健康・医療

《腸を温めれば便秘や下痢対策、免疫力低下も》”腸温度”を上げる食品や習慣を専門家10人が伝授!圧倒的な支持を集めた1位食材とは?

お腹にふれる女性
いくら腸が整っても冷えていたら元も子もない(写真/PIXTA)
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健康のためには「腸活」がいいと、せっせと発酵食品や食物繊維を摂っている人は多いだろう。しかし、いくら腸が整っても冷えていたら元も子もない。病気にならない体作りには「腸温度」が大事なのだ。健康と食のスペシャリストたちがすすめる「食品」と「習慣」を徹底取材する。

腸が元気な人たち
病気にならない体作りには「腸温度」が大事(写真/PIXTA)
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腸の温度が下がると、免疫力の低下に直結

冷え込みが一段と厳しくなる季節、手足の冷えもつらいが、気にすべきはお腹の冷え、すなわち「腸温度」の低下だ。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが解説する。

「『腸温度』とは、血液や内臓など体内の『深部体温』のこと。一般的に体温計で測定する『皮膚温』よりも約1℃高い37℃は必要で、内臓が冷えると体にさまざまな不調が起きやすくなります」

『腸温度』とは、血液や内臓など体内の『深部体温』のこと
『腸温度』とは、血液や内臓など体内の『深部体温』のこと(写真/PIXTA)
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冬場のちょっとした油断がお腹の冷えをもたらすと話すのは、消化器病専門医の工藤あきさんだ。

「冬は外気温が低いため、少し薄着になるだけで体が冷えて、自律神経が乱れやすくなります。血流も悪化して腸の動きが鈍くなり、便秘や下痢、腹痛、さらには胃もたれなどを引き起こす原因になります」

たかが「お腹の冷え」と侮ってはいけない。腸の温度が下がることは、私たちの生命線ともいえる免疫力の低下に直結する。みなと芝クリニック名誉院長の川本徹さんはこう話す。

「腸管にはリンパ球など免疫細胞の約7割が存在していて、細菌やウイルスが体内に入らないようブロックしています。免疫細胞は37~39℃で活発に働くので、腸温度が下がると働きが低下して感染症にかかりやすくなる。長期的に見れば、がんになりやすいともいわれています」

つまり腸の温度を上げれば、病気のリスクが下がり、免疫力向上や便秘解消など健康が手に入るということ。そこで医師・管理栄養士10人に、腸温度を1℃上げる「最強の食品」と「究極の習慣」を聞いた。

※以下10人の医師と食の専門家に、冷えに負けない元気な腸を作る「腸を温める食品」と「腸を温める習慣」を最大10個挙げてもらい、1位を10点、2位を9点、3位を8点、4位を7点、5位を6点、6位を5点、7位を4点、8位を3点、9位を2点、10位を1点として集計。10点以上の項目をランキング化した。

石原新菜さん(イシハラクリニック副院長)、一石英一郎さん(国際医療福祉大学病院内科学教授)、川本徹さん(みなと芝クリニック名誉院長)、工藤あきさん(消化器病専門医)、國澤純さん(医薬基盤・健康・栄養研究所ヘルス・メディカル微生物研究センター長)、田中優子さん(田中病院院長)、中沢るみさん(管理栄養士)、松生恒夫さん(松生クリニック院長)、望月理恵子さん(健康検定協会理事長/管理栄養士)、山本佳奈さん(内科医)

鍋料理やみそ汁にしょうがやにんにく

今回、専門家10人のうち6人が「最強の食品」の1位に挙げ、圧倒的な支持を集めたのが「しょうが」だった。田中病院院長の田中優子さんが言う。

しょうが
圧倒的な支持を集めたのが「しょうが」(写真/PIXTA)
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「生のしょうがに含まれるジンゲロールには、末梢血管を広げて血流を促進する働きがあり、腸温度が上がりやすくなります」

さらに、しょうがは加熱や乾燥によってジンゲロールの一部がショウガオールという成分に変化し、温め効果がアップするという。

「ショウガオールは体の内側から燃焼効果を高め、熱をつくることで深部体温を上げます。乾燥させた粉末を使うのでもいいし、温かい料理や飲み物に入れるのもおすすめです」(石原さん)

ただし、熱を加えすぎるのはNGだ。国際医療福祉大学病院内科学教授の一石英一郎さんが補足する。

「ショウガオールは100℃を超えると効果が期待できません。80℃程度で温めるのが、体温を効率よく上昇させるポイントです」

続いて2位にランクインしたのは、日本人の食卓に欠かせない「みそ汁」だ。管理栄養士の望月理恵子さんが説明する。

「みそに含まれる酵素や麹菌が消化や代謝を助け、熱を生み出しやすくします。麹菌や乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を良好に保つ働きもあります」

スタミナ食材の代表格「にんにく」は3位に。

「にんにくに含まれるアリシンには、血管を拡張して血流を改善する作用がある。体の芯から温まりやすくなるうえ、抗菌・抗炎症作用もあり、腸内環境の改善に役立ちます」(望月さん)

飲み物の中で最も票を集めたのは、「甘酒」(4位)だった。管理栄養士の中沢るみさんが言う。

甘酒
甘酒は体を内側からしっかり温めてくれる(写真/PIXTA)
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「甘酒は体を内側からしっかり温めてくれます。麹菌による発酵食品なので腸内環境を整える働きもあり、栄養も豊富。腸の調子を底上げしてくれます」

こうした食品を無理なく取り入れるには、「ちょい足し」が効果的だ。

「鍋料理やみそ汁に、しょうがやにんにく、唐辛子(5位)を薬味として加えるのがおすすめ。甘酒や白湯、紅茶などにしょうがを少し足すのもいいでしょう」(石原さん)

汗をかく運動は逆に体を冷やす

食品で内側から温めるのと同時に、日々の習慣で腸温度を底上げすることも欠かせない。専門家たちが選んだ「究極の習慣」1位は、「ぬるめのお風呂に10〜15分つかる」ことだった。

入浴する女性
「究極の習慣」1位は、「ぬるめのお風呂に10〜15分つかる」こと(写真/PIXTA)
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医薬基盤・健康・栄養研究所ヘルス・メディカル微生物研究センター長の國澤純さんは、入浴習慣は最も大事な習慣だと話す。

「40℃くらいのぬるめの湯船に10~15分ほどつかってください。副交感神経が優位になり、内臓の血流が増加して腸が温まります」

工藤さんは「入浴には、体を外から温める以上の効果もある」と話す。

「水圧によるマッサージ作用で血流が改善され、腸の動きが活発になります」

冬場は寒さの影響でどうしても活動量が減りがちだが、3位には「軽めの運動」がランクイン。松生クリニック院長の松生恒夫さんは、冬こそ意識して体を動かす必要があると指摘する。

「外出を控えると運動量が低下して、腸温度が下がりやすい。体を動かせば血流量が増え、腸が刺激されて動きも活発になります」

内科医の山本佳奈さんは運動の中でも「ウオーキングがおすすめ」だと言う。

「筋肉から熱が生まれ、全身の血流が促されます。腸管への血流も増え、腸が冷えにくい状態を保つことにつながります。毎日行うことがポイントで、自分が苦にならない距離を歩いてください」

川本さんが運動の注意点を指摘する。

「汗をかくほどの激しい運動は逆に体を冷やすので、体が少しぽかぽかする程度の軽い運動で充分です。副交感神経から交感神経に切り替わる朝に行うと、運動効果が高まります」

日常的に冷やさない工夫も取り入れたい。4位には、手軽に使える「腹巻き」が登場した。腹巻きを自身の1位に挙げた石原さんが、その理由を説明する。

腹巻き
腹巻きでお腹を温めることで、温まった血液が全身に巡り、内臓が温まる(写真/PIXTA)
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「お腹には心臓や肺、脳以外の主要な臓器が集まっています。腹巻きでお腹を温めることで、温まった血液が全身に巡り、内臓が温まります。できれば24時間つけてほしい」

「カイロをお腹に貼る」(8位)、「寝るときに湯たんぽを使う」(11位)のも効果的。

「腹部を冷やすと冷えの影響が胃腸に届きやすい。日中はお腹の上にカイロを貼るといいでしょう。寝るときは湯たんぽをお腹の上に抱えるようにして温めると、副交感神経が優位になり、寝つきがよくなります」(中沢さん)

川本さんは、生活全体を見直す重要性を強調する。

食事する女性
規則正しい食生活も大事(写真/PIXTA)
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「自律神経が乱れると体温調節がうまくいかず、腸温度が下がりやすくなる。規則正しい食生活や適度な運動、入浴、充分な睡眠、ストレスをためない、暴飲暴食を避けること。こうした基本的な生活習慣を大切に守ってほしい」

専門家が説く生活習慣の積み重ねこそが、“最強の腸活”への確かな一歩となる。

腸温度を1℃上げる「最強の食品」
腸温度を1℃上げる「最強の食品」
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腸温度を1℃上げる「最強の食品」
腸温度を1℃上げる「最強の食品」
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腸温度を1℃上げる「究極の習慣」
腸温度を1℃上げる「究極の習慣」
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※女性セブン2026年2月12日号