タクシーよりも徒歩、エレベーターよりも階段。日頃の積み重ねがダイエットを成功させるポイント。
でも、足に合わない靴を選んでしまうと、痛みで歩くのが嫌になってしまうだけでなく、体のゆがみにつながるなど、逆効果になってしまうことも…。
そこで、FHA認定上級シューフィッターの中村浩幸さんに、正しい靴の選び方をはじめ、気になる8つの悩みや疑問に答えてもらった。
* * *
【Q1】靴の選び方
試着のときにいい感じだと思っても実際に履いて生活すると足が痛くなる場合、選び方が間違っている?
A:履く目的に合っているか、履く人の足に合っているかが重要
靴を選ぶ際、フィッティングで気をつけたいことは下記の5つです。
【1】かかとを合わせた状態で、指先の余裕は5mm程度必要
【2】かかとの接地面がインソールからはみ出ない、ジャストサイズを選ぶ
【3】足が前に滑ると指先や指の付け根が圧迫されるので、足の甲部でしっかりと押さえられる
【4】足裏がインソールにフィットしている
【5】歩行時の屈曲でアッパーのあたりが出やすい指先上部、甲などに違和感がないかを歩行して確認
試し履きは限られた時間しか履いていないので足に合っているか判断しにくいです。そこで、上記のチェックポイントを意識して選ぶ、店内を歩いてみて不具合がないか確かめることや、購入後不具合が出たら調整してくれるかを購入時に店舗に確認することをおすすめします。
【Q2】痛くなりづらいヒールはある?
ヒールを履いてしばらくすると足が痛くなるのは仕方ない? 痛くなりづらいヒールの選び方が知りたい。
A:ある程度の痛みは仕方がない。トラブルを避けるために痛くなりづらい靴を選んで
ヒールがある靴は、足にかかる体重のバランスが変わるので、ある程度の痛みは仕方がないところはあります。足に負担のかかる靴は場合により膝から腰、肩こりなど全身のトラブルにつながる危険性があるため、足に負担が少ない痛くなりづらい靴をことぶことが重要です。特に気をつけたいポイントは下記の2点。
【1】足にやさしい靴型を使っている・足によくなじむアッパー素材であること
インソール形状が足裏にフィットするか、インソールやソールのクッション性がいいか、など、履き心地を考えた靴を選ぶ。
【2】足のサイズに合った靴を選ぶ
つま先、母趾(親指の付け根)上部に余裕があるか、足指の付け根にほどよいフィットがあるか、かかと部がフィットしているか、という項目をチェックする。
【Q3】外反母趾の人どんな靴を選ぶといい?
外反母趾の人が靴を選ぶときに、特にチェックしたいポイントは?
A:つま先でフィットさせる靴はできるだけ避ける
かかとと甲で足を押さえるデザインもの、指先に余裕があるもの、足裏に合うインソール形状や踏みつけ部分に適度なクッション性があるものを選ぶように。つま先が細いパンプスのように、つま先でフィットさせる靴はできるだけ避け、長く履いても1日2~3時間にとどめた方がいいです。
ただし、冒頭で申し上げたような選ぶポイントを押さえていれば、外反母趾のかたでも履いていただけるパンプスはあります。また、ゆるすぎる靴はかえって足を痛める可能性があるので注意してください。
【Q4】扁平足って何がNGなの?
扁平足の人が靴を選ぶときにチェックしたいポイントは?
A:長く歩くと疲れやすくなるので、土踏まずをサポートするデザインがおすすめ。
足裏にある内側縦アーチ(親指の付け根からかかとまでの部分)が低くなると、本来のアーチが持つクッションとバネの働きが弱くなり、長く歩くと疲れやすくなります。また、足部だけでなく脚部にも負担がかかる可能性が出てきます。
扁平足の人は、土踏まずを下からサポートするようなインソール形状のものや、かかと部のカウンター(かかとをおおう部分)がしっかりしていて、できれば甲で足を押さえるデザインの靴を選ぶとよいでしょう。
【Q5】雨の日に履いたパンプスのお手入れ方法は?
雨に濡れてしまったパンプスの正しいお手入れ方法が知りたい。
A:水分をふきとり、保形して陰干しを
アッパーの水分をふきとり、陰干ししましょう。中に乾いた布を入れ、保形するのがポイントです。
【Q6】足の蒸れ、においが悩み
夏場は特に、足の蒸れ、においが気になる…。改善方法があれば知りたい。
A:歩きやすい靴を選び、除菌スプレーなどでケアを。
同じ靴を連続で履かないことをおすすめします。1回履いたら除菌スプレーでケア、十分に陰干しするといいでしょう。
また、安定した歩行、快適な歩行のできない靴を履いていると、足が動きやすくなるため足裏に汗をかきやすくなり、蒸れやにおいの原因に。
下記のポイントを押さえた靴選びをしましょう。
【1】かかとと甲、ボール部(親指の付け根から小指の付け根のまでの部分)でのしっかりした押さえがあるデザイン
【2】インソールが足裏に合っていて、足を下から支えるような形状になっているもの
【3】アッパーの素材は革で足によくなじむもの
【4】ソールはクッション性と安定性があるもの、接地面はグリップ力がある素材で接地面積が広い、ミッドソールはポリウレタンやEVA(発泡ウレタン)のような軽量でクッション性(もしくは安定性)があるもの
【5】インソールやライニングは汗をかきやすいので吸湿性のある素材で磨耗に強いもの
【Q7】通販で安い靴を買ってもいい?
つい、通販などで安い靴を買ってしまいがち。安い靴と高い靴の大きな違いはどんなところにある?
A:靴の価格の高低よりも自分に合う靴を選ぶことが大事。
値段の違いには、使用している素材(アッパー、ソール、ライニング〈アッパーの内側〉、インソールなど)の差であったり、靴自体の構造(ソール、インソール、ヒール、その他付加しているもの)の差や、靴の製法、ブランドなどさまざまな違いがあります。値段に関係なく、あくまで足に合っているかどうかが大事なので、通販で靴を買う場合も、せめて一度、店舗で試し履きをすべきです。どうしても、それが無理な場合は、最近は試し履きができる通販サイトもあるので、試着できるサービスを活用しましょう。
【Q8】夏場はゲリラ豪雨が心配。レインシューズの選び方のポイントは?
さまざまな種類がある、レインシューズ。特におすすめはある?
A:ゲリラ豪雨対策なら撥水素材のパンプスがおすすめ
長雨の時期の靴選びは目的別に選ぶといいと思います。ゲリラ豪雨対策であれば撥水素材のパンプスがおすすめです。晴天、雨天いずれにも適応できる快適さがあり、素材が雨をはじくので、少々の雨ならば安心です。デザイン性が高いものも多く出てきていますので、ファッションとのコーディネートも容易にできます。
絶対濡れたくない、というかたは防水力が高いゴム素材のものを。これなら、大雨や台風などのときでも安心です。しかし、デザイン性やフィット性が少し落ちてしまうのが難点です。
また、どのタイプのものでも“滑り”に対するソールのデザインも重要ですので、選ぶ際には靴底をしっかり確認することが大事です。
監修:FHA認定上級シューフィッター・中村浩幸さん
シューフィッター養成講座の講師、実技指導員。1994年バチェラーオブシューフィッティング認定(足と靴と健康協議会認定)。靴メーカーに20年勤務後、独立し、靴メーカーや大手靴ブランド会社などで社員研修を行う。現在はシューリペアショップも経営している。
【データ】
fitfit(フィットフィット)
https://www.doclasse.com/c/category_shoes
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