自己流になりがちな野菜の保存。ごぼうを買ってしばらくしたら、乾燥してふにゃっとやわらかくなってしまったことがある人もいるのではないでしょうか。そんな事態を防ぐために、野菜ソムリエプロの福島玲子さんから正しい保存の方法を教えてもらいました。
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泥付きと洗いごぼうで保存方法に違い
ごぼうは泥付きのものと、洗ってあるものとで、保存の仕方が異なります。
泥付きごぼうの保存は、常温も冷蔵庫もどちらもOK
泥付きのほうが洗いごぼうと比べて日持ちもよく、新聞紙で包んで常温保存ができます。冷蔵庫に入れる場合は、切ってもいいですよ。注意点は、常温でも冷蔵庫でも、育っている状態と同じように、縦にしておくことです。
収穫後も蒸散と呼吸を繰り返し成長しているので、生えているときと同様に縦にしておかないと、もとの状態に戻ろうとしてエネルギーを使います。そのストレスが味の劣化にもつながってしまうので、横にして保存するのはできるだけ避けましょう。
洗いごぼうは冷蔵庫に入れて保存がマスト
ごぼうは乾燥に弱い野菜です。一度水にさらされた洗いごぼうはデリケートな状態になっていて、表面が乾燥しやすくなってしまうんです。水分の蒸発を防ぐために、ラップにくるんで冷蔵庫に入れて保存する必要があります。常温保存はNGです。
ささがきにして冷凍すれば、さっと使えて便利
すぐに使えるように保存するならば、生のままささがきにして、冷凍するのもいいですよ。お味噌汁の具材として手軽に使えます。
茹でてからささがきの状態で冷凍すると、そのままごぼうサラダなどに使えて便利です。千切りにしてきんぴら用にするなど、ぜひ使い勝手のいい保存の仕方を工夫してみてくださいね。
ちょっと気になるごぼうの黒みの正体
ごぼうを切って時間が経つと、黒く変色するのが気になったことはないでしょうか? 少し不安になる人へ向けて、その正体をお教えします。
ささがきにしたときの黒みは?
ささがきにするときにごぼうが黒くなって、びっくりしたという経験があるかもしれません。これは、カットして酸素に触れた表面が酸化するのを防ごうとして、抗酸化作用で自分の体を守っているんです。食べても問題ないですよ。
真ん中に黒い輪があっても大丈夫?
ごぼうをカットしたときに、実の真ん中の輪が黒くなっていて、食べることを躊躇する人もいるかもしれません。この黒みはポリフェノールなので、体に害はありません。気にせず召し上がってくださいね。