「食欲の秋」がやってきた。今年は「Go To Eatキャンペーン」も相まって、おいしいものをお得に食べられる機会がぐんと増えた。実際、電子チラシサービス会社の『shufoo!』が既婚女性約5万人に行った調査によると、約6割が「コロナ禍で食費が増えた」と回答している。
たたくだけでなぜ痩せるのか?
しかし、その“結果”は体重によってしっかり返ってくる。アメリカのニュース配信サイト『WebMD』の調査によれば、日本は「世界コロナ太りランキング」で、なんと3位にランクイン。ふと鏡に映った自分を見ると、なんだかふっくらしてきている…と悩む人も多いだろう。
「取り返しのつかない冬」がやってくる前に、脂肪を撃退するために、まずは体をたたくことから始めることをすすめるのは、『脂肪たたきハンマーダイエット』の著者で、ボディメンテナンスセラピストの久優子さん。
◆セルライトが排泄されやすく、代謝もUP
「運動や食事制限を行ってもやせにくいと悩む人の共通点は、お腹や太ももが冷えてむくみ、皮膚が硬くなって代謝が下がっていること。体の7割は水分でできているため、たたくことで水面に波紋が広がるように体内に振動が起きます。すると滞っていた血液やリンパの流れがよくなり、硬くなった筋肉がほぐれて関節が緩む。セルライトも排泄されやすくなります。エネルギーの代謝や体温も上がり、同じ運動量でもカロリーを消費しやすく、やせやすい体になるのです」(久さん・以下同)
マッサージによってリンパを流し、老廃物を排泄する方法もあるが、強さがわからず、手も疲れてしまうため長続きしない人が多い。
「その点、体をたたくのはどこでも自分で簡単にできるうえ、痛みもありません。実際、2週間体をたたいてウエストがマイナス6cmダウンしたという人もいました」
足裏から?たたいて痩せるためのやり方
早速たたいて脂肪を減らしていきたいが、どこからどうたたけばいいのか。久さんは、「何よりもまず、足の裏から」と言う。
「足裏には28個の骨と筋肉があり、体を支える大切な土台になっている。ここをたたいて刺激することで全身の血液やリンパの流れがよくなり、免疫力アップにもつながります。加えて、たたくことで足の裏のアーチがきちんと作られるため、バランスを保ちやすくなり全身のゆがみも解消します」
◆「足裏たたき」のたたき方
いいことずくめの「足裏たたき」。さっそくたたき方を見ていこう。
まずは椅子に座った状態で、片方の足首を、もう一方の太ももの上にのせ、足裏の両ふちを両手のこぶしで挟みながらたたき、次にこぶしの指側で、足裏全体をたたく。指の先までたたききったらくるぶしへ。
「血流が滞り、末端の毛細血管まで血液が流れていかない“ゴースト血管”ができる人はとても多い。足の指先をたたくことで、ゴースト血管が解消され、血管がよみがえります」
最後はふくらはぎを下から上に向かってこぶしの表面でたたいて刺激する。これで足先の老廃物や毒素を排泄しやすくする。1か所20回程度が目安だが、温かさを感じるまで続けると効果的。これを反対側の足でも行う。
「たたく時間帯はいつでもOKです。寝る前や夕食後など隙間時間を使ってこまめに取り入れて」
◆太ももやお腹をたたくのもおすすめ
足裏をたたくのに慣れてきたら、太ももやお腹をたたくのもおすすめだ。
「太ももは、ミートハンマーでお肉を軟らかく、セルライトをつぶすような感覚で、こぶしの親指側を使ってたたきます。お腹は手をおわん形に丸めて、内臓に響かせるつもりでたたく。脂肪がついている部分は痛みを感じづらいので、強めにたたくことを意識して」
お尻たたきで5kg減することも。そのやり方
足の裏やふくらはぎとともに取り組みたいのが、「お尻たたき」だ。
「骨盤たたきダイエット」を提唱するアピア均整院代表の松岡博子さんは、「お尻をたたいて骨盤のゆがみを取ることで、やせやすい体づくりにつながります」と言う。
◆お尻をたたくことで骨盤のゆがみ解消
「骨盤がゆがんでいるのは、いわば“ねじれたゴムホース”のような状態。体内の水分の代謝やリンパの流れが滞り、セルライトもたまりやすくなります。すると背中に肉がつきやすくなり、お腹にも水分がたまってぽっちゃりした体つきになりやすい。骨盤をたたいてゆがみを取ることで、排泄がスムーズになって代謝が上がるため、簡単にサイズダウンします」(松岡さん・以下同)
やり方は簡単だ。まずうつぶせに寝て、両足を肩幅くらいに開く。両手は顔の下で重ねて、その上にあごをのせる。
そのまま息をフーッと吐きながら、片足のかかとで痛くない程度に左右交互にお尻をたたく。
「左右のお尻でどちらかたたきやすい方があれば、骨盤がゆがんでいる証拠。そちらだけプラスして3回たたくことで、骨盤のゆがみが直り、開きが締まります。夜は特に体がむくんでいるので、夕食や入浴が終わって、リラックスした時間に行うと、効果を実感しやすい。まずは1週間続けると、体の変化が実感できるようになりますよ」
◆やるときの注意点
骨盤に刺激を与えるため、やりすぎは禁物だ。
「1日1回にとどめてください。妊娠中や生理中、生理前後の2日も、生殖器に影響が出る可能性があるため避けてください。ゆがみの解消は体形にも反映されやすく、“1か月で下腹が4.5cmもへこんだ”“5kgやせた”などの報告も珍しくありません」
ゆがみの解消による生理痛の改善やお尻の筋肉が鍛えられることで、ヒップアップ効果も期待できるという。
がまんをしいられる食事制限や、苦しい運動をしてもやせなかったという人は、「たたくだけ」のダイエット法を試してほしい。意外なほどあっさりと結果が出るかもしれない。
やせる下半身のたたき方のイラスト解説
【1】両手でこぶしをつくり、小指側を使って足裏のふちを両側から挟むようにして交互にたたく。足の力を抜き、足首が動くくらい強くたたくのがポイント。
【2】こぶしの指側を使ってかかとから足の指先まで足裏全体をたたく。親指の付け根まで来たら、次は小指に向かって横に移動。
【3】こぶしの小指側を使い、くるぶしをたたく。くるぶしの外側を念入りにたたくのがポイント。
【4】足たたきの仕上げはふくらはぎ。両手のこぶしの小指側で足首から膝にかけてたたき上げる。老廃物がたまりやすい骨の周辺をたたくのがポイント。
【5】「お尻たたき」は足首を使う。足首はぶらぶらさせず、90度に固定することを意識して、そこからお尻にふり下げ、左右交互に7回ずつたたく。およそ1秒に1回のリズムが目安。
イラスト/つぼゆり
※女性セブン2020年11月5・12日号
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