健康・医療

正しい姿勢で痩せる理由を専門家が解説|こたつやローテーブルでの悪姿勢に要注意!

年末年始は実家のこたつでのんびり…なんて人は要注意! また、こたつだけでなく、ローテーブルを普段使いしている人は、知らず知らずのうちに姿勢が悪くなっているかも…?

花岡正敬さん
写真10枚

理学療法士・柔道整復師などの資格を持ち、姿勢クリエイターとして活動する花岡正敬さんに、姿勢と美痩せの関係について教えてもらった。

姿勢がよくなると本当に痩せる?

花岡さんによると、姿勢がよくなると痩せる、ということには2つの段階があるという。

花岡正敬さん
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「姿勢が崩れると骨盤や肩幅が広く見え、それによってずんぐりとしたスタイルに見えるので、姿勢が悪い人はそれを正すだけでも痩せたように見える人もいます。また猫背や反り腰の影響による、ぽっこりお腹の改善も期待できますね」(花岡さん・以下同)

つまり、悪姿勢がそもそも太って見える原因になっているということ。姿勢を改善することによる痩せ見えは即効性を感じやすいので、姿勢を正して生活するモチベーションにもなりそう。さらに、正しい姿勢が習慣になると脂肪燃焼効果も期待できるという。

花岡正敬さん
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「正しい姿勢をキープするには、横隔膜(おうかくまく)、脊柱を支える多裂筋(たれつきん)、腹横筋(ふくおうきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)の4つのインナーマッスルが重要です。これらの筋肉は家でいうところの順に屋根、柱、壁、床のような位置関係になっていて、“コアハウス”と呼ばれています。姿勢が悪いと“コアハウス”の筋肉は休眠している状態なので、姿勢を正して日常的にこれらの筋肉を使うようになるだけで基礎代謝がアップすると言えます」

体を支える筋肉が集まった“コアハウス”をしっかりと使うことができるようになると、連動してその他の筋肉も正しく使えるようになってくるのだとか。

悪姿勢の3タイプ

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では、なぜ姿勢が悪くなってしまうのか? 花岡さんによると、「体は筋肉を使わずにいる方が楽と感じるため、意識していないと姿勢は自然と悪くなっていく」という。筋肉がサボろうとすることで、弱くなった筋肉をカバーするために負荷がかかる筋肉だけが余計に鍛えられ、それが骨格のゆがみにもつながるのだとか。その悪循環が痩せづらい体を作っていくそう。

そんな姿勢のゆがみには大きく分けて3つのタイプがあるという。それぞれの特徴を花岡さんに解説してもらった。

【反り腰タイプ】

反り腰
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「腰が反り返り、背中から腰にかけて大きくカーブしているように見えるのが特徴。腰が反っている姿勢のとき、骨盤は前傾していて、内臓の位置が下がり、さらに内臓を支える腹筋も使えていない状態なので、ぽっこりお腹になりやすい姿勢です。股関節の前にある腸腰筋が硬くなり、脚を後ろに蹴れなくなり、お尻やもも裏やうちももが使えずたるみ、太もも前とふくらはぎばかりを使うようになるためパンパンに。腰痛にもなりやすいですね」

これは、デスクワークで腸腰筋が縮んだ状態を長時間続けることや、つま先重心になりがちなヒール靴などを履くことが原因の1つにもなっていて、女性に多いタイプなんだそう。

【猫背タイプ】

猫背姿勢
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「背中が丸くなっているとき、骨盤が後ろに傾いています。この姿勢では、腹部が圧迫されて内臓が前に押し出されるような常になるのでたいこ腹のようにお腹全体が出てきます。この姿勢のときも腹筋は使われず、股関節の前側の靭帯が体を支える状態になるため、股関節や背骨に負担がかかっている状態と言えます。また、腰回りの筋肉が休み、その周りにセルライトがつきやすくなります。さらに、猫背の人は巻き込み肩で前側の筋肉への負荷が大きいので、デコルテラインが消えたり、腕の裏側の筋肉が使えずに二の腕に振り袖肉がつきやすくなったりします」

運動不足で“コアハウス”や腸腰筋が弱い人は、股関節の前側の靭帯にもたれかかるような姿勢になりがち。うつむくようにスマートフォンを見るのがクセだったり、骨盤を後ろに傾けて前かがみで長時間デスクワークする人も要注意なのだとか。

【左右ゆがみタイプ】

「程度の差はあれ、多くの人に当てはまるタイプです。それは、右利きの人は右、左利きの人は左のウエストが縮みがちになるから。一方の筋肉が縮むと反対側が伸びてしまい、ウエストのくびれに左右差が出てきます。また、縮んだ側の内臓が圧迫されるので、うまく機能しなくなることもあります」

いつも同じ方の肩にカバンをかけている人や、脚を組むときにいつも同じ方が上にくる人は左右のゆがみのクセがつきやすいという。

年末年始はこたつでぐうたらに注意!

こたつにはいると、寝転んでだらだらしたり、猫背の姿勢で長時間過ごしがちという人は要注意。

うつ伏せに寝転んだ姿勢でスマートフォンや本を読むときは、頭を持ち上げ、背中は反らせてしまいがち。体は反り腰の状態になってしまうのでNG。

悪い姿勢
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「寝転んでいる状態で体への負担を減らすためには、胸の下にクッションを置くなどして、腰が反らない体勢を作るのがベターです。また、頬づえをつくのがクセになっている人は、あごが前に出て脊柱に負担がかかり、頭痛や不眠などを引き起こす交感神経過緊張症の原因になるので注意した方がいいでしょう」

悪い姿勢
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一方、背中を丸めて過ごす人は骨盤が後傾し、さらに腸腰筋も縮んだ状態になりがち。また、脚を伸ばした状態で長時間過ごすことでお尻や裏ももの筋肉が硬くなると、骨盤の下側から筋肉に引っ張られて、より後ろに倒れやすくなるという。

悪い姿勢
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「こたつやローテーブルで過ごすとき、理想的な姿勢はあぐらです。あぐらはももの裏の筋肉は関係ないですし、骨盤を起こしやすい姿勢なので。逆に、背中を預ける座椅子は骨盤も後傾しやすいので使うのなら背中にクッションを入れて猫背にならないように。また、両脚を片方に揃える、いわゆる“女の子座り”は骨盤がゆがみやすいのでNGです!」

教えてくれた人:花岡正敬さん

花岡正敬さん
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はなおか・まさたか。自身のけがの経験から、対処療法ではなく根本的に体を治すことを追究するため、 理学療法・柔道整復・ピラティス・ヨガ・トレーニングなどを学び、理想的な姿勢作りのためのメソッドを考案。 トップアスリート・音楽家・各界文化人・芸能関係者などをはじめ10万人以上に施術・指導。ネバダ州立大学公認DKピラティスの代表を務め、2006年からはトレーナーとしてパラリンピックをサポートしている。著書に『たった1分でお腹が凹む「やせる姿勢のつくり方』(永岡書店刊)、『あらゆる不調は姿勢力で治せる!』(KKベストセラーズ)がある。

撮影/生熊友博

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