夏の寝苦しさには漢方によるケアもおすすめ
夏の睡眠改善には漢方薬をのむのも選択肢の1つです。漢方医学は、免疫力を上げたり、自律神経を整えることで、全体のバランスを整えることを目的とします。症状の改善だけを目的とせず、不調の原因を解消することを目指すので、内側からの健康が期待できます。また、漢方薬は医療現場でも使われていて、自然由来なので副作用も一般的に少ないとされています。
睡眠の質を高めるには睡眠作用、鎮静作用、抗ストレス作用などの薬効がある生薬を含む漢方薬から選びます。また、自律神経を整えて、眠りが深くなるように促すものもあります。
夏の睡眠にお悩みの方におすすめの漢方薬
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
体力がなく、神経がたかぶる方に用いられます。気持ちを安定させることで、不眠を改善します。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
比較的体力がある方に用いられます。のぼせやイライラを改善して、眠りやすくします。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は繰り返す不調に対して、根本からの改善が期待できる薬です。そのため、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
暑い夏は誰しもが、多かれ少なかれ寝苦しくなるもの。しっかりとした睡眠がとれずに体調を崩してしまわぬよう、内側からの対策も試してみましょう。
◆教えてくれたのは:薬剤師・山形由佳梨さん
やまがたゆかり。薬剤師。薬膳アドバイザー。フードコーディネーター。病院薬剤師として糖尿病患者の服薬指導中に食養生に着目。牛角・吉野家、薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発を行う。現在は「健康は食事から」をモットーに、漢方のプロとAIが適した漢方薬をお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも情報発信をしている。