定番の煮物以外にも、サラダにしたり、チップスにしたりと、いろいろな料理で楽しめるごぼう。好きな人も多いのではないでしょうか? そんなごぼうのおいしいものを見分ける方法について教えてくれたのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。さらに、うれしい健康効果についても教えてくれました。
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おいしいごぼうの見極め方とは?
ごぼうを選ぶときに注目するべきポイントを知っておけば、よりおいしいものを食べることができます。
ごぼうは弾力と太さをチェックして選ぶ
おいしいごぼうのポイントは、弾力があって、太さができるだけ均一であることです。太すぎるものは「す」と呼ばれる隙間ができている可能性があるので、太ければいいというわけではないのです。また、ひげ根は細くて少ないほうが、いい環境の土壌で育った証といわれています。
風味がよいごぼうを食べたいなら泥付きを
洗いごぼうよりも泥付きのほうが表面が守られているぶん、香りが飛びづらいので風味がよいです。泥が乾燥を遅らせるため、洗ったものより日持ちします。
ごぼうのうれしい栄養効果
ごぼうといえば食物繊維というイメージがあると思いますが、どんな働きがあるのか詳しく知っていますか? 腸内環境を整えるだけでなく、さまざまなうれしい効果が期待できるんです。
ごぼうは水溶性、不溶性両方の食物繊維が摂れる
ご存知のかたも多いと思いますが、ごぼうは食物繊維が豊富な野菜です。水溶性、不溶性のどちらの食物繊維も入っています。
さらに、多糖類のイヌリンや繊維質のセルロース、リグニンの含有量は、野菜の中でトップクラスです。いずれも便秘の解消や腸内環境を整える効果が高く、動脈硬化やがん予防にも役立つと言われています。
また、水溶性食物繊維に属するイヌリンには、腸内で糖の吸収を抑制し、腸内細菌のえさになることで血糖値の上昇を抑え、腸管機能を活性化する働きがあります。また、ごぼうのアクの成分には抗酸化作用があり、老化防止にもつながるんですよ。
春は新ごぼうもおすすめ
新ごぼうは3~6月頃に旬を迎えます。色白で細い新ごぼうですが、秋に植えたごぼうを成長する前に収穫したものを指します。長さは30cmほどで皮が薄く、食感がやわらかいのが特徴です。栄養価は冬のごぼうと変わらず、食物繊維がたっぷりです。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ