健康・医療

気温の変化で体調が悪い…「気象病」は食事、睡眠、運動でどう対策する?

気象病改善のカギとなる自律神経を整える方法

自律神経のパワーは40代になると10代の約半分になります。加齢よる自律神経のレベル低下を止めることはできませんが、生活習慣の心がけなどでカバーすることは可能です。

もともと自律神経が乱れてしまっている人に天候の影響が重なると、慢性痛の増幅にもつながります。そうならないためにも、自律神経が乱れないように心がけることが大切です。

腸内環境を整える

食べ物を消化する腸と自律神経をつかさどる脳は強固な関係で結ばれており、腸内環境を整えると自律神経も整うため、食事は重要です。

幸せホルモンと呼ばれ、自律神経を活性化する作用のある「セロトニン」は約90%が腸で作られます。さらに、人間の体を病気から守る免疫細胞の約60〜70%が腸に存在しています。そんな腸内の環境を整えるには、2つのポイントがあります。

まずは「1日3食」を守ること。特に、朝食は寝ている間に下がった体温を上げ、腸の働きを活性化させる効果があるので、絶対に食べるようにしましょう。しっかりした食事が難しければ、スープや野菜ジュースなどを飲むだけでも構いませんが、おすすめはヨーグルトやチーズなどの発酵食品です。同じく発酵食品のみそを使ったみそ汁でもいいでしょう。

ヨーグルトとフルーツ
1日3食、発酵食品を取り入れるのが◎(Ph/Photo AC)
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次に、ビタミンB群を豊富に含んだものを食べるのがおすすめです。中でも大事なのが、お米やパンなどの穀物に多く含まれるビタミンB1。糖質は自律神経の働きに深く関係しています。その糖質の代謝に関わるのがビタミンB1なのです。ビタミンB1は貧血やめまい対策にも有効ですし、不足すると疲れを感じやすくなります。また、日常生活のストレスからめまいを引き起こしている人は、合わせてビタミンCを摂ることが好ましいです。

睡眠のリズムを整え、日光を浴びる

暗くなったら寝て、明るくなったら起きるという、本来人間に備わっている生活リズムが著しく崩れることは、自律神経の混乱につながります。早寝早起きが難しくても、毎日同じ時刻に寝て、同じ時刻に起き、睡眠のリズムを安定させることが理想的です。そして、朝起きたときに陽の光を浴びて、自律神経を活性化させましょう。

また、睡眠を促すホルモンの「メラトニン」になる「セロトニン」は、朝日を浴びることで作られます。起床後14~16時間後にメラトニンの量が最大になるので、起きたときに陽の光を浴びると、その日の夜に眠りやすくなるという好循環が生まれます。起きたらすぐにカーテンを開けて、5分間の日光浴を日課にするようにしてください。

暗い部屋でスマホを見ている
寝る前のスマホに要注意!(Ph/Photo AC)
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また、スマートフォンやパソコンの画面から出る光は刺激がとても強く、脳が興奮した状態になり、交感神経がストレス反応を起こしてしまいます。布団に入ったらスマホを見ないなどと心がけることも、自律神経を整えるためにいい習慣といえます。