ハードな運動をする気にはなれないけれど、ウォーキングをするにしても間違った方法では健康も美しさも叶えられない!?
これまで、頑張ってたくさん歩いたのに思うような効果を実感できないという人は、『10歳若返る 骨盤腸整ウォーキング』(世界文化社)をチェックしてみて。
著者の山﨑美歩呼さんが筋肉や骨盤など理学療法の観点から体を研究し生み出した、「骨盤腸整ウォーキング」は背中側の筋肉を目覚めさせ、その筋肉をしっかりと使って正しく歩く方法。山﨑さん自身も40代後半から15kg痩せた「骨盤腸整ウォーキング」をマスターしてきちんと歩けば、好きなものを飲み食いしても太らない若々しい体になるのだとか!
そこで、正しい歩き方、NGの歩き方を中心に、「骨盤腸整ウォーキング」でなぜ若返ったり、痩せたりすることができるのかを解説する。
* * *
背中の筋肉の衰えがデブ&老化を招く
山﨑さんによると、中年太りや老化を招く”犯人”は、老化しやすい背中の筋肉なのだとか。姿勢を維持する筋肉は背中側に多く、性別に関係なく年齢と共に減少していくそう。
◆背中の筋肉が弱ると猫背になりやすい
特に、二の腕、首から背中、腰や脇腹、お尻やももの筋肉は放っておくと衰えやすいという。筋肉量が減ると、代謝が落ちて太りやすくなる。さらに、腰の深層部には背骨を支え、骨盤とつなぐ腰方形筋(ようほうけいきん)があり、この筋肉が衰えると背中が丸くなり、より老けて見えてしまうのだそう。
◆体形の悩みトップ3の原因は猫背にある
また、加齢による筋肉量の減少は、山﨑さんのレッスン生の体形の悩みトップ3でもある「猫背」「ぽっこりお腹」「O脚」の原因になっているそう。この3つの悩みには、猫背により骨盤がゆがみ、ぽっこりお腹になると、体重を外側にかけるようになり脚の外側の筋肉ばかりが発達してO脚になる、という相関関係もあるのだとか!
悪姿勢による体のゆがみは不調の原因にも
悪姿勢や悪い動きの習慣がついていると、体のゆがみにつながり、それが肩こりや腰痛、内臓の不調など、多くの人が悩んでいる体のトラブルの原因にもなっているという。
◆骨盤のゆがみが全身のゆがみに
前後左右さまざまな筋肉が重なり合って、全身の動きをコントロールしている骨盤。体を正しく使うことができていないと骨盤が安定しないため、ズレや傾きが起こり、全身にゆがみが生じるのだとか。体の不調は整体やマッサージなどで一時的に治そうとするのではなく、骨盤をゆがませる悪い姿勢や歩き方を改善することが大事。
◆猫背で内臓が圧迫されると腸の働きも悪くなる
猫背のせいでお腹側の空間が狭くなり、内臓はぎゅっと押し込められた状態に。内臓の中でも長い臓器の腸は、押し込められてくっつくと動きが悪くなり、栄養素の吸収力が低下したり、便秘になったりするそう。便秘解消のために食物繊維などを摂る前に、腸が本来の機能を発揮できる環境を整える必要があるという。
ただ歩くだけでは痩せない!
山﨑さん自身、歩数や時間だけを目標にだらだら歩いていた頃は痩せなかったそう。では、どんな歩き方をすれば痩せることができるの?
◆歩いても痩せない人は姿勢が悪い
たくさん歩いても全然痩せない!という人は、猫背や反り腰など姿勢が悪く、ウォーキングで使いたい関節や筋肉がガチガチに固まって、十分に動かせていないことが多いという。また、姿勢が悪い人が何の準備もせずに歩き始めると膝や腰を痛める原因にも。
◆背中、お尻、足の3か所を意識して歩く
まずは、関節や筋肉をきちんと使える体作りを最初の目標に。体の後ろ側を鍛えるポイントである、背中、お尻、足を意識し、関節や筋肉が本来あるべき方向に動かせれば代謝も上がり、正しく歩くだけで痩せることができるそう。
正しい歩き方レッスン
見た目が若返り、体の内側も健康にしてくれる正しい歩き方をレクチャー。
◆正しい姿勢を確認
体がゆがんだり、猫背のままでは正しい歩き方はできないため、まずは壁立ちで正しい姿勢をチェック!
【1】壁などを背にして立ち、足元から順にまずかかとをつける。つま先、膝は正面に向ける。
【2】壁にお尻をつける。
【3】壁に肩甲骨をつける。
【4】後頭部を壁につけ、あごを引く。この姿勢のまま自然に呼吸し、30秒キープ。
【Point】
・骨盤は床に対して垂直に、骨盤の真上に頭がくるように意識
・息を吸ったときの肋骨の角度と肩の位置をキープする
◆足幅は靴1足分からはみ出ないように
靴の幅で歩くと足が少し内側にはいるので、内ももの筋肉が使われて足が細くなる。靴1足分の幅の中で歩くイメージで、膝が正面を向くように意識して歩く。このとき、左右の足の間から後ろの景色が見えないくらいの歩幅で。また、足を外から回さずに、膝をスッと伸ばして歩くこと。
◆かかとから着地する
つま先を持ち上げてかかとから着地することで、足首をしっかり動かせるので、ふくらはぎの動きも活発に。
【1】軽く膝を伸ばし、つま先が上がりやすくなった状態でかかとから着地する。
【2】前足に体重を移動し、同時に後ろ足の親指の付け根で押し出す。
【3】一瞬前足に全体重を乗せ、次に後ろ足を前に出す。足を変えて【1】から【3】をスムーズに繰り返す。
【Point】
着地するときの足裏は、かかとをついたら土踏まずの外側に体重を移動し、親指の付け根で押し出す。
◆手は後ろに振る
脇を締めて腕を後ろに引き、肩甲骨を動かすように意識。気になる二の腕のダブつきを引き締める効果も!
歩くときに、脇を締めて手を後ろに大きく振る。このとき、肩甲骨が動くことを意識して。手は左右に広げて振るのではなく、脇のすぐ横を通す。自分の身幅に近いところで肘を伸ばして振ると、二の腕を使えるようになる。
◆骨盤腸整ウォーキングのやり方
3つのポイントを抑えて、実践を。骨盤は床に対して垂直に、真上に頭を乗せ、骨盤で頭を運ぶイメージで美しく歩く。
【1】スタートは正しい姿勢で立つ。
【2】右足を前に出し、かかとから着地。右手は後ろに大きく振る。
【3】右足に体重を乗せ、同時に左足の親指の付け根で体を前に押し出す。
【4】一瞬右足立ちになり、左足を前に出し、かかとから着地。足を替えて【2】から【4】をスムーズに繰り返す。
やりがちなNGウォーク
頑張って歩いても、間違った姿勢では効果なし。やりがちな悪い歩き方をチェック!
◆外股ペタペタ歩き
一見すると安定した歩き方だけれど、つま先が外を向いているため、本来使うべき足の筋肉をきちんと使えていない。省エネモードの非常にもったいない歩き方。
外股でペタペタと歩く。足の外側に体重が乗り、膝も外を向いた状態。
両足のかかとが離れているので、左足の間から後ろの景色が見える。
◆内股ピョコピョコ歩き
若い女性に多い、つま先が内向きのピョコピョコ歩き。足裏がきちんと使えず、足の筋肉が横に張り出してしまう。下半身が太くなり、お尻もたれるので注意! つま先を正面に向けるとお尻が上がる、内側に向けるとお尻がたれるという法則を忘れずに。
つま先も膝も、内側を向いてしまった状態。
股関節も内側にねじれるため、骨盤をゆがませる上に、見た目もよくない歩き方。
◆上半身がぶれるブレブレ歩き
上半身が左右にぶれると、体幹を鍛えることができない。骨盤がゆがむため、体を斜めにして歩くのがクセに。体幹ができていないから上半身がぶれ、上半身がぶれると体幹が鍛えられない、という悪循環で体がゆがむ。
◆手を後ろに振れないトボトボ歩き
背中が丸まって肩が前に出ると、重心が前に傾くので、頭の重みで体重を移動している状態に。そうすると、手を後ろに振ることができない。肩甲骨や二の腕をしっかり動かさないと、たくさん歩いても痩せない。
教えてくれた人:山﨑美歩呼さん
スポーツインストラクターや骨盤、小顔矯正のセラピストとして活動し、筋肉や骨盤など理学療法の観点から体の動きを研究。2015年、骨盤と腸の関係に着目した独自のウォーキングプログラム「骨盤腸整ウォーキング」を提唱。地元・福岡と東京、下関で、ウォーキングレッスンおよびインストラクター養成を行う。年間延べ7000人にレクチャーし、イベントへの登壇やテレビ出演、全国各地での講話など広く活動している。一般社団法人 日本姿勢改善ウォーキング協会
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