健康・医療

太るのはホルモンのせい!?ダイエットのカギ握る2つのホルモンを整える食事術

なかなか寝付けなくて、夜更かしをしていると無性にお腹が減ってしまうもの。実はそれ、空腹ホルモンと満腹ホルモンのせいかも。それぞれのホルモンの働きを知ると、ダイエットもスムーズに進められる。おうち時間が増えた今、効率よく体重コントロールするカギはホルモンにあったーー。

太るのは空腹ホルモンと満腹ホルモンのバランスの乱れ

ベッドでぐったりする女性
写真/ピクスタ
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睡眠不足だと太りやすくなるのは、深夜に食べるラーメンやスイーツがおいしいからだけではない。空腹ホルモンの「グレリン」と満腹ホルモンの「レプチン」のアンバランスも影響する。眠らずに活動し続けていると、脳が「緊急事態だ」と錯覚し、たとえエネルギーが充分でも、食欲を起こすグレリンが分泌される。しかも、体は効率的にカロリーを補充しようとするため、カロリーの高い甘いものや炭水化物を欲するようになる。

グレリンとレプチンのバランスを取るにはどうすればいいのだろうか。ナチュラルアートクリニック(四ツ谷)院長で、予防医療にくわしい御川安仁(みかわやすひと)さんがアドバイスする。

「まずはきちんと眠ること。眠っている間に分泌される『成長ホルモン』は、糖や脂肪の代謝を促してくれます。成長ホルモンが不足しないように、たんぱく質、アミノ酸を積極的に摂ってください」

◆「お腹が空いたから食べる」を意識

太りすぎはエストロゲンの分泌量も減らす。PMS(月経前症候群)の症状が悪化したり、更年期障害が早まったりする悪循環に陥るため、注意が必要だ。予防するには、睡眠のほかに、食事の仕方も重要になる。

糖質の摂りすぎでインスリンを酷使する様子をイメージしたイラスト
グレリンのほか、ストレスホルモンのコルチゾール、女性ホルモンのプロゲステロンも食べることが大好き。ただし、糖質の摂りすぎはインスリンを酷使することに。
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「深夜の食事や早食いは、レプチンの作用を悪くするため、満腹感を感じにくくなります。就寝3~4時間前の食事やダラダラ食い、早食いは避けましょう。そして、グレリンが充分に分泌されてから食べること。“食事の時間だから食べよう”ではなく、自分が“お腹が空いた”と感じてから食べるべきです。おいしそうな料理を目の前にすると、グレリンが分泌されて胃が消化の準備に入ります。その状態でゆっくり咀嚼して味わって食べると、グレリンの働きによって成長ホルモンが増え、老化防止の作用も期待できる」(御川さん)

“プチ断食”はダイエット、病気の予防にも

ナビタスクリニック川崎の内科医・谷本哲也さんによれば、時々“プチ断食”をするのも、グレリンの働きを高めるという。

「ダイエットだけでなく病気の予防や治療にもつながる方法として、1日1~2食にし、16~20時間ほど空腹の時間を設ける『断続的断食療法』が、いま、世界的に注目されています。ただし、体に負担がかからないように注意して行う必要があります」(谷本さん)

イラスト/カツヤマケイコ

※女性セブン2020年4月30日号

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