健康・医療

気圧の変化で片頭痛など体調不良はなぜ起こる?天気痛ドクターが教えるメカニズムと対策

気圧によって体調不良が起こるメカニズム

では、気圧の変化によってどのようなメカニズムで体調不良が起こるのでしょうか。内耳にあるセンサーが気圧の変化を感じ取り、その情報が脳に伝わります。すると、自律神経のバランスが崩れ、頭痛やめまい、肩こり、痛みの悪化、倦怠感などの症状が現れるのです。

内耳のセンサーが敏感な人ほど、気圧による影響を受けやすいということはわかっていますが、どのような条件でセンサーが敏感になるのかは残念ながら解明されていません。しかし、自律神経の乱れを抑えることで、症状を軽くすることが期待できます。

自律神経は体調管理を自動で行うシステム

現代社会の体調不良の多くの原因とも言われる自律神経の乱れですが、自律神経は自分の意志とは無関係に働き、呼吸や消化、血液循環などの働きといった生命活動に関わる役割を担っています。

自律神経のイメージイラスト
気圧の変化で自律神経が乱れることが不調の原因に(Ph/IllustAC)
写真9枚

自律神経には体をアクティブに興奮させる交感神経と、体をリラックスさせる副交感神経の2つがあり、片方が優位なときにはもう片方が抑え気味になるというように対になって機能します。眠っているときは副交感神経が優位になっており、起床と共に交感神経が優位になる状態に切り替わるようになっていますが、このスイッチの切り替えがうまくできなかったり、どちらかに偏っていたりする状態を、自律神経が乱れていると言うのです。

交感神経はストレスを受けて興奮する

交感神経にはストレスを受けたときに興奮し、活発に動き出す仕組みがあり、天候の変化も自律神経のストレス反応に作用することが実験から証明されています。

もともと自律神経が乱れている人は天候の影響が重なり、慢性痛が増幅するということも起こります。

つまり、ストレスや不規則な生活などといった、自律神経の乱れを引き起こす天候以外の要因をケアすることも気象病の軽減につながります。

関連キーワード