「介護」のググり方を教えただけなのに…
「もう、そのひと言でブチ切れたよ。だって一家が集まる前、ゴミ屋敷だったありさまをE子は見ているのよ。で、3日かけて私が掃除したら、半日だけ手伝ったけど仕事があると言って逃げたのよ。もう、前からそう。イヤなことからは逃げるくせに、もらうものはもらいたいっていう典型的な妹根性!」
そんなことがあったとは知らない私は、E子からのLINE、「相続の法律」ってスマホで調べられるのかな。調べるとしたら何て入れたらいいの?」に、「『相続の基本』と入れたらたいがいのことはわかるよ」返信したの。
「えっ、そんなこと誰でも知っているじゃない?」と思うのは、スマホでググる習慣がある人でね。私と同世代、いやもっと若い人でもスマホはカメラ付き電話しか使わない人がいるんだって。E子もそう。それを知っていたA子は妹からスマホ片手に「相続ってこうなんだよね?」と言われたもんだから、「誰から教わった!」となり、私には「よけいな知恵つけないで」と怒ったわけ。
そりゃそうよ。E子は「お姉ちゃんが実家に住んで介護をするのはいいけど、それと相続は話は別だよ」と言ったらしいから。
もちろん私は良かれと思ってA子に助言したのよ。E子には一般的なことを答えただけ。それでも一家に余計な波紋を起こしたことには変わりないんだよね。
老後の問題って、みんなそう。それぞれの性格からトラブルの汁が湧きだしてくるのよ。その加減は一軒一軒違うからさ。口出し無用。アドバイスなんてもってのほかなんだって。聞かれても「みんな違うからわからない」が正解だったと、今は思っている。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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