10年以上、入出金をしていない口座を指す「休眠口座」。これを所持し続けていると、損する可能性があると、生活コスト削減コンサルタントの生方正さんは話します。そのリスクについて詳しく教えてもらいました。
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銀行口座を多く持つと起こるリスクとは?
お金がかからないからといって、さまざまな銀行の口座をたくさん持っていることが今後リスクになるかもしれません。
銀行手続きの手数料は今後増えていく予想
私自身、昨年地方銀行の口座を5つ、都市銀行の口座を3つ解約しました。というのも、これから銀行で手続きをするときの手数料が、どんどん増えることが予想されるからです。
最近では、ゆうちょ銀行が一部商品やサービス料金の新設・改定を実施しました。その内容はこれまで無料で利用できていたサービスの多くが有料になるというものです。一部利用手数料の値上がりに加え、ゆうちょATMで硬貨の預け入れや払い戻しをすると手数料がかかるようになったりしています。
ほかにも、銀行によっては通帳やカードに発行手数料がかかるところも増えています。こういった動きをみると、今後も手続きに関わる手数料が増加するのではないかと思われます。
生前整理としても銀行口座の見直しは有効
また、万が一自分が亡くなったときに、相続した家族にさまざまな手続きの負担がかかることも理由のひとつです。銀行口座が多いほど、その負担は大きくなります。それならば、整理できるうちに必要最低限の口座のみにしておいたほうが、のちのちお金や手間がかからずに済むので、生前整理としても休眠口座の確認はおすすめです。
古くなった通帳やカードだと手間がかかることも
古い通帳やカードは、磁気が読めなくなっていて、いざ引き出すときに再発行手続きが必要になってしまうこともあるんです。そうしたことを考えると、早めに自身の口座の確認をするのが得策です。残っていた預金は使っている銀行口座に移動させて、いつでも使える状態にしておいたほうがいいですよね。
休眠口座を見つけて対策を
また、残高にもよりますが取引が2年以上ない「未利用口座」に口座管理手数料を課す銀行が増えているので、放置しておくことで預金が減っている可能性もあります。
通帳やカードがない場合の解約方法
カードや通帳の確認だけでなく、転職した場合や、パートなど一時的にやっていた仕事の給与がかつて振り込まれていた口座の存在を忘れていないか、お金のやりとりを振り返ってみましょう。
休眠口座に眠っている預金は、基本的には通帳と登録印を持参し、取引銀行で手続きをすれば返金されます。通帳やカードがない場合、原則として口座名義の名前、生年月日、住所を証明できれば休眠口座の解約ができます。
また、結婚などで名前が変わっていれば戸籍謄本が必要です。引っ越した場合は、前の住所の記載がある住民票か戸籍の附票を用意しましょう。印鑑が見当たらなければ、紛失届を出して新しい印鑑を登録することで解約手続きができます。
残高が少ない場合は自動的に解約されることも
引っ越しが多いかたは、近くに支店がない地方銀行の口座を複数持っている場合もありますよね。銀行間の取引制度により現地まで行かず取引のある銀行の窓口で解約できますが、その際、手数料がかかります。
口座残高が未利用口座管理手数料未満の場合は、未利用口座管理手数料の一部として口座残高が引き落とされ、同口座が自動で解約されますので、残額が少ない場合は面倒な手続きをしなくてもよかった、ということになりかねないので、よく考えてから手続きを行いましょう。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん
うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/イワイユウ