美容と健康効果に加え、調理のしやすさで、今や人気ナンバーワン野菜のトマト。年間総出荷数約67万トン（平成29年出荷量・農林水産省統計）と食卓に欠かせない人気食材は、ただいま出荷の最盛期！ お手頃価格の今こそ、たっぷりおいしく味わって！
今どき人気のトマトは甘くて固くて青くさくない
「高性能ハウスで季節を問わずおいしいトマトを生産していますが、需要が伸びるのはやはり夏。青くささがなくて甘く、実崩れしにくい品種が市場では人気です」と話すのは、神奈川県・藤沢で『井出トマト農園』を営む井出寿利さん。味にこだわった約12種のトマトを生産し、年間約300トンを出荷する。
「実はトマトは、高温多湿が苦手。暑くなると徐々に産地が北上し、全国へと出荷されます。栄養豊富なトマトを、まずはガブリと生で楽しんで！」
トマトをおいしく食べる7つのチェックポイント
トマトを買うときは、どこをチェックしたらいいの？ トマト仲卸歴25年の“トマト課長”こと青果仲卸『三秀』課長・原真人さんに見るべきポイントを教えてもらいました。
●鮮度はへたでチェック
「へたの緑が新鮮でみずみずしく、切り口からトマト特有の青くさい香りが強くするものを選んで」（原さん、以下同）。チェックする際は指で強く押さないよう注意。
●甘さのフルーツトマト、酸味を抑えたミディトマト
トマトは大玉、ミディ、ミニと大きさで分類される。「“フルーツトマト”は糖度約8以上に栽培したトマト。ミディは手頃な大きさとフルーツトマトと同格の甘さ、凝縮された味が人気です」。
●スターマークはおいしさの証
トマトの先端に見える放射状の線が“スターマーク”。「糖度が高いトマトの特徴。スターマークがあるトマトは、甘くて味が濃いと言われています」。
●グリーンは赤くなるがイエローは黄信号
「トマトは35℃以上の気温が続くと、実が黄色く変色してしまいます。この部分は緑色部と違い、置いても追熟せず、味もイマイチなので除くのがおすすめ」
●完熟トマトは甘みが増す
「トマトは室温で2～3日おくと追熟し、酸味が抜けて甘さが際立ちます。トマトの酸味が苦手な方は、購入後、少しおいてから食べてみて」
●肩が張り厚みがあるトマトは甘～い！
「大玉トマトを選ぶ際は、ずっしり重く、へたがややへこんでいる肩が張ったものを。さらに、へたから先端までの高さがあるものは、身が詰まって味が濃いですよ」
●見逃さないで！見た目が悪くてもおいしいんです
「“鬼花”と呼ばれる無骨な形は生命力の強さの証。見た目はマズイですが、味は濃厚でおいしいので、見つけたら買ってみて」
定番料理を味変！トマトの活用レシピ
キッチンにやってきた、大量のトマトたち。たっぷり使える夏だからこそ、生をざく切りにして、食感が活きた“万能だれ”に変身させてみて。トマトの旨みも味わえる、ちょい足しレシピもご紹介。
【かんたん！万能だれ】
≪材料≫（作りやすい分量）
トマト（中）…3個 〔A〕ごま油・しょうゆ・酢…各大さじ1 塩・こしょう…各少量
≪作り方≫
混ぜ合わせたAにざく切りにしたトマトを加えて軽く混ぜ、冷蔵庫で1時間以上おく。3～4日で食べきる。
たっぷりの大葉と、ごま油が香るたれのコクが淡白な冷奴の味を引き立てる。たれは多めにかけるのがおすすめ。
たれが納豆特有の粘り気をマイルドにして、ご飯がますます進む。トマトの酸味で香りも和らぐので、納豆が苦手な人にも◎。
お総菜や冷凍の焼き餃子に、ポン酢感覚でかけるだけ。たれの酸味であっさりしつつ、トマトの食感で食べ応えも増す。
卵、白だし、万能だれを混ぜて作るだし巻き卵は、ふっくら食感でコクもアップ。噛むごとに、じゅわっと旨みが染み出す。
栄養が偏りがちな夏こそ食べたい、具だくさんみそ汁。ごま油が効いたたれは、豚汁とも相性抜群！
写真／菅井淳子、山田薫
※女性セブン2018年8月9日号
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