ストレスを感じているのはペットも同じかもしれません。ご家庭で犬や猫を飼っている人の不安や疑問を専門家の解説で解消するシリーズ。
今回は、コロナ禍によって大きく変わった飼い主さんのライフスタイルが愛犬や愛猫にどのような影響を与えるのか、探っていきます。飼い主さんはどのようなことに配慮すればいいのでしょうか。
飼い主さんが在宅がちになると犬や猫は…
人気アニメ映画の『ペット』シリーズの第2作が公開されたのは2019年夏のことでした。飼い主が出かけている間に、小型犬のマックスらペットたちはリラックスしたり仲間と交流したり、あまつさえ冒険までしてしまうという明るくコミカルなストーリーが幅広い層に支持されました。しかし、飼い主が出かけなくなった世界では、マックスも勝手が違ってくるかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の流行で、私たちの生活様式は一変しました。特に、リモートワーク(在宅勤務)や外出自粛のため、自宅で過ごす時間が増えています。これまで日中は出かけていた飼い主さんが家にとどまるようになると、ペットはどう感じるのでしょうか。獣医師の山本昌彦さんに聞いてみました。
◆犬よりも猫のほうがストレス?
「感じ方には個体差があるので、あくまで傾向の話になりますが、犬の場合は飼い主さんと一緒にいられる時間が増えてうれしいと感じる子が多いと思います。生活の満足度が上がって、体にもどちらかといえば好影響がありそうです。犬に比べると、猫は一般に単独行動を好むので、飼い主さんがずっと家にいる生活を、少し気づまりに感じる子もいるかもしれません」(山本さん・以下同)
「いるなら構ってよ」と新たな不満も
とはいえ、猫もパソコンのキーボードの上に寝転がって、盛んに飼い主さんと遊びたそうなそぶりを見せることがありますよね。一方で、犬のほうも満足とばかりはいかないようで、散歩に行ったあとでも、窓から外を見つめたり、訴えるような鳴き方をしたりして散歩の“おかわり”を要求する子も。「そこにいるのに構ってくれない!」という新たな不満を募らせることもあるようです。
◆生活のリズムが崩れるケース
また、心情的には飼い主さんと一緒にいられるのを喜んでいても、肉体的には負担がかかる可能性もあります。
「人間の子供と一緒で、犬や猫も普段と違うことがあると、それが楽しいことでも気持ちがたかぶって寝付けなかったりします。飼い主さんがそばにいることで、いつもなら昼寝をしている時間でも起きっぱなしになったりして、生活のリズムが変わる子もいますね」