女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第30回は、寧々さんがこの夏体験した、「エアコン壊れた!」エピソードについて。
* * *
この夏、家電があれこれ壊れた。一番大変だったのは、二階にある寝室などのクーラーが三台同時に壊れたことだ。しかも、連日猛暑の時だった。あまりの暑さに眠れず、私達は一階のリビングに布団を3枚敷いた。
布団でゴロゴロしたり、柔軟体操したり、本を読んだり、布団生活はけっこう楽しかった。でも洗濯するのは二階なので、けっこう大変だった。窓を全部開けていても風は心地よい、はずもなく熱い。洗濯物をたたむのもしまうのも二階なので、一階まで持って来てたたんで、また二階に持って行くのが面倒臭くて、ついつい「暑い~暑い~」と独り言をいいながらたたんでいた。
家族三人が川の字で眠るのは息子が小さい時以来
アイロンも二階にあるので、もうこれはなるべくかけないようにしていた。それにしても、18年も頑張ってくれていたエアコン! 18年ってすごい! 感謝です。
そういえば家族三人が家で川の字で眠るのは、息子が小さい時以来だった。初めて息子が自分の部屋で寝た時は、心配で何回も寝顔を見に行ったのが懐かしい。
そうこうしているうちに、やっとエアコンが到着して無事に工事も終わり、布団生活ともおさらばした。秋になれば、だんだん涼しくなって落ち着くかな~今年の夏はなんか色々大変だったなあ~と思っていたら…。
一ヶ月後、一階のリビングのエアコンが壊れた。嘘でしょと思った。そんなにタイミングを合わせたかのように全部同時期に壊れるのか? いや、壊れたのだから仕方がない。心配なのは、我が家のトイプードルのモチだ! 彼女はいつもリビングにいる。誰かが家にいる時は、涼しい二階に連れていったり出来るけど、全員出かけている時はどうなってしまうのか? プライベートは出かけないようにするとしても、仕事の時はどうする? モチのトイレも二階に持って行って、一階に降りられないようにしてエアコンの効く寝室にいるようにしておくのか? う~ん悩ましい。
どうしようもない時は近くに住む母の家に遊びに行ってもらおう。ばあばもモチが大好きだし、モチもばあばによく甘えている。そして、エアコンは壊れてない!
リビングのエアコンはまだ届かない。あとどれくらい待てばエアコンくるのだろう…ああ~涼しい高原に行きたい。
そしてエアコンの到着を待っている間、衣類乾燥機が壊れた。はあ~と深いため息がでる。本当に何もそんなにいっぺんに壊れなくても…壊れる前に、何年も経ったら買い替えた方がいいのか、とも思ったりするが結局壊れるまで使うだろうなと思う。次18年後だとしたら私は72歳だよ。
◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。現在、出演映画『軍艦少年』が公開中。