健康・医療

「夏の冷え」に注意! 改善のカギは「内臓の冷え」対策、腹巻きも有効

冷え性を改善するかんたん“防寒”対策2選

山口さんによると、冷え性を改善して内臓温度を上げると、1℃につき基礎代謝が10〜15%アップし、自律神経も整って、血流がよくなるなどいいことずくめなのだそう。そこで冷え性を改善する、簡単に取り組める防寒対策を2つご紹介します。

体の熱が逃げるのをシャットアウトする「防寒テープ貼り」

「冷え性の人の足が冷たくなるのは、足の皮膚に近い血管から熱が逃げてしまっているのが原因のひとつ。特に冷えの自覚のある人は、まず対処療法として熱を体の外に逃さないようにすることが大切です」

熱を逃さないようにするためには、医療用の防水テープを足の甲の真ん中・内くるぶしのすぐ下・ひざの裏の真ん中といった血管が浮き出ている熱が逃げやすい場所に、名刺程度の大きさに切って貼るだけでOK。

医療用テープ
医療用防水テープを貼るだけの冷え対策!(Ph/photoAC)
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貼るテープは、ドラッグストアなどに売っている、厚さがなるべく薄い30ミクロン以下の医療用の防水テープがおすすめだそうです。医療用でかぶれにくくなっているため、気にならなければ1日中貼っていてもかまわないそうですが、もしかゆくなるなど、皮膚に変化が起きたときはすみやかに剥がしましょう。

「血管収縮型冷え性」対策に腹巻きとカイロサンド

「血管収縮型冷え性」の人に特におすすめなのが、おなかを温める腹巻きと「カイロサンド」。手足が冷えている人は靴下を重ね履きしたり、足の底にカイロを貼ったりするのをよく見かけますが、山口さんによれば、冷え性の人は頭とお腹に血液がとどまって、手足まで十分に届いていないケースが非常に多いそうです。

「ですから、手足ばかりを温めても、結局熱を運んでくれる血液が十分に届いておらず、いっとき温めている部分がほかほかとしているだけで、根本的な冷え性の改善にはなりません。そこで、冷えている手足よりも温めるべきなのはおなかです。おなかを温めることで血管が拡張し、とどまっている血液が循環しはじめることが期待できます」

2枚の腹巻
腹巻は夏にもおすすめ(Ph/photoAC)
写真7枚

山口さんいわく、おすすめは腹巻きをすること。冬のアイテムのイメージがありますが、夏の冷房対策にも非常に有効だそうです。少し値段が張りますが、シルクだと保温性があり、蒸れにくいので長時間の着用に向いているのだとか。さらにおへその下に指を2〜3本分空けたところと、その真裏の背中に自分をサンドするようにカイロを貼る「カイロサンド」も即効性があってよいといいます。

◆教えてくれたのは:理学博士、柔道整復師、鍼灸師、全国冷え症研究所所長・山口勝利さん

山口勝利さん
理学博士、柔道整復師、鍼灸師、全国冷え症研究所所長の山口勝利さん
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冷えを改善しながらやせる形状記憶ボディメイクサロン・シェイプロック銀座代表。30歳のときに構えた鍼灸の治療院で多くの患者を施術するなかで、体の冷えがあらゆる不調の原因となっていることに気づき、「全国冷え症研究所」を1998年に開所。今では、全国に400の分室を持ち、冷えに関する6万人のデータを持つ。「冷え」の怖さ、対処法を広めるべく、TVや雑誌などにも多数出演し、「冷え症」治療の第一人者として注目されている。https://www.ogino-hs.com/hiesyou/index.html

◆内科医・井上宏一さん

日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学会専門医、南砂町おだやかクリニック院長。2000年3月順天堂大学医学部卒業後は、一つの臓器だけを専門にするのではなく、人間の体全体を診ることができる医師を目標に、小児科医、内科医として、さまざまな病院で研さんを積む。現在、南砂町おだやかクリニック院長を務め「『健康=幸せ』の実現をサポートする医療」を掲げ、西洋医学にとらわれず、代替医療も取り入れた総合医療を目指している。

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