのは、大腿四頭筋を鍛える「ストレートレッグレイジング」だ。