北川景子が主演する映画『スマホを落としただけなのに』(公開中)は、スマートフォンから個人情報が流出したことをきっかけに、ある事件に巻き込まれていく女性を描いた作品。便利なだけについつい頼りがちなスマホだけれど、セキュリティ面だけでなく、実は健康面でも注意が必要といえる。それではさっそく、スマホによる悪影響と改善策をまとめた記事をご紹介しよう。
顔のむくみ・たるみで二重あごに!その対策法
いま増えているのが、スマホの見過ぎによる若い女性の“スマホ二重あご”。スマホが疲れ目や肩・首コリなど体の不調を引き起こすことは知られているが、実は二重あごを作る要因にもなっているのだ。
一度二重あごになってしまうと、なかなか解消できないというのでやっかい。癖がついて凝り固まった筋肉は、ちょっとやそっとでは治らず、その上に厚く乗った脂肪も取って、コリをほぐさなくてはいけないというので、早めにケアをしたいところ。
二重あごを撃退するには、まず首の詰まりやコリを解消してから、顔のコリを解消、という順でトレーニングを。そこで、毎日続けられる、簡単な表情筋トレーニングをレクチャー。
【ステップ1】首:筋肉のコリ解消&リンパの流れを促進
【1】前傾姿勢で前に出ている首を、まっすぐ正しい位置に戻す。肩を下げて、後ろで手を組む。右斜めに顔を上げて首を伸ばす。同じように、左斜めに顔を上げて逆側の首を伸ばす(各10秒)。再び、首をまっすぐな位置に戻す。
「手を後ろで組むことで肩が開きます。その状態で首を伸ばすことで首の位置が正しくなり、首の筋肉も伸ばしやすくなります」(フェイスワークスタジオ「B-by-C」の鳴海えなさん)
【2】右手を首の左側のつけ根に添えて押さえ、右斜め上に首を伸ばす。そこからさらに頭をぐっと後ろへ伸ばし、あごの裏の筋肉をよく伸ばす。
【3】あごの裏が伸びきったら、舌を右斜め上に突き出す。これを5回繰り返す。逆側も同じように【2】と【3】の行程を。
【4】最後に、真正面を向いて同じ動作を。舌はまっすぐ鼻につけるように上に伸ばす。これを5回繰り返す。
「このストレッチで首の前面にある筋肉が鍛えられ、血流がよくなってリンパの詰まりが取れます。舌を出して引っ込めるのは、各5回ずつしっかりやると締まってシャープになりますが、慣れるまでは少なめにしてもOKです」(鳴海さん)
スマホ首(ストレートネック)により腰痛も!解消法は?
「体重60kgの人が体の軸に沿って正しい姿勢で立った時、頭には5kgの力がかかっています。体をそこから30度前傾させると16kg、60度では27kgと増大するといわれています。その頭を支えるのが首。つまり、前かがみになるほど、首に負担がかかるのです」(KIZUカイロプラクティック本院院長の木津直昭さん)
前に出た重い頭部を支え続けると、首に負担がかかって“ストレートネック”という首の正常なカーブが失われる状態に。そしてその負荷は、やがて肩や腰、さらに全身に不調が広がっていく。
スマホの正しい持ち方は、横から見た時、耳と肩のラインがまっすぐになるよう、胸は開き、骨盤を立たせるように座る。スマホを持つ手の反対側の腕はお腹に沿わせ、その手の甲にスマホを持つ手の肘をのせ、肘を90度に曲げる。軽くうなずいた時の目線の範囲まで、スマホ画面を上げる。
”睡眠障害”に?就寝前スマホはエスプレッソ2杯分の刺激
「人間は体を休めている間に細胞が活発に働き出し、免疫機能や、体を修復させる機能が働きます。つまり、寝ないと不調は治らないのです」
そう話すのは、成城松村クリニック院長で婦人科医の松村圭子さん。とはいえ、何もしないでいると、加齢とともに睡眠の質は落ち、長く寝ていられなくなる。そのため、睡眠環境は意識的に整えなければならないのだ。
スマホやパソコンの画面は暗い部屋でまぶしいだけでなく、交感神経を刺激して、寝つきを悪くするので、寝る前のスマホ&PC操作は厳禁。エスプレッソ約2杯分のカフェイン並みの刺激になるという。
猫背の原因に!肩甲骨周りほぐすエクササイズを
スマホの見過ぎで猫背になりがちな人は、姿勢改善をすることでスタイルアップも叶うそう。
「前傾の姿勢でパソコンやスマホを使うことが多い人は、肩甲骨周りの筋肉が凝り固まりやすい傾向にあります。最初のうち、首や腰しか動かせないかもしれませんが、続けることで改善していきましょう」(ヨガインストラクターの芥川舞子さん)
背骨を前後に動かし、ストレッチする「猫のポーズ」
【1】両手は肩幅、両脚は腰幅の四つん這いになる。つま先を立て、手のひらは肩の下、ひざは骨盤の下にくるように
【2】ゆっくりと息を吸いながら、胸を天井方向へと引き上げる。このとき、胸を開くように意識し、肩が上がらないように注意
【3】ゆっくりと息を吐きながら、へそを覗き込むようにして、背中を丸める
【4】 【2】と【3】をセットで4回、行う
「猫のポーズ」は、背中を反らしたり、丸めたりすることで、背骨中間の位置にアプローチ。しっかり意識してこれを行うと、胸の裏側が機能するようにもなって、バストトップの位置が上がるのだとか!
生活に密着しているスマホを意識的に手放す時間を作るのは、なかなか難しいもの。それなら姿勢に気をつけたり、ストレッチなどでケアすることで、スマホと上手につきあって。
撮影/浅野剛、瀬尾直道 イラスト/村澤綾香
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