「美肌は1日にしてならず」――そう語るのは、『医者が教えるすごい美肌循環』(アンノーンブックス)の著者で、テレビや美容雑誌など多くのメディアで話題のアンチエイジングドクター・日比野佐和子さん。腸内環境が肌の美しさを左右するとも語る日比野さんに、美肌になれる簡単な食習慣を教えてもらいました。
発酵食品と食物繊維の“セット摂り”でハリツヤ肌に
最近では「菌活」も健康法として定着し、発酵食品が体にいいというのはよく知られています。食物繊維については昔から健康のイメージが強く、どちらも意識してとっている人も多いでしょう。日比野さんも、この2つをセットで食べることをすすめています。
「『肌は腸の鏡』と言われるほど肌と腸内環境は深く関わっています。腸内環境が悪いと肌トラブルという形でダイレクトに現れることもよく知られています。
腸内環境がよい状態というのは、腸内にバランスよく善玉菌があること。そのためには食生活の見直しが必要です。特に大事なのが、発酵食品と食物繊維をしっかり食事でとること。善玉菌を増やす発酵食品と、善玉菌を元気にする食物繊維の両方を取り込むことで、腸内環境が整います。
発酵食品には、プロバイオティクス、体によい作用をもたらす微生物(乳酸菌などの善玉菌)が含まれますが、そのエサとなる食物繊維を豊富に含む食べ物と一緒に食べることで、善玉菌をさらに増やす効果が期待できます。腸内環境が整うことで、ターンオーバーが正常になり、肌のハリ・ツヤにつながるのです」(日比野さん・以下同)
「パン」より「ごはん」で腸への負担を減らす
おにぎり屋さんよりもパン屋さんが豊富にある時代。おいしいパンが手軽に手にはいることから、手間のかかるごはんよりもパンを選んでしまうという人も多いかもしれませんが、肌のことを考えるとパンよりごはんをすすめたいという日比野さん。
「腸内環境を整えるなら、胃腸に負担をかけないアプローチも効果的。例えば主食をパンからごはんにシフトするのもそのひとつ。小麦には難消化性たんぱく質であるグルテンが含まれ、腸に負担をかけます。一方、もともと農耕民族である日本人の体にはデンプンを分解する酵素、アミラーゼが多く、このアミラーゼはパンよりもお米をスムーズに消化吸収できるのです。なので、ごはんのほうが胃腸に負担をかけずに済むのです」
◆教えてくれたのは:アンチエイジングドクター・日比野佐和子さん
内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。アンチエイジングの第一人者として、基礎研究から最新の再生医療の臨床にいたるまで幅広く国際的に活躍。テレビや雑誌などにも数多く出演。2022年3月、美肌になるためのエイジングケアについて解説した『医者が教えるすごい美肌循環』(アンノーンブックス)を出版。10月には、フェムテックと女性のからだについてまとめた『医者が教えるすごい生理循環』を発売。https://yss-clinic.jp