【「主婦年金の縮小」に専業主婦はどう備えるか】「国民年金未納分の追納」「働いて厚生年金加入」で年金受給増額、加入上限が65才に引き上げられるiDeCoで備える選択肢も

超高齢社会において、年金制度のあり方が揺らいできている。何度も議論を重ねられている「主婦年金の縮小」が少しずつ現実味を帯びてきた。4月13日、自民党と日本維新の会は社会保障改革を巡る実務者協議を開き、年金の第3号被保険者制度、いわゆる「主婦年金」を縮小する方向で一致した。自営業者とその妻は国民年金に(1号)、会社員・公務員は厚生年金に(2号)加入して自身で年金保険料を納めるのに対し、会社員や公務員に扶養されている配偶者は「3号」に当たり、年金保険料を納めずに国民年金を受け取ることができる。対象者の多くが専業主婦であることから「主婦年金」といわれるこの「年金3号」が縮小される方向に動いているのだ。では、実際に主婦年金は縮小となったなら、どのような影響があるのか。そして、専業主婦が老後資金を確保するために、何をすればいいのか。【前後編の後編。前編から読む】
納めて増やすか、働いて増やすか
主婦年金の対象から外れたらまず、1号に移行して自分で国民年金保険料を納めるか、働いて厚生年金に加入することになる。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが説明する。
「そうなったら、まずは未納分や未加入期間がないか確かめること。追納や任意加入することで、将来の国民年金を満額に近づけられます。これは年金受給者すべてに共通する必須事項です」(三原さん・以下同)
1号なら「付加年金」に加入しよう。国民年金保険料に月400円を上乗せすれば、将来の年金に「200円×付加保険料納付月数分」が上乗せされるため、年金を2年受け取れば元が取れる計算だ。
働いて厚生年金に加入するなら、専業主婦期間が長い方が、年金を増やす効果は高まりやすい。

「厚生年金の加入期間が比較的短く、60才以降に厚生年金に加入して働くことで、報酬比例分だけでなく『経過的加算』によってさらに厚生年金額が増えるケースもあります。
また65才以降も働いて厚生年金に加入していると『在職定時改定』によって、1年働くごとに厚生年金額が増えます。具体的な金額は年金事務所に確認してみましょう」
今年10月から「106万円の壁」が撤廃されることから、壁を超えずに扶養の範囲内で働き控えすることは難しくなる。稼いだお金と、税金や社会保険料を引かれた後の手取り額を比較すると、せっかく働くなら壁を超えて大きな年収を得た方が、手元に残るお金で損になりにくい。「年金博士」ことブレイン社会保険労務士法人代表の北村庄吾さんが説明する。
「厚生年金に加入して働くなら、働き控えするよりも年収150万円ほど稼げば、税金と社会保険料を引かれても手取りと遜色ない金額の厚生年金を受け取れるようになり、健康保険と厚生年金のメリットがプラスに働きます」