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【大塚寧々 ネネノクラシ#32】苦手だった「うなぎ」を克服したきっかけは夫と一緒に行った名店の味

大塚寧々
寧々さんが鰻を克服したきっかけとは?(Ph/網中健太)
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女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第32回は、寧々さんが気になる食べ物「うなぎ」について。

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鰻やどじょうが苦手だった。鰻を好んで食べられるようになったのは、数年前だ。

苦手だったのは、子供の頃、祖父母の家で従兄弟達と鰻を食べた時に、骨が喉に引っかかりとても痛く苦しかった記憶が強く残っていたからだ。どじょうも子供の時、親戚と柳川鍋を食べに行き、まだどじょうが動いているのに叔母に「残さずに食べなさい」と怒られ、口の中で動くどじょうを泣きながら頑張って食べた苦い思い出がある。

そしてもう一つ、夏だったような気がするが小学校の時に校庭で行うどじょう掬いというのがあった。たくさんのどじょうを先生達や父兄の方々がホースで水を撒きながら校庭に放して、 「さあ~捕まえましょう~!」と呼びかけるのだが、正直触りたくもなかったし頑張って捕まえようとしても、ヌルッとしていて逃げられるし 「なんで、校庭にどじょうを撒くんだ~! なんで捕まえなきゃいけないんだあ~!」と子供心に 怒りがふつふつと湧き出る感情を持て余していた。

夫が食べたそうだったので付き合う事に

そんなことがあって、鰻もどじょうも苦手になってしまった。夫は鰻が大好きだ。ある時、美味しいから食べようと言われ、「八つ目や にしむら」の鰻を食べに行った。私はあまり気が進まなかったが、夫があまりにも美味しいと言うし、食べたそうだったので付き合う事にした。

美味しかった! 最高に美味しかった! もっと早く克服すれば良かったとちょっと後悔するくらい美味しかった。それから鰻を食べられるようになった。

鰻
「Blowin’ in the Wind」のうな重。おいしそう!(Ph/大塚寧々)
写真2枚

最近、清里にある「Blowin’ in the Wind」という鰻屋さんに家族で行った。山の中に佇む、レコードも売っている素敵なお店だ。ここの鰻も本当に美味しかった。店内はレコードが流れていて落ち着いた空間だ。レコードも売っている。

最近息子はレコードばかり家で聴いているので、たくさんあるレコードに目が釘付けになってい る。私も一緒に「わあ~懐かしい!」と思いながらレコードを見ていた。そして楽しみに待っていた鰻が目の前にやってきた。お重もすごく素敵だ。

聞くと「サントリー白州」の樽の廃材を利用して作られたらしい。 鰻はふっくらとやわらかくて一口食べるたびに「ああ~美味しい」と夫も息子も私も言っていた。山の心地よい風に吹かれながら頂く鰻は最高に贅沢だった。またすぐにでも行きたいお店だ。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。現在、出演映画『軍艦少年』が公開中。

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