
節約の一環で、メルカリなどのフリマアプリで不要品を販売している人も多いでしょう。売れた品物を発送する際にも無駄な出費を削減したり、作業効率をあげて時間を有効活用したりするコツがあると、生活コスト削減コンサルタントの生方正(うぶかた・ただし)さんは話します。高校卒業後に海上自衛隊に入隊し、40代で退職したときには2億円もの資産を築き上げていた生方さんに、メルカリ発送時のノウハウを教えてもらいました。
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商品の発送方法を見直してみよう
メルカリで不要品を売ることは、投資や副業と違ってリスクを負わずに収入を得ながらものの整理もできるので、活用している人も多いと思います。では、出品したものを発送するとき、なんとなく不安だからと多めに切手を貼ったり、だいたいこれくらいと大まかな見積もりで作業をしていないでしょうか?
商品の発送方法にしばられていないか確認
手軽に使えるメルカリの発送方法は「ゆうゆうメルカリ便」と「らくらくメルカリ便」の二つです。
郵便局やローソンで発送手続きができる「ゆうゆうメルカリ便」は一番小さいサイズ(A4サイズ、3辺合計60cm以内、厚さ3cm以内、重さ1kg以内)が全国一律200円、セブン-イレブンやファミリーマートから送ることができる「らくらくメルカリ便」は一番小さいサイズ(角型A4サイズ、厚さ3cm以内、重さ1kg以内)が全国一律175円の送料がかかります。

これらは使いやすい上に、メルカリアプリから配送状況が確認できるメリットもあり、送料が高いと感じる人は少ないかもしれません。しかし、小さな商品の発送にこれらの方法を使うと、本来得ることができた利益を減らすことになります。
販売手数料と送料を引いた利益が割にあっているか考える
メルカリの最低出品価格300円で落札された商品の販売手数料は10%=30円です。その商品の発送に「らくらくメルカリ便」を使ったら、手元に残る販売利益はたった95円。出品したものが不要品であったとしても、写真撮影をして商品の説明文を記載、梱包、配送手続き、配送完了後の購入者評価など、こうした労力や時間を考えると利益が少なすぎると思いませんか?
そこで、商品の大きさによって発送方法を判断するようにしましょう。そうすることで、販売利益を増やすことができます。
ポスト投函できる郵送方法も視野に入れると◎
メルカリの商品発送は「ゆうゆうメルカリ便」「らくらくメルカリ便」以外の方法を使うこともできます。

例えば、ワッペンやキーホルダー、ピンバッジなど100g以下の雑貨商品を扱う出品者は、積極的に「定形郵便」「定形外郵便」「ミニレター」などを使うことで配送コストが減り、利益率を高めることができます。 ポスト投函ができるというのも便利な点です(上記3つの配送方法は「匿名配送」の対象外です)。
上記の発送方法のデメリットは、配送状況を確認できないことです。例えば3000円を超える出品物の場合は、購入者と出品者の双方が安心するために「ゆうゆうメルカリ便」にするなど、別の方法を使ってもいいかもしれません。
アイテムと小ワザを駆使するのがおすすめ
正しい送料を把握する大切さがわかっていても、商品の重さと大きさを測って最安値で発送することは手間だと思うかもしれません。しかし、便利なアイテムやちょっとしたテクニックを使い作業効率をあげることで、負担を減らすことができますよ。
必須アイテムはスケールと定規の二つ
出品作業をするときにおすすめのアイテムが、グラム単位で重さを量ることができる「キッチンスケール」と、発送物がきちんと規定以内の厚さにおさまっているのか確認できる「厚さ測定定規」です。
これらのアイテムを使い、発送物の重さと大きさを把握することで、最低限の送料で済ませることができます。たかがしれていると思われるかもしれませんが、たくさん出品する人こそ塵も積もれば…で大きな節約になります。

「厚さ測定定規」を使うことで、作業はスムーズになります。「厚さ測定定規」には、“3cm、重さ1kgまでは「らくらくメルカリ便」”など、必要な情報を自分で定規にメモしましょう。一度の手間でその後の作業効率が格段に上がります。
100円ショップで買えば低コストですし、送料が節約できるので「キッチンスケール」と「厚さ測定定規」に使ったお金はすぐに取り戻すことができます。
テープも最小限にしてコスト削減
発送する際に必要な梱包材やガムテープといった資材も、なるべく使わない、お金をかけないに越したことはありません。私は、封筒などの梱包材は極力再利用し、送り状を貼る位置を工夫することでガムテープ使用を極力なくすように心がけています。
切手の購入方法にも節約ワザがある

もし、近所に郵便局があって営業時間内に行くことができるのであれば、クレジットカードや電子マネーなど、より還元率の高い支払い方法で購入しましょう。それ以外に、切手を安く買える場所といえば金券ショップがおなじみですが、近くに金券ショップがなかったり、金額によってはまとめ買いしづらかったりする場合もあると思います。そんなとき、営業時間も気にせず、切手をお得に購入できるのがコンビニなんです。
通常、切手などの金券の購入時にはポイントがつきませんが、ファミリーマートでファミマTカード払いをするとTポイントがつきます。ただし、ポイント付与の最低金額である200円以上の購入が必須です。さらに、セブン-イレブンでnanaco払いをする場合は切手の購入自体にはポイントがつきませんが、「セブンカード・プラス」でのチャージ金額に対してポイントが付与されるのでお得といえるでしょう。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん

うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/イワイユウ