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【66歳オバ記者の終活】「葬式は“人任せ”にする」と決めている 「葬式、墓はいらない」なんて言ったら遺された人が苦労するだけ

終活を始めたオバ記者。自分の葬儀や墓について考えてみた(写真は昨年3月に亡くなった母親の葬儀)
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ライター歴30年を超えるベテランのオバ記者こと野原広子(66歳)。昨年、介護をしていた母の死、自身の大病などを経験。そして最近は心臓にも不安を抱えるようになった。そんななか、ゆっくりと始めた「終活」。自らの葬儀や墓についてオバ記者はどう考えるのか――。

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母親の介護が終わり「次なる話題はお墓と葬式」

終活をしようと思い立って、まずは自分の葬式費用をつくらねばと思った私は、積立式の生命保険に入ったという話を前々回書いた。「私が死んだらアンタに500万円入っから、それで片づけてな」と11歳下の弟に言ったら「おお」でオシマイ。まあ、実感が湧いてないんだよね。私だってそうだもの。

オバ記者
この時は母ちゃんの介護で頭がいっぱいだった。母ちゃんの後ろにいるのが11歳下の弟
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しかしこの春はなんかヘン。66歳の誕生日をまたいで体調が絶不調で、気持ちのアップダウンも激しいんだわ。これでもし私に何事かあったら、「生命保険に入ったのはムシが知らせたんじゃない?」と言われるのかしら、なんて考えちゃう。

母親の介護が終わったとき、ひと回り年上の女友だちに言われたの。「次なる話題はお墓と葬式よ」と。いやいや、そうなる前にもうひと話題あるんだよね。それは「遺影を撮りたい」。「あなた、仕事で腕のいいカメラマンを知っているでしょ? それなりのお金を払うから私の遺影を撮ってくれる人、紹介してくれないかな」と。で、見せられたのがちゃんとしたスタジオでモデル立ちをして笑っている老美女の写真よ。「私の友人なの。写真のイメージはこんな感じ」って、なるほどね~。

オバ記者の母親
母ちゃんの遺影。写真は四十九日の時のもの
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「遺影」と言いながら“美しい自分”を撮ってほしい友人

「遺影」なんて言うから話がややこしいんで、彼女は自分が亡くなることなんか1ミリも考えていないんだよ。ほんとうのところはいちばん美しい今の自分を撮ってほしいのよ。でもそうは言えないから「遺影」と言っているだけ。そう言えばヘア、メイクの人にあれこれかまってもらって、カメラの前に立つ言い訳が立つ。勇気も湧くと、そんなカラクリだったわけ。でもどうしたことか、本格的に撮る話はいつの間にか立ち消えになった。どうやら写真館でお手頃価格で撮ったものの、想像したような出来じゃなかったみたい。

写真撮影
自分のいちばん美しい姿を残したい(Ph/photoAC)
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24歳で結婚したときに決めた「冠婚葬祭は人任せにする」

ひと回り年上の女友だちが話題にしているという「お墓とお葬式」はどうか。これに関して私は24歳で結婚したときに決めたことがあるのよ。冠婚葬祭は人任せにする、と。結局、それがいちばん効率よく人に知らせられて、お金もかからないんだもの。長年、人が続けてきた風習にはそれなりの意味があるんだって。

こんな話がある。私の男友達Aさんの父親が83歳で亡くなったのね。彼はひとりっ子で妻とふたり暮らし。子供はいない。Aさんの父親の口癖は「墓はいらない」。父親は新潟出身の長男だけど、家を継がなかったのね。そうしたら「墓を守っているんだから」と実家の資産のほとんどが次男の手に渡った。そうなるまで長いこと裁判で争ったそうな。そのことを父親はAさんにほとんど話していない。ただ「墓はいらない」と繰り返したんだって。

その父親が入院して、いよいよ死期が迫ってきた。どう父親を葬るか。リアルにAさんは迫られた。いろいろな資料を取り寄せて埋葬方法を調べた彼が出した結論は樹木葬。

樹木
Aさんは父親の墓を立てず樹木葬を選択した(Ph/photoAC)
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「広い公園みたいなところで、そこに植えられている木が墓石代わり。パンフレットを見てここならオヤジも納得して眠れそうだなと思ったんだよ。お葬式もしたけりゃ自分でお坊さんを頼んですればいいし、したくなければ業者が木の下に穴を掘ってくれたところに骨を埋めればいい。うちにはお寺との付き合いなんかないから、宗教行事は何もしないことにして、市の火葬場で焼いた骨を木の下に骨を埋めることにしたわけ」

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