春にだけ食べられる菜の花が出回るのは、4月頃まで。おひたしにしたり、パスタに入れたりと旬の味覚を楽しむ人も多いのではないでしょうか。そんな菜の花を買うときにおいしいものを見分けるポイントを、野菜ソムリエプロの福島玲子さんから教えてもらいました。また、正しい下処理の方法や、保存の仕方も詳しく聞きました。
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菜の花を買うときは茎の切り口と色味に注目
「なばな」や「花菜(はなな)」とも呼ばれ、ほろ苦さがおいしい菜の花。売られているのを見て、春の訪れを感じる人もきっと多いですよね。
そんな菜の花には、おいしいものを見極めるポイントがあります。ぜひスーパーなどで買うときにチェックしてみてください。
切り口がみずみずしく緑色のものが◎
菜の花はつぼみがかたく、花が開く直前のものを選ぶのが基本です。新鮮なものを味わっていただくには、茎の切り口が中心まで緑色でみずみずしいものを選ぶといいですよ。水分がよく含まれているのが、収穫されてすぐの証拠です。
切り口が乾燥しているものや茎に穴があるものはNG
逆に、新鮮でないものは乾燥しています。茎の切り口が茶色くなっているもの、白色になっているもの、穴があいているものも、収穫してから時間が経ってしまっているので、避けたほうがいいでしょう。
菜の花を新鮮なうちに保存する方法
菜の花は新鮮なものがおいしいので、基本的には買ってすぐ食べきるのが基本です。新聞紙やキッチンペーパーに包み、乾燥を防ぐためにジップロックに入れて野菜室に保存してもいいですが、おいしさを保つには下処理をして保存しましょう。菜の花特有のやわらかな食感や、ほろ苦さをキープすることができます。
茹でるかレンジ加熱でもOK
下処理の方法は、沸騰した鍋に入れて30秒~1分ほど茹でるだけ。茎から鍋に入れることで、均等に熱を入れることができます。茹で時間が長いと柔らかくなりすぎてしまうので注意してくださいね。
時間がないときはレンジ加熱でもOKです。水洗いした菜の花を平らに並べ、ラップで包んで、600Wで2分程度温めましょう。ただし、レンジだと熱の入り方にムラができやすいので、可能であれば茹でるのがおすすめです。
レンジの場合、お好みの長さにカットして、耐熱のボウルに入れ、水20mlを振り、ラップをかけて加熱する方法もあります。茎からボウルに入れ、葉が上にくるようにすると、茎にもちゃんと熱が通りやすくなります。
冷水よりも“おか上げ”で冷ますのがおすすめ
茹でた菜の花を冷ますときは冷水にひたすよりも、ザルにあげてそのまま自然に冷ます”おか上げ”のほうが、菜の花らしい苦味を味わえるのでおすすめです。
冷めたら保存容器に入れて冷蔵庫へ。この方法ならば2~3日経っても、生のまま冷蔵保存するより格段においしくいただけます。
冷凍ならば1か月保存可能!
買ってから3日以上食べられなさそうならば、冷凍にするのがよいでしょう。下処理をした菜の花を調理しやすい大きさにカットし、フリーザーバッグに入れて冷凍室へ。冷凍すれば1か月程度はおいしくいただけますよ。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ