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甘味料を制すものはダイエットを制す!? 1年で24kg減量した専門家がすすめる「砂糖以外」の甘味料

甘味料
甘味料を制すものはダイエットを制す!?(Ph/イメージマート)
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ダイエットをしていると甘いものを我慢する機会が多いですが、どうしても甘いものが食べたくなったとき、それまでの努力が無駄にならない甘味料があるとしたら――。今回は、体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功し、その後トータルダイエットカウンセラーとして活動、今はヘルスフードサイエンス研究家の大西ひとみさんが、ダイエット中の人や普段から体型を気にしている人にもおすすめのとっておきの甘味料を教えてくれました。

24㎏減量に成功した大西ひとみさん
24kg減量に成功した大西ひとみさんのビフォーアフター
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ダイエットの強い味方、オリゴ糖!

ダイエット中に一番おすすめしたい甘味料は、オリゴ糖です。オリゴ糖は蜂蜜や味噌、にんにく、バナナなどをはじめとするさまざまな食材に含まれているのですが、オリゴ糖単体として粉末や液体(シロップ状のもの)でも商品が市販されています。

オリゴ糖
オリゴ糖はダイエットに最適(Ph/イメージマート)
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オリゴ糖は、難消化性の糖。難消化性の糖とはその名の通り消化されない糖質で、多くの糖質は小腸から吸収されるのですが、オリゴ糖は小腸ではほとんど吸収されず大腸まで届くという特徴があります。それにより血糖値の上昇を抑えるだけでなく、その別名を「プレバイオティクス」ともいうように、腸内の善玉細菌の餌になり腸内細菌のバランスを整えて腸内環境を改善してくれる作用があることもわかっています。

近年では“腸内を制するものはダイエットを制する“と言われるほど、腸内環境とダイエットとの関係性はわかってきていますが、その関係性を示すもののひとつに腸内細菌によって作られる短鎖脂肪酸が挙げられます。短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖を発酵させることにより生成されるもので、脂肪組織に働きかけ、脂肪の蓄積を防いだり、脂肪を燃焼させる効果などがあると言われています。

オリゴ糖は20種類ほどあり、その甘みは砂糖に比べ弱く、砂糖の20~50%程度のものがほとんどです。その分カロリーも低い。また、それぞれのオリゴ糖にも特徴があり、甘いものを摂取したいときに、自分のダイエット中の食生活に欠けているものを補う特徴を持つものを活用するのがいいでしょう。

各オリゴ糖の特徴 甘みや効果もさまざま

【フラクトオリゴ糖】

フラクトオリゴ糖は、甘みは砂糖と比べると30~60%で虫歯になりにくいのが特徴です。

【大豆オリゴ糖】

大豆オリゴ糖は、オリゴ糖の中では甘みが強いほうで、砂糖と比べると70~80%あります。とにかく甘いものが食べたい!といった欲求を解消するには最適です。

【ラフィノース】

ラフィノースの甘さは、砂糖の20%程度であまり甘みを感じられないかもしれません。ただ、オリゴ糖の中で最も早くビフィズス菌の餌になってくれる特徴があります。

【ガラクトオリゴ糖】

ガラクトオリゴ糖は、ラクトースを主な成分としてできているオリゴ糖です。ガラクトオリゴ糖も甘みが弱く、砂糖の20%程度です。たんぱく質の消化を助けてくれたり、ミネラルの吸収を促進してくれたりする特徴があります。

【イソマルトオリゴ糖】

イソマルトオリゴ糖は、砂糖の20~50%のほどよい甘さがあります。熱や酸に強いという特徴があるので、お菓子作りやお料理に向いていますが、カロリーは他のオリゴ糖に比べると高めです。

【チキンオリゴ糖】

とてもサラッとした甘さで、砂糖の20~35%の甘さがあります。

女性がウエストを出している写真
オリゴ糖はさまざまな種類が。ダイエットの味方(Ph/photoAC)
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【キシロオリゴ】

キシロオリゴは熱に非常に強いのが特徴で、加熱する料理の際に使用するのに向いています。甘さは砂糖の20~50%ほどです。

【ラクチュノース】

ラクチュノースはカルシウムの吸収を助けてくれます。甘さは砂糖の60%ほど。

オリゴ糖は加熱しても性質が変化して毒性を持つことはほとんどないと言われていますが、長時間加熱(2時間以上)すると一部が分解されてしまいます。

また、多くの甘味料としてのオリゴ糖製品は甘みが少ないことから、甘みを増すための甘味料が添加されている場合もあるので、オリゴ糖製品を購入する際は原材料を確認してご自分の納得のいく商品を選んでください。

天然の甘味料「羅漢果」はカロリー0

オリゴ糖の他におすすめしたい甘味料は、羅漢果(らかんか)です。羅漢果は腸内の善玉菌を増やす作用があると言われています。

羅漢果は中国原産のウリ科の植物から作られ、砂糖の50〜300倍の甘さを持っている天然の甘味料で、なんとカロリー0というところもうれしいポイント。羅漢果には腸内の善玉菌を増やす作用以外にも、健康や美容のさまざまな効果が研究されています。

ひたすら甘さを欲しているときは、羅漢果がその欲求を満たしてくれると思います。ただ羅漢果がカロリー0だからと言って食べすぎてしまうと、羅漢果以外の食材のカロリーで逆に太ってしまうという危険性があることも忘れないようにして、うまくダイエットに取り入れてください

羅漢果を摂取しすぎるとお腹が緩くなったりするので、大量摂取はおすすめしません。また、羅漢果は甘みに少し癖がありますので、使いすぎると味が気になるかもしれません。

市販の料理や総菜にはたくさんの砂糖が…

普段何気なく食べているお料理や市販のお総菜、お菓子にはたくさんの糖分が含まれており、その正体は白いお砂糖であることがほとんど。ダイエットをしていてもなかなか結果が出ない…というかたは、使用されている甘味料を意識するといいかもしれません。

これを機に、ぜひいろいろな甘味料について知っていただき、ご自身の好みのものを見つけて上手に活用し、ダイエットをストレスなく成功させてくださいね。

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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