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《新たな見どころを詳報!》今度の劇団四季『リトルマーメイド』は客席の頭上を魚が泳ぐ!

リトルマーメイド
アリエル(中央)が空中を泳ぐ演出や色鮮やかな海の生き物たちに、視覚的にも圧倒される(写真はこれまでの公演より) ©Disney
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劇団四季のディズニーミュージカル『リトルマーメイド』が、いよいよ8月26日から千葉・舞浜アンフィシアターで開幕する。これに先駆け、7月21日に劇場取材会が実施された。首都圏での公演は約10年ぶりということもあり、開幕を待ち望む声が多い今作品だが、実はシアターの特殊な舞台形状に合わせて、数々のアップデートがなされている。クリエーターや技術監督が解説してくれた刷新ポイントを、ここではどこよりも詳しくお伝えする。

半円形ステージとすり鉢状の客席に合わせて新規パペットが登場 

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開幕に向けて急ピッチで製作が進む舞浜アンフィシアターの舞台。客席に大きくせり出した半円状のステージが特徴的
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本作は劇団四季がディズニーとタッグを組んだ4作目。2013年の初演以来、総公演回数は4052回を数え、総入場者数は408万人にのぼる。30年にわたりディズニーミュージカルを上演し、計7作品で3200万人以上を動員してきた劇団四季の中でも、「没入感がすごい!」と屈指の人気を誇る作品だ。

マーメイドのアリエルやカニのセバスチャンといったメインキャラクターはもちろん、クラゲやエイ、タツノオトシゴなど、色彩豊かで美しいパペットの数々も見どころのひとつ。パペットデザイン・ムーブメントのトビー・オリエさんは、今回、本作に登場する約21のパペットのうち、新たに4つのデザインを刷新。同作品を任された際の喜びはなみなみならぬものがあったと語る。

「『リトルマーメイド』のアニメが公開されたとき、私は4才でした。家族で映画館に行ったのですが、そのとき本当にすごい、別世界に連れて行ってもらえたという感覚がありました。音楽といろいろなキャラクターたちに魅了されたのを覚えています。それもあって6才からパペットを作り始め、8才のときには段ボールと布で作ったアースラ(悪賢く執念深い海の魔女)のパペットなど、『リトルマーメイド』を完成させました(笑い)。

 ですから、美術監督のボブ・クローリーさんに『リトルマーメイド』のパペットを作ってくれないかと言われたときは、本当に夢が叶ったような思いでした」(オリエさん・以下同)

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劇団四季 ディズニーミュージカル『リトルマーメイド』の 新しくなった見どころをパペットデザイン・ムーブメントのトビー・オリエさんが語る
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演出のポイントは、地上世界を「アリエルの憧れ=夢のありか」、海底世界を「アリエルの現実=生活の場」としている点だという。

「人間の世界はアリエルが本を見ながら空想や憧れをそのまま形にしたような、絵本のように二次元的でポップな見た目となっています。それに対して海の中の世界は、もっと質感があって、立体的で、色味がとてもカラフルで動きがある、そういう世界観を描きたいと思いました。

水の中にいるような表現をするために、からだやひれが、水の抵抗を感じさせるような動き方をするパペットを作りたいと考えました。たとえばマーメイドのひれもそうですが、シルクを使うことで水の中の流れを表現する工夫をしています」

劇団四季の「小道具天才」らが“茶こし”でエイの目を表現

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エイは操作する棒を大きく8の字に動かすと、ひれが美しくたなびく
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2013年の初演時からある「エイ」のパペットは、水の中の生き物の動きを見事に表現する代表例だという。

「劇団四季の小道具スタッフは本当に素晴らしい技術を持っているかたたちで、私は“小道具天才”って呼ばせてもらっているんです(笑い)。ご覧ください、パペティアがちょっとした動きを働きかけるだけで、このようにすごくきれいな流れが生まれます。

そのほかにも、針金のような細いワイヤーでちょっとした立体感を作っていて、これによって中の骨や内臓があるんだろうな、というリアリティーを出しています。あとはできるだけシンプルにして軽量化を実現しています。つなぎ目の部分は棒にリングを2つつなげているだけなんですよ」

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エイの胴体の素材はシルク製。両目の裏側に“茶こし”が仕込まれ、ナチュラルな骨格と膨らみを表現
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タツノオトシゴは関節を動かして“チョーカワイイ”動きに

「関節があるパペットの場合は、糸や紐、芯などを通すことで、なめらかに水の中の流れを表現するようにしています。たとえば『アースラ』は、6本ある足を1人1本ずつパペティアが持っているんですが、重力をうまく生かしながら、それぞれのパペティアが動かすことで命が吹き込まれるんですね。

同じような構造体で、より小さいものがこの『タツノオトシゴ』です。これも2013年に日本で開幕したときからのパペットですが、頭と尻尾の付け根の部分を持ち、関節を動かすことで水の中での流れを表現できる構造となっています。大きいビーズの中にゴムが入っていて、ボディーも中は空洞なので非常に軽い。尻尾の部分にはピアノ線が入っているので、水の流れや揺れるような動きが表現できるんですよ。(日本語で)チョーカワイイ!」

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タツノオトシゴは、関節が細かくあることでなめらかな動きが可能に
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「関節だけで(胴体に)隙間があるのは、観客が自分の想像力によって、見えない部分をきちんと想像し、補えるからです。軽量化もできますし、想像力を刺激する。そういう工夫をしています。

それと、パペティアが直接動かさなくても自然と動く要素も取り入れています。このタツノオトシゴの(赤い)毛並みも、触ってなくても自然と動くんです。こういう部分は海の中を表現するのに非常に効果的ですし、すべての生き物がダンスする『アンダー・ザ・シー』のようなナンバーでは、そんな動きが出るよう意識しています」

観客の頭上を「フライングパペット」が泳ぐ

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キャットウオークという天井近くの半円状の通路に沿って、全長70mにわたり客席の上空をゆっくりと魚の群れが泳いでいく
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こだわりが詰まったパペットだが、舞浜公演に向けて、新たに4つ製作されたという。

「以前の公演と比べてここ舞浜アンフィシアターは観客席が非常に広く、半円状になっているステージなので、ぜひ、もっと海の中に入り込んでいただきたいと思い、新規製作をしました。

たとえば“フライングパペット”。ワイヤーで吊られているパペットで、パペティアが操作するパペットではありません。私は人間が手で操作するパペットを専門としていますから、最初その話が出たときはとても興奮したものの、すぐに動き方が人間の操作とはまったく違うことに気づきました。

材質や質感、品質を変えるなど、いろいろな挑戦や課題が生まれました。そのため劇団四季の“小道具天才”のチームと一緒にオンライン会議を駆使しながら、たくさん実験し、いろいろ試作品を作って納得のいくものができました。

私がおすすめしたいのは、オープニングに出てくるシルバーフィッシュという魚の群れと、『恋してる』というナンバーで出てくるハートフィッシュという魚の群れ。実際に観客席を通るので、観客の皆さんは作品の中にまるで入り込むような体験をしていただけると思います」

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海の青い世界の中に赤いハートフィッシュが美しく映える
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トビーさんは、力強くこう語った。

「13年前の初演時からこうして再び訪問することができ、とても興奮しています。今週から稽古に合流しているんですが、本当に細かいところまでしっかり表現してくださっていて、劇団四季の役者さんは素晴らしい。アースラはものすごく怖くてかっこいいですし、いろいろな海の生き物が本当に水の中にいるよう。いままででいちばん美しくて、いちばんインパクトのある作品になっていると思います」