猫と一緒に暮らしている飼い主の皆さん、自分が不在のとき愛猫はどんなふうに過ごしているのか気になりませんか? 今でこそ外出先からも様子を確認できるカメラが普及しているものの、「私の目を盗んで、いたずらしているかも…」「私の知らない、秘密基地を作っているかも…」と、妄想が膨らみますよね。それは、外猫にも言えること。屋外でのびのびと暮らす外猫たちですから、もしかしたら家猫たちよりも自由を謳歌しているかもしれません。そんな外猫たちの日常を切り取った写真集『日常にゃ飯事』(インプレス)が、注目を集めています。
猫写真家・沖昌之さんだから撮れる猫の日常
猫の日常というと…日向ぼっこやお散歩が頭に浮かびますが、当然それだけではありません。持ち前のバランス感覚を生かして幅の狭い塀に飛び乗ったり、虫を捕まえようと飛び跳ねたり、猫同士で威嚇し合ったりじゃれ合ったりと、さまざまな行動を見せます。猫同士だからこそ、ひとりきりだからこそできることが、たくさんあるのでしょうね。
ただ、そんな何気ない日常風景をナチュラルに写真に収めることができるのが、猫写真家の沖昌之さんです。『8769』でも過去に取り上げたことがある写真家で、『必死すぎるネコ』シリーズ(辰巳出版)や、『残念すぎるネコ』(大和書房)などの写真集で有名です。沖さんの写真は、レンズの手前に人がいるとは思えないほど。猫写真家としての長年の勘や、人一倍猫を愛する気持ちがあってこそのテクニックと言えそうです。
2本足で立つ姿も…? 生き生きとした外猫たち
沖さんのツイッターによれば、『日常にゃ飯事』は田代島(宮城県)、湯島(熊本県)、台中(台湾)などで撮影した写真で構成。「こんなことしてたの!」と驚きつつもほっこりする、猫の日常が目白押しです。
頭と前足で体を支えて後ろ足を上げる、三点倒立の途中のようなポーズの写真は、人間からすると「なんでこんなことを…?」と不思議でならない1枚。ただ、島内ののどかな風景も相まって、ものすごく画になります。
また、ギラリとこちらをにらみつける猫集団のショットも、写真集に収録。可愛い姿ばかり印象に残りがちな猫の、野生を感じる1枚です。
どこかの飼い犬と一緒に写った写真も。しかも、その場を離れてしまいそうな犬のリードを、猫が必死に掴んでいるという光景で、なかなかにシュールです。
さらに写真集の終盤にはひとりで“練習”に明け暮れる猫の写真も。一体どんな瞬間だったのか、写真に写っている猫は2本足で立ち、右前足を前に突き出しています。その様子は、沖さんの一言キャプションで「シャドーボクシング」と添えられるほど。
猫の生態にますます興味が湧く1冊。ほっこりしたいときに眺めてみては?