脂っぽいものが食べたいとき
◆揚げ物が食べたいとき
「嗜好以外の可能性としては、揚げ物が食べたい場合もエネルギー不足が続いていることが考えられます。また、ビタミンB2が不足し油脂が代謝されづらくなっていると、体がエネルギー不足と勘違いする場合も」
ついつい揚げ物ばかり食べてしまうというときも、納豆、牛乳・乳製品、青魚、レバー、卵、きのこといったビタミンB2が多い食品をとるように心がけてみて。
◆焼肉・ステーキなどを食べたいとき
ステーキなどを求めている場合は、鉄不足の可能性もあるという。
「鉄不足の場合は、鉄が豊富な食材をとり入れることが大切ですが、エネルギー不足やたんぱく質不足でも、貧血を招きます。主食や肉・魚・卵・大豆製品などの主菜でエネルギーを確保しながら、鉄が豊富な食材をとり入れることが大切です」
鉄が豊富な食材は、レバー、牛肉等の赤身肉、カツオやマグロ等の赤身魚、あさりや赤貝等の貝類、厚揚げ・納豆・豆乳等の大豆製品、ほうれん草等の青菜、卵など。
「鉄は吸収率の悪い栄養素のため、毎日コツコツと摂り続けることが大切です。植物性食品や卵に含まれる鉄は吸収率が特に悪いですが、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がよくなるので、食後の果物はオススメです」
また、氷を食べたくなる氷食症も鉄不足による貧血の可能性が高いので、同様の食生活を意識して。
◆脂身が食べたいとき
バラ肉やベーコンなどの脂身を欲している場合は、エネルギー不足が続いている可能性が。日々の食事で油脂を減らしすぎていないか、食事からの糖質(ご飯、パン、麺など)を減らしすぎていないか、また、ビタミンB2が摂れているか確認を。
脂っぽいものをつい食べてしまう人のリカバリー方法
篠原さんが教えてくれた、脂っぽいものをたくさん食べてしまう人のリカバー方法はこちら。
・ビタミンB2が豊富な食材を食事にとり入れる。
・脂質の吸収を抑えたり、脂肪の排出を増やしたりする効果が期待できる烏龍茶ポリフェノールを豊富に含む烏龍茶などを食事時に飲むことを習慣にする。
・食べた翌日は脂質が多いものを控える。
その他の味覚による体からのサイン
◆しょっぱいもの・辛いもの
ストレスがかかっている可能性が考えられるので、ストレス解消法を見つけるのも大切。
「しょっぱいものをたくさん食べてしまったときは、塩分の排出を促すカリウムが豊富な食材の果物、根菜類、緑黄色野菜、海藻類、豆類をしっかりとるようにしましょう」
ただし、腎疾患がある場合は医師の指示に従うこと。
◆すっぱいもの
「疲労している可能性があります。酸味に含まれるクエン酸を摂ることで、疲労回復効果が期待できます」
疲労回復のためには、炭水化物(ご飯、パン、麺)やビタミンB1(豚肉、雑穀、豆類、レバー等)も摂るのが◎。
最後に、食事は思考や嗜好の影響が強く出る傾向があるため、「●●が食べたい=●●という栄養素が不足している」とは限らない。そのため、決めつけすぎに慎重に判断を。判断できないときは専門家に相談することをおすすめする。
教えてくれた人:管理栄養士・篠原絵里佳さん
しのはら・えりか。管理栄養士。Health & Beautrition主催。日本抗加齢医学会認定指導士、睡眠改善インストラクター、野菜ソムリエプロ、ダイエットスタイル認定トレーナーなどの資格をもつ。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、わかりやすく発信することを得意とする。『食べても太らない簡単スゴ技』(枻出版社)など、本の監修も多く手がけている。https://ericashinohara.com/