「外出自粛」により自宅で料理をすることが増えると、思い切って大量に野菜を買うことも。でも、毎回同じ料理では飽きてしまいそう。
そこで、今回はかぼちゃに注目。おかずからサラダまで、いろんなレパートリーの簡単レシピを試して、最後までおいしくいただいて。”大量消費”もできちゃうかも。
かぼちゃの栄養素とオススメ調理法
かぼちゃは丸ごと買うと捨てる部分が多いのよね…などと思っていませんか? 実は、皮やわた、種を捨てるのはもったいない。野菜がもつ栄養素を最大限に引き出す食べ方を管理栄養士の中沢るみさんが教えてくれた。
「かぼちゃの実の部分には抗酸化作用のあるβ-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維が含まれますが、皮やわたの方がβ-カロテンや食物繊維が多いんです。種には血流を促進してくれるビタミンEや、精神を安定させてくれるマグネシウムがたくさんはいっているので、炒めてスナックのように食べるのもいいし、砕いてスープに入れてもいいですね」(中沢さん)
かぼちゃはダイエットにも◎
かぼちゃのダイエット効果は、食べたら痩せるという直接的なものではないが、太る習慣を改善すると語るのは、管理栄養士の菊池真由子さん。甘い物を食べ出したら止まらない、食後のデザートがやめられない、そんな人に有効だという。
「私がダイエット指導をしている人の中にも、夕食後に甘い物を食べないと気がすまないという人は少なくありません。そういう人には、デザート代わりに副菜としてかぼちゃ料理を食べるようすすめています。デザートよりも圧倒的にカロリーが低いうえ、甘い物を食べたい気持ちをかぼちゃの甘みが抑えてくれる。特に、食後のデザートが習慣になっている人は、ぜひ試してみてください」(菊池さん・以下同)
さらに、かぼちゃにはビタミンC以外にも若さを保つ成分が含まれている。
「かぼちゃには、ビタミンACE(エース)と言われるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEがはいっています。3つすべてがはいる野菜は、なんとかぼちゃだけ。ビタミンACEは老化予防に最強です。つまり、かぼちゃはダイエットだけでなく健康と美容にも最適な食材です」
そう教えてくれた菊池さんの、とっておきダイエットレシピがコチラ。
「かぼちゃの豚肉巻き」レシピ
《材料》(1人分)
かぼちゃ(薄切り)…5枚分 豚ロース肉(薄切り)…5枚 サラダ油…大さじ1
《作り方》
【1】かぼちゃを細切りにする。
【2】【1】の1/5量を豚ロース肉薄切り1枚で巻く。同様に、4回繰り返し、かぼちゃの豚肉巻きを5個作る。
【3】フライパンにサラダ油を熱し、【2】を入れ、豚肉に火が通ったら好みの調味料やたれで味をつける。
かぼちゃを下茹でする必要はないが、火が通りにくいので薄切りにするのがポイント。
「かぼちゃは甘いゆえ糖質も多いのですが、豚肉のビタミンB1が糖質を分解してくれます。しかも、豚肉には糖質、脂質、たんぱく質の代謝に不可欠なナイアシンも豊富。ビタミンB1とナイアシンの相乗効果でより太りにくい体を作ります。さらに、ナイアシンは年齢とともに減る女性ホルモンを増やすための必要な栄養素です。肌の潤い成分もキープしてくれるなど美肌作りにも欠かせません」
「かぼちゃと落花生のほっくりサラダ」のレシピ
かぼちゃの栄養素を効率的に摂る方法として、ビタミンの吸収率を高めるために、油で炒めたり、油脂分がはいったドレッシングをかけてサラダとして食べたりするのがオススメ、と教えてくれたのは「ABC HEALTH LABO(エービーシー ヘルス ラボ)」。
そこで、「ABC HEALTH LABO」の提案するかぼちゃレシピから、中性脂肪を減らしたり、悪玉コレステロールを減らしたりする効果も期待できる「サポニン」を含む落花生とかぼちゃを組み合わせた「かぼちゃと落花生のほっくりサラダ」のレシピを紹介する。
《材料》(2人分)
かぼちゃ(皮つき、1~2㎝角)…150g 茹で落花生(殻、皮をむく)…60g クリームチーズ(1cm角)…40g
【A】マヨネーズ…大さじ1 ヨーグルト…大さじ1 塩…少々 ハチミツ…小さじ1/2
《下準備》
・かぼちゃは、種、わたを除いておく
《作り方》
【1】かぼちゃを耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(500W)で3分ほど加熱する。
【2】ボウルに【1】を入れ、熱いうちにつぶし、【A】を加えて混ぜ合わせる。
【3】【2】に落花生、クリームチーズを加えて混ぜ合わせる。
【4】器に盛りつける。
「かぼちゃサラダ」のレシピ
『いつ会っても若い人の食べ方の新常識』(主婦の友社)の著者で管理栄養士の麻生れいみさんが教える、老けにくい「若食べ」レシピでは、アーモンドを使ったかぼちゃサラダが登場。
肌の免疫力を上げてくれるβカロテンを含むかぼちゃと、ビタミンEが豊富で抗酸化作用に優れるアンチエイジング食材のアーモンドの組み合わせが、若食べのポイント。
《材料》(作りやすい分量)
かぼちゃ…300g アーモンド…20g マヨネーズ…大さじ2 ヨーグルト…大さじ1 塩・こしょう…各少量
《作り方》
【1】かぼちゃは種とわたを取り、皮は包丁でそぎ取るようにしてむき、3cm角に切る。アーモンドは食べやすい大きさに砕いておく。
【2】かぼちゃは水から入れて塩ゆで(分量外)してから、熱いうちにつぶす。
【3】粗熱が取れたらマヨネーズ、ヨーグルト、塩・こしょうとアーモンドを混ぜ合わせる。
「きな粉とかぼちゃのポタージュ」のレシピ
美のプロたちから支持を集めるファッション&ライフスタイルプロデューサーのAtsushiさんが、大豆食品の中でもトップクラスの食物繊維量で老化防止に役立つというきな粉のスープを考案した。
かぼちゃを使った「きな粉とかぼちゃのポタージュ」は、それぞれの素材の甘さにきな粉の香ばしさが合う新感覚のスープ。
「かぼちゃにはβカロテンが含まれています。抗酸化作用があるのでアンチエイジングにいいですし、風邪予防にもすごくいいので、風邪を引きそうになったらかぼちゃをとってください」(Atsushiさん)
《材料》(2人分)
きな粉…大さじ4 かぼちゃ…1/4 玉ねぎ…1/2 豆乳…300㏄ 固形コンソメ…2つ 水…200㏄ オリーブオイル…小さじ1 塩…少々
《作り方》
【1】かぼちゃと玉ねぎを適当な大きさにカットする。
【2】 【1】にラップをかけ、電子レンジで6分加熱する。
【3】ミキサーに【2】ときな粉、豆乳など、材料を全部入れてスイッチオン。
→Atsushiさん考案のアンチエイジングスープのレシピをもっと見る
「ファイトケミカルスープ」のレシピ
ダイエット外来のメソッドをまとめた書籍『好きなものを食べながら健康的にやせる 帳消しダイエット』(日本実業出版社)の著者・ハーバード大学医学部准教授で麻布医院院長の高(正しくは、はしごだか)橋弘さんは「ファイトケミカルスープ」を考案。
「野菜に含まれる『ファイトケミカル』とは、天然の機能性成分で、がんや生活習慣病などの病気を防ぐ働き、抗酸化作用、脂肪の燃焼を助けるダイエット効果などがあります。こうした野菜のファイトケミカルパワーを簡単に摂れるのが、私が考案した『ファイトケミカルスープ」です』(高橋さん)
簡単に手にはいる、安価で常備しやすい4つの野菜で作る「ファイトケミカルスープ」のレシピがコチラ。
《材料》(4杯分、1杯200mlあたり約50kcal)
キャベツ…100g(大2枚) 玉ねぎ…100g(1/2個) にんじん…100g(皮付き1/2本) かぼちゃ…100g(皮付き1/8個)
《作り方》
【1】キャベツ、玉ねぎ、にんじん、かぼちゃを食べやすい大きさに切る。にんじん、かぼちゃはよく洗って、皮付きのまま使う。
【2】厚手の鍋に野菜を入れて、野菜が隠れるくらいの水(約1000ml)を注ぎ、蒸気穴のないふたをする。
【3】鍋を強火にかけ、お湯が沸騰したら中火にして、ふたをしたまま20〜30分ほど煮込んだら完成。
「かぼちゃと鶏ひき肉の酒粕スープ」のレシピ
血流をアップさせる食材と薬膳の力で、冷えた体を内側から温めると免疫力がアップするという。そこで、美容薬膳研究家のちづかみゆきさんが教えてくれた、食材の力で体を温めるスープからかぼちゃを使ったレシピをピックアップ。
「かぼちゃと鶏ひき肉の酒粕スープ」の材料のかぼちゃと鶏肉は体を温める他、胃腸の働きを整える効果もあるので、冷えてお腹を壊しやすい人にもおすすめ。体を温めるこしょうもたっぷりと使用して。
《材料》(2人分)
かぼちゃ…150g 玉ねぎ…1/4個 しめじ…50g ごま油…大さじ1 鶏ひき肉…100g 水…2カップ 粗びき黒こしょう……適宜
【A】酒粕(※)…大さじ1 塩…小さじ1 こしょう…少々
《作り方》
【1】かぼちゃは1~2cm角に、玉ねぎは薄切りにする。しめじは石突きを取り、食べやすく割く。
【2】鍋にごま油を入れて熱し、鶏ひき肉と玉ねぎを加えて炒める。
【3】【2】に水を加え、沸いたらアクを取り除く。かぼちゃを加えて5分煮、しめじと【A】を加え、やわらかくなるまで煮る。器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。
※酒粕が溶けにくい場合は、水と一緒に電子レンジ(600W)で30秒ほど加熱する。
「豚肉とかぼちゃのとろみ煮」のレシピ
「体を温めるには、血を作るたんぱく質や鉄分、血流をよくするビタミンB1、E、β-カロテン、アリシンを摂ること。とろみのある料理も◎」と語る料理研究家の近藤幸子さんが、体を温める効果がある栄養素がたっぷりはいったレシピを提案してくれた。
その中から、とろみによって温め効果が持続するかぼちゃ料理を紹介する。豚肉はたんぱく質とビタミンB1を、かぼちゃはビタミンEを含有。ねぎに含まれるアリシンは血流を改善し、ビタミンB1の吸収を高める。
《材料》(2人分)
豚こま切れ肉…200g 塩…小さじ1/4 片栗粉…大さじ2 かぼちゃ…1/8個(150g)長ねぎ…1/2本
【A】だし…1と1/2カップ おろししょうが…小さじ1 しょうゆ…大さじ2 みりん…大さじ2
《作り方》
【1】豚肉は食べやすい大きさに切り、塩と片栗粉をまぶす。かぼちゃは小さめの一口大に切る。長ねぎは1cm幅の斜め切りにする。
【2】鍋に【A】を入れて煮立て、【1】をすべて加えて煮る。沸騰してとろみがついてきたら、かき混ぜながら中火で3分煮る。
「スパイス温野菜」のレシピ
「バスクリン『アーユルタイム』×ホットヨガスタジオLAVA アーユルヨガ部 体験イベント」で紹介された簡単レシピは、インドの伝統的医学で、世界三大伝統医学の1つである「アーユルヴェーダ」の考えに基づき自律神経を整えてくれる効果もあるのだとか。この「スパイス温野菜」は、むくみや眠気からスッキリしたい気分のときに、特にオススメ。
《材料》(4人分)
にんじん…1本 ブロッコリー…1株 かぼちゃ…6分の1個 アスパラ…4本 しょうが…1かけ 水…200m クミン…小さじ4分の1 コリアンダー…小さじ4分の1 塩…少々 ケチャップ…お好み(ディップ用)
《作り方》
【1】野菜を1口大に切る。しょうがはみじん切りにする。
【2】フライパンに水としょうが、コリアンダー、クミン、にんじんを入れて中火で2分煮る。
【3】さらにかぼちゃを入れて中火で7分煮る。
【4】さらにブロッコリー、アスパラを入れて中火で7分蒸し煮にし、仕上げに塩を少々ふってでき上がり。お好みでケチャップをつける。
「カボチャとゴボウとマッシュルームのセモリナ粉フリット」のレシピ
「ABC HEALTH LABO」が教えてくれた「カボチャとゴボウとマッシュルームのセモリナ粉フリット」は、さくっとした衣がおいしい洋風天ぷら。食物繊維が豊富なごぼうとかぼちゃで腸内環境を整えたい人にもぴったりなのだとか。1人分あたり、278kcal。
《材料》(2人分)
かぼちゃ(幅7mm)…80g ごぼう…40g マッシュルーム(生)…2個 薄力粉…小さじ1
【A】デュラムセモリナ粉…30g 薄力粉…30g コーンスターチ…小さじ1/2 塩…少々 牛乳…大さじ1 炭酸水…70cc
【B】マヨネーズ…小さじ4 牛乳…小さじ1 おろしにんにく…少々
揚げ油…適量 塩…少々 レモン(くし形切り)…1/4個
《下準備》
・かぼちゃは、わた、種を除いておく
・ごぼうは流水の下でたわしでこすり洗いをする。水にさらした後、水気を切る。長さ6cmに切ってから、縦4等分に切る
・【B】を合わせておく(ソース)
《作り方》
【1】ボウルに【A】を入れ、泡立て器でよく混ぜる。
【2】かぼちゃ、ごぼう、マッシュルームは薄力粉(小さじ1)をまぶし、【1】をつけて、180度の油で揚げる。
【3】器に盛りつけて塩をふり、ソース、レモンを添える。
→「カボチャとゴボウとマッシュルームのセモリナ粉フリット」についてもっと見る
「イエローカレー」のレシピ
フランス生まれのキッチンウェアブランド「ル・クルーゼ」の鍋は、煮崩れせずに野菜のうまみを引き出してくれるので、カレーの調理にもぴったりなのだとか。そこで、同社の管理栄養士である河崎さんに、ビタミン類が豊富なかぼちゃを使った「イエローカレー」を教えてもらった。1人分あたり、393.8kcal。
《材料》(3人分/ココットロンド18cm使用)
玉ねぎ(みじん切り)…200g かぼちゃ…200g 粒コーン…150g 水…100ml クリームコーン缶…1缶(150g) ココナッツミルク…1/2缶(200ml) にんにく(すりおろし)…小さじ1 しょうが(すりおろし)…小さじ1 塩…小さじ1/2 ターメリック…小さじ1 カレー粉…大さじ1 サラダ油…大さじ1 ミント…適宜
【A】ナンプラー…大さじ1 ケチャップ…大さじ1 ウスターソース…大さじ1
《下準備》
・玉ねぎは、みじん切りにして、耐熱ボウルに入れる。ラップをかけて、電子レンジ(600W)で6分ほど加熱しておく。
・かぼちゃは、皮と種を除いて、厚さ3mmのいちょう切りにする。
《作り方》
【1】鍋にサラダ油、玉ねぎ、にんにく、しょうがを加えて、弱・中火にかける。玉ねぎがあめ色になるまで炒める。
【2】ターメリックとカレー粉を加えて、全体を混ぜる。さらに、水、クリームコーン缶、ココナッツミルク、塩を加える。
【3】かぼちゃ、粒コーンを加える。かぼちゃに火が通るまで軽く煮込む。
【4】【A】を加えて、ひと煮立ちさせる。
【5】トッピング用のミントを散らす。
「南蛮漬け」のレシピ
「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナーでアスリートフードマイスター・料理研究家の市橋有里(いちはし・あり)さんが教えてくれた栄養たっぷりのヘルシーレシピから、かぼちゃとはじめとする色どり野菜を使った「南蛮漬け」のレシピを紹介。
《材料》(2人分)
鮭…200g 帆立…100g 赤たまねぎ…1/8個 パプリカ…1/4個 かぼちゃ…1/8個 スプラウト…少々 カンタン酢…大さじ5(酢と砂糖を2:1で合わせたものでもOK) 白だし…大さじ1/2~1 ごま油…大さじ2(オリーブオイルでも可)
《作り方》
【1】 鮭は食べやすい大きさに切り、帆立とともに塩をふっておく。赤たまねぎ、パプリカ、かぼちゃはスライスしておく。
【2】 フライパンにごま油をひき、鮭、帆立、かぼちゃ、パプリカをそれぞれこんがりと焼く。
【3】 【2】をバットに並べ、カンタン酢と白だしを混ぜたものをまわしかけ、冷蔵庫で冷やす。赤たまねぎやスプラウトは食べる直前にのせると彩りよく仕上がる。お好みでレモンをしぼってもOK。
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