入浴後のドライヤー、暑くて億劫じゃありませんか? せっかくさっぱりしたのに、また汗をかいては元の木阿弥(もくあみ)に。そこで、ドライヤーをかける時間が短縮できる髪の速乾術をご紹介。電気代もグッと節約になるので試してみて!
髪の自然乾燥は痛むなどのデメリットが
濡れた髪をドライヤーで乾かすのが嫌なら自然乾燥させればいい、と思いがちだが、「必ず乾かして」と、ヘアメイクアーティストの大嶋祥枝さんは言う。
「濡れたままにしておくと、頭皮に雑菌が繁殖してにおいやかゆみの原因に。また、頭皮が冷えて血行不良になり、髪がやせて薄毛になりやすくなります。髪の表面を覆って髪を保護している、うろこ状の“キューティクル”も、濡れている時にはがれやすくなるので、乾かさずに放っておくと髪を傷めやすくなるのです」(大嶋さん・以下同)
ドライヤーがけは、乾かす順番とコツさえ守れば、時間を半分にできるという。
「ポイントは、髪の根元に風をあてること。水分は根元から毛先へ流れていきますから、まず根元を乾かしてしまえばいいのです」
では、具体的にどう乾かすか、次から解説する。
髪を早く乾かす方法、「めんどくさい」人こそチェックを
速乾のポイントは4つ。「タオルドライをする」「効率のいい順でドライヤーをかける」「髪の根元を乾かす」「湿気のない場所で乾かす」。浴室の隣の洗面所など、湿気の多い場所で乾かすより、空調のきいたリビングなど、湿気の少ない場所でドライヤーをかけた方がより乾きやすい。実際、ロングヘアの記者もこの手順で乾かしたところ、10分のドライヤー時間が5分に短縮された。この驚きを読者にもぜひ体験してほしい!
【STEP1】タオルドライがポイント ドライヤーをかける前の下準備を‼
【1】目の粗いコームで濡れた髪をとかす
「まずは目の粗いコームで髪をとかして。ドライヤー後のまとまりがよくなりますよ」(大嶋さん・以下同)。コームは目が粗い方が髪との摩擦が少なく髪を傷めにくい。
【2】ドライヤーの熱から髪を守るヘアケア剤をかける
「ドライヤーの熱は髪を傷める原因に。熱から髪を守る成分の入ったヘアケア剤で保護しましょう」。髪にボリュームを与えたい人は油分の少ないスプレータイプを、抑えたい人はオイルやミルクタイプがおすすめ。
【3】髪を4束に分けてタオルではさむ
髪を4束に分けて、1束ずつタオルではさんでやさしく“叩く”。髪は摩擦で傷むので、こすらないようにすること。
【STEP2】ドライヤーはかける順番が大切 乾かしながらケアをする‼
【1】後頭部の根元から乾かし始める
まずはいちばん湿気がこもって乾きにくい首の後ろの根元の髪から乾かし始める。
【2】耳の後ろの根元を乾かす
次に各耳の後ろを乾かす。乾きにくい部分なのに、つい乾かし忘れがち。根元にしっかり風をあてよう。
【3】濡れた状態でクセづけするとセットが楽に
前髪やクセになりやすい部分は、クセを直すようにしながら乾かせば、あとでセットがしやすい。
【4】逆毛にして乾かせば頭頂部にボリュームが
ボリュームを出したい時は、髪の流れに逆らうようにして乾かすといい。頭頂部をふっくらさせたいなら、後ろの髪束を持ち上げて前へ風を送る。
こんな乾かし方も!タオルで髪をサンドして温風を閉じ込める
「肩にタオルをかけ、さらに頭にタオルをかぶせて、髪をタオルではさみます。こうすると、上のタオルが頭髪の水分を、肩のタオルが毛先の水分を吸収してくれます。この状態で、タオルの内側に温風をあてれば、タオルの壁が温風を閉じ込め、髪を素早く乾かしてくれます」
ドライヤーの電気代は?1年で1000円節約する方法を解説
ドライヤーには、ターボ、セット、ホット、コールドなど、風量や温度を調節できるタイプが多い。温風でいちばん風量の強い“ターボ”機能の消費電力は1200wが多いが、この場合の電気代は1分0.54円(※)、5分で2.7円だ。今回、紹介した髪の乾かし方ででドライヤーの時間を5分短縮できれば、年間で約1000円の節約になる。時間にすると約30時間の短縮だ。さらに、冷風と交互に使えばより節約に。冷風の場合、消費電力は温風よりかなり下がり、大手メーカーの最新機種でも135~150wと、温風のターボ機能の8分の1以下になる。
「温風のあと冷風をあてると、キューティクルが冷えて閉じ、髪にツヤが出て、広がりを抑えてくれます。温風と冷風の繰り返しを2回行うのがおすすめです」
※電気代を求める計算式は、「消費電力(W)÷1000×1(使用時間)÷60(分)×27(1kWhあたりの電力量単価)」。1200wのドライヤーの場合、1分間の電気料金は「1200÷1000×1(時間)÷60(分)×27=0.54円」となる。電力量単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会による目安単価27円/kWhを参照。
パナソニックなどのおすすめドライヤーを紹介!
「早く髪を乾かすには、パワフルな風量のドライヤーに頼るのも手」
と美容ジャーナリストの城後(じようご)紗織さんは言う。本体価格が多少高くても、ドライヤーをかける時間が少なくて済むので、家族数人で長期的に使えば電気代の節約に。
●パナソニックの『ナノケア EH-NA9A』
ナノイーとダブルミネラル成分が、髪に潤いを与える。温風冷風が自動で切り替わるなど機能も多彩。1万3580円(編集部調べ) 問い合わせ先/パナソニック(フリーダイヤル)0120・878・697
●テスコムの『プロテクトイオンヘアードライヤー TID2600』
プラスイオンとマイナスイオンを同時に放出し、髪の広がりや傷みを抑える。8618円(編集部調べ) 問い合わせ先/テスコム(電話)03・5719・2094
●ダイソンの『Dysonヘアードライヤー Supersonic Ionic』
高速・高圧の風で速乾。髪を傷めない温度に保つ機能も4万9000円(編集部調べ) 問い合わせ先/ダイソン(フリーダイヤル)0120・295・731
イラスト/大窪史乃 人物撮影/楠聖子
※女性セブン2019年7月18日号
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