2月下旬のある夜、都心のスーパー銭湯を訪れた記者U。サウナで体を温めた後、昔は敬遠していた水風呂に、思い切って入るものの、腰まで入った時点であまりの冷たさにギブアップ。しかしこのままではサ道は究められない。水分補給をして心の準備をし、再びサウナで汗をかき、水風呂リベンジへ。
肩まで浸かっている人がいるなんて目の前のことが信じられないが、その様子があまりに気持ちよさそうなので、意を決して胸の辺りまで浸かってみる。ひ、ひぇ~! つ、つ、冷たい…。必死の形相で耐えること30秒。徐々に水温に慣れてくる。そのまま肩まで浸かってみると、アレッ? なんだか心地よく感じてきた。不思議に思いつつ2分ほど浴槽で過ごしてから出たところ、水に浸かっていたのに全身が温かい。
水分補給をし、少しぼーっとしてもまだまだ体は温かく、妙なすっきり感が。もしかして、私、ととのったの? 腕を伸ばしてみると、普段より肩甲骨が動く!
ととのった勢いでロウリュウに向かう。予定されていた時間になると、さっきまでは余裕のあったサウナ室はほぼ満室になった。
スタッフがアロマオイルをサウナストーンにたっぷり注ぎ、タオルであおぐと、とたんに柑橘の香りが広がり、乾燥していた空気が一転、重みを感じるほどの熱波に変わった。スタッフが一人ひとりに熱風を送ると、「ありがとうございます」という声が響く。やっと順番が回ってきた。繰り出された熱い風から感じるのは“圧”。しかし、息苦しいのは一瞬で、後に残るのはさわやかさだけだった。
施設から出ると、外気1℃の寒空でも寒くない。普段は凍えるつま先も温かく、家路までの足取りは軽かった。
ヒートショックプロテイン効果で免疫力アップ
サウナはなぜ人を“ととのえる”のか。和温療法研究所の鄭忠和所長が解説する。
「サウナに入ると体内の中心部分の温度である深部体温が上がります。すると、血液中の一酸化窒素が増え、血管を拡張させます。これにより、心臓に負担をかけることなく血液の循環を改善できるのです。気持ちよく温まると、副交感神経が優位となり、血圧を緩やかに低下させ、胃腸の活動が活発化する。便通や睡眠の質の改善が期待できます。皮膚の血流が促されるので、美肌効果も得られます。
さらに体が温まると、傷んだ細胞を修復させるヒートショックプロテインというたんぱく質が分泌され、免疫力も上がります」(鄭所長)
至れり尽くせりのサウナだが、利用時には注意点がある。
「サウナ内では、床付近と天井近くで25℃ほどの温度差があるので、熱が強いときは下の方に座るといいでしょう。水風呂については、70才以上の人は要注意。徐脈性不整脈(脈が遅くなる不整脈)を起こし、まれに失神する可能性があります」(鄭所長)
サウナの正しい入り方
サウナは以下の順に入ろう!
【1】体を洗い、よく拭く
体がぬれていると水分の蒸発熱で体が冷え、発汗作用が弱まってしまう。気持ちのいい汗をかくために、タオルをしっかりしぼって体の水気を充分取ってからサウナに入ろう。
【2】サウナにin!
「座る場所やサウナの湿度にもよりますが、目安は5~10分です。サウナには12分時計があるところが多いですが、時間は気にせず、汗が出てしんどくなったら出ましょう」(タナカさん)
【3】水風呂へ!
心臓から遠い場所に水を掛け、静かに入ります。「体が充分冷えて、またサウナ室に入りたくなったら出ましょう。時間はサウナ室にいる3分の1から4分の1といわれています」(タナカさん)
【4】1~3を3~4回繰り返す
【5】水分補給をする
「ととのった」状態で飲む水は格別! サウナで大量の水分を失っているので脱水症状を起こさないためにも水をコップ1杯ぐらい飲みましょう。
サウナデビューして、美をたっぷりチャージしてみては。
※女性セブン2018年3月15日号
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