う健康効果が期待できる「機能性ヨーグルト」やサプリメント、乳酸菌入りのお菓子などが次々に発売されている。乳酸菌といってもビフィズス菌やR-1など菌の種類が豊富で、菌種ごとに、ダイエット、肌荒れ、内臓脂肪、便秘・下痢、ストレス、高血糖や脂質異常まで、さまざまな症状に効果があるといわれるため、自分に必要な乳酸菌を摂ろう。
その効果を最も高めるための摂り方や素朴な疑問を大腸のスペシャリストで『新宿大腸クリニック』院長の後藤利夫さんに聞いた。読んで早速“腸活”を始めよう!
Q.まとめて摂る?分けて摂る?
A.どちらでもOK
ヨーグルトなら1日100~200gが目安。何回かに分けて食べても、1回でまとめて食べてもOKだ。
「ただし、食後に数値が上がる血圧や血糖、コレステロールへの効果を期待する場合は、毎食後3回に分けるのが◎。それ以外は、食べる菌数が変わらなければ、いつ食べても効果はあまり変わりません。それよりも、毎日続けることが大切。食べやすいタイミングでOKです」(後藤さん・以下同)
Q.どれくらいで効果が出るの?
A.一般的に整腸作用は2週間くらいから
「乳酸菌で体質改善をしたい場合、効果を実感し始める時期は、改善したい症状によって異なります。個人差や体調にもよりますが、便秘や肌荒れ、歯周病や口臭、高血圧や高血糖、高コレステロール血症、高尿酸血症は2週間くらいで効果が表れ始めます。その他、肥満やストレス、ピロリ菌は1か月、アトピーや花粉症などのアレルギー症状、インフルエンザ予防などの免疫力アップ、潰瘍性大腸炎は2か月ほどが目安でしょう」
Q.違う種類の乳酸菌を同時に摂ってもいい?
A.同時に摂ってもいい
善玉菌同士は、腸の中でオリゴ糖や食物繊維などのエサを取り合うことはあっても、互いが戦ってパワーを消し合うことはない。
「動物性と植物性の乳酸菌を一緒に摂っても問題ありません。薬ではなく食品なので、気に入ったものをいろいろ混ぜて食べた方がよい効果が出る可能性も高まります」
Q. ヨーグルト、ドリンク、サプリメントで効果は変わる?
A.変わらない
ヨーグルトは固形型でもドリンク型でも、菌種・菌数が同じ場合は効果も同じ。
「ただし、サプリメントに含まれる乳酸菌は死菌の場合があります。死菌でも、免疫強化効果は保たれますが、整腸作用や殺菌作用は死菌より生菌の方が、効果が期待できます」
Q.乳酸菌と一緒に食べると効果アップのおすすめ食べ物は?
A.食物繊維とオリゴ糖。 乳酸菌のエサになるものと一緒に摂るのが効果的
「私はヨーグルトにはちみつをかけてよく食べます。ヨーグルトに果物を加えると、足りない食物繊維とビタミンCが加わるのでおすすめ。凍ったブルーベリーなどと合わせてもいいですね」
ヨーグルトは熱に弱いので加熱は不向き。冷やしても死なずに休眠するだけなので安心を。
Q.下痢した直後のタイミングで食べてもいい?
A.むしろ食べるべき
下痢をした後や、抗生物質をのんだ後は、腸内細菌が一気に外に出ている状態。
「悪玉菌も善玉菌もいなくなってしまった腸内には空地ができているので、善玉菌を増やすチャンス。乳酸菌を積極的に補充して腸内を弱酸性にし、悪玉菌の増加を防ぎましょう。ダイエット後の復食、病後の回復食にもおすすめ。食事のメニューに加えるといいですね」
ダイエットに効果的なガセリ菌SP株&ビフィズス菌B-3
ちなみにダイエットに効果的といわれるのは、ガセリ菌SP株と、ビフィズス菌B-3。
成人を対象とした実験で、ガセリ菌SP株を含むヨーグルトを1日100g、12週摂取したところ、腹部の内臓脂肪の減少が確認された。
『森永乳業』が発見したビフィズス菌。腸のバリア機能を回復させ、脂肪の蓄積を抑え、肥満や糖尿病につながる炎症を防ぎ健康に導く。内臓脂肪、皮下脂肪を減少させる。
イラスト/秋野純子
※女性セブン2018年11月8日号
→期待される効果別、乳酸菌&その菌を含むヨーグルトなどの食品【その1】
→期待される効果別、乳酸菌&その菌を含むヨーグルトなどの食品【その2】
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