
暑くなってきて、のどごしのいいそばなど、麺類が増える夏。そこで、『国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式 結局、これを食べるが勝ち』(ワニブックス)を出版した管理栄養士・道江美貴子さんに、麺類メニューを選ぶときの「食べ痩せ術」を教えてもらいました。
白米よりアルデンテに茹でたパスタやそばがダイエット優等生
食後血糖値の上昇度を示す指数を「GI値」といい、GI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇するので、ダイエット中はよりGI値が低いものを食べることがすすめられています。

「白米よりは麺類のほうがGI値は抑えめで中程度ですが、麺の種類や調理法によってもGI値は変わります。食品は消化吸収が早いものほど、GI値が高くなり、うどんは精製された小麦を使うので消化吸収がスムーズでGI値は高め。一方、麺の中では、パスタがGI値が低め。アルデンテに茹でるとGI値が低くなるので、少し固めに茹でるといいでしょう」(道江さん・以下同)
「白っぽい炭水化物はGI値が高い」と覚えて
GI値を判断するのに、「色」が有効だと道江さん。
「ごはんや麺類の主原料となる穀物は、精製されると色が薄くなり、繊維量も少なくなる傾向があるため、白っぽい炭水化物はGI値が高いと覚えておきましょう。そばや玄米など、茶色の食品を選ぶのがコツです」
冷やし中華は麺類の中では優秀。でもごまダレよりしょうゆダレを!
夏の風物詩とも言える「冷やし中華」ですが、選び方にちょっとだけ注意が必要だそうです。

「きゅうりやトマトなどの野菜や、たんぱく源となるハム、卵などの具材が豊富な冷やし中華は、具材のおかげで血糖値が上がりにくく、麺だけよりも栄養バランスに優れています。ただ注意したいのが、タレ。ごまダレよりも、酢の多いしょうゆダレを選びましょう。
酢の酢酸には、消化を遅らせる作用があり、GI値を下げると言われています。白米よりも酢飯のGI値のほうが低くなるのも酢の効果です」
麺メニューは、具材と栄養価をチェックして
麺類を選ぶとき、うどんやそばのメニューには「かけうどん」や「ざるそば」がありますが、具を一緒に食べるメニューのほうがいいそうです。

「わかめや山菜、きつねなど、食物繊維とたんぱく質が摂れる具入りを選ぶのが正解。うどんとそばVSパスタでも軍配はパスタに上がります。おすすめはビタミンAたっぷりのトマトソース。生クリーム+ベーコンたっぷりのカルボナーラはハイカロリーなので要注意です。
ラーメンなら、野菜タンメンがおすすめ。つけ麺は、油の汁に麺をつけているようなものなので、超がつくほどハイカロリー。せめて脂身の少ない焼豚、もやし、ねぎ、卵、のりなどトッピングをつけてください」
同じ揚げ物でも衣の種類で大違い!
ダイエット中は避けたいものの、食べたくなるのが揚げ物。でも、同じ揚げ物でも調理法によって脂質量に差が出るそうです。
「とくに天ぷらのふわっとした衣は油を吸収しやすく、ハイカロリー。中でもかき揚げは食材重量の40%も油を吸ってしまいます。一方、ロースカツ定食は、定番の付け合わせのキャベツに含まれる食物繊維がとんかつの脂質の吸収を抑えてくれます。
しっかり噛んで食べると、早食いを防ぐのと同時に、ベジファーストの効果も期待できます。キャベツには消化を助けるキャベジンや、抗酸化作用のあるビタミンCが含まれているのもポイントです」
レモン汁はかけて、ソースはかけすぎに注意
揚げ物メニューについてくるレモンやソースも上手に調整すればヘルシーに傾くそうです。

「酸化した揚げ物の油は体に負担なので、ビタミンCは必須。カツなど、揚げ物にカットレモンやレモン汁が添えてあったら、レモン汁をひと振りするだけでも抗酸化作用がアップします。カロリーを減らすなら、脂身が少なめのヒレカツがおすすめ。
そして、ソースは、大さじ1杯に塩分がたんまりはいっているので、かけすぎに注意が必要です。家で作るなら、生パン粉よりも乾燥パン粉のほうが油の吸収量が少なくなりカロリーカットできますよ」
◆教えてくれたのは:食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士・道江美貴子さん

女子栄養大学栄養学部卒業後、大手フードサービス企業に入社。100社以上の企業で健康アドバイザーを務め、食事管理アプリ『あすけん』の企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、株式会社asken取締役としてあすけん事業統括責任者を務める。近著に『国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式 結局、これを食べるが勝ち』(ワニブックス)がある。『あすけん』公式サイトhttps://www.asken.jp/