更年期以降向けの最新医療とは?
フェムテックの分野の一つである更年期やポスト更年期の治療。最新の治療はどのようなものがあるのでしょうか?
レーザー治療でフェムゾーンやオーガズムを改善
病院でできるフェムゾーントラブルの治療には、炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーなど腟粘膜の細胞を活性する施術があり、デリケートゾーンのうるおい不足による乾燥や痩せ、尿もれなどの症状を解決できるのだとか。
「レーザー治療は、肌のくすみやシミを目立たなくさせるフェイシャルレーザーや超音波の力でリフトアップを行うハイフといった美容クリニックで行われる施術と同じような技法を用います。しっとりさせたい、ふっくらさせたい、引き締めたいなど、理想の腟に合わせて治療法が選べますよ」
また、ヒアルロン酸を入れてボリュームを出したり、年齢とともに伸びが気になることもある小陰唇を切って小さくすることもできるそうです。
「尿もれなどのわかりやすい症状だけでなく、オーガズムを向上させてセックスをよりよくしたい人にもレーザー治療が効果的です。オーガズム障害も、病気ではないと思われがちですがQOLの低下という点では尿もれと変わらないと考えていいと思いますし、不調の原因は尿もれと同じところにあり、治療法も実は同様なんです」
骨盤底筋群を治療して尿もれや頻尿の悩みを解決
腟や外陰以外にも、尿もれや頻尿の原因となる骨盤底筋群の衰えの治療も可能なのだそうです。筋肉を刺激し、筋力を高めることで骨盤底筋群を鍛える磁気刺激の機械も、以前より効果がパワーアップしていると関口さんは言います。
「磁気刺激だけでなく、ハイフにもフェムゾーントラブルをターゲットにするものだけでなく、粘膜より下の筋肉層を刺激する、骨盤底筋群に効果的なものがあります。さまざまな女性のトラブル解決を叶える腟エネルギー照射治療種類が出てきています」
更年期以降のトラブル解決ができるセルフケア法
関口さんによると、医療に頼るだけでなく、セルフケアでも更年期以降のトラブル解決が叶うこともあるのだそうです。どんなことがおすすめなのでしょうか。
医師がすすめるフェムゾーンのセルフケア法
セルフケアにおいて、腟周りの保湿とトレーニングが大切だといいます。
「更年期以降はデリケートゾーンのうるおいが減少して痩せてしまい、下着で擦れるなどの痛みが発生することも。どちらの症状も、腟の保湿と健康状態のチェックを欠かさないようにしましょう」
お風呂上がりにデリケートゾーン専用の保湿オイルやローションを用いて「腟マッサージ」を定期的に行うことで、状態の変化に気づくことができると関口さんはいいます。
やり方は、人差し指の第2関節ほどを腟に入れて、内側を一周するように押し、コリのある部分は優しくマッサージして、内側の血液の巡りを整えるようにほぐします。挿入した指をキュッと締め付けることで、骨盤底筋のトレーニングにもなるそうです。
「骨盤底筋のトレーニングのやり方をすんなりと理解して実践できる女性は半数程度。自分で腟の中に軽く指を入れるとその周囲は骨盤底筋なので、それをギュッと締めて上に持ち上げるという“自主練習”だけでもOKです。それでもやり方のコツがつかめない場合は、看護師、助産師などのプロでこうした分野に詳しい人に教わるとよいでしょう」