
秋の季節ならではの味である落花生。「ナッツ類のため、脂質が多くカロリーが高いですが、実は栄養価も高いのです」と野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。ではどんな栄養素が含まれているのでしょうか? 落花生を使った炊き込みごはんのレシピも教えてもらいました。
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美肌や美髪に導く!二日酔いにも◎の栄養素を解説
落花生に含まれる栄養素は肌や髪の健康を保つのに効果的です。さらに、二日酔いを予防の効果が期待できる栄養素も含みます。血糖値の上昇が緩やかな低GI食品で良質な油を含みますが、カロリーは高く、消化しにくいので食べ過ぎには注意しましょう。

不飽和脂肪酸が豊富で美肌や白髪予防に◎
生落花生に含まれる栄養素は1/4近くが脂質ですが、ほとんどがオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸とは、脂肪として体に蓄積されにくい良質な油で、オリーブオイルなどに使われているものです。どちらにも血中のコレステロールを下げ、乾燥から肌を守る働きがあります。
強い抗酸化作用のあるビタミンEもたっぷり。「若返りのビタミン」とも言われ、お肌の土台づくりやトラブル改善などの作用があります。肌の老化を防いだり、にきびや赤みなど、肌荒れを予防したりする効果が期待できるほか、肌のバリア機能が保たれることにより乾燥肌を防ぐ効果もあります。

さらに、落花生の薄皮にはレスベラトロールというポリフェノールが含まれています。強い抗酸化力を持ち、細胞の酸化を防ぎ肌の弾力を改善するなど、体を健康的に若々しく保つ効果が期待されます。細胞の修復や活性酸素の除去、血行促進による栄養供給が促進されるため、白髪が生えにくくなる効果もあるのだそうです。
二日酔いに落花生の栄養素が効果的な理由
落花生にはビタミンB3とも呼ばれるナイアシンも含まれています。肝臓の代謝を助けてアセトアルデヒドを分解するナイアシンには、二日酔いを予防する効果があります。
利尿作用のあるアスパラギン酸も、悪酔い防止につながります。お酒のつまみに落花生やピーナツを食べるのは、理にかなっていることなんです。

エネルギーや骨の形成に関わるマグネシウムも入っています。マグネシウムが不足すると、倦怠感や眠気を感じたり、骨がもろくなったりする可能性があるので、健康には欠かせない栄養素です。
野菜ソムリエプロおすすめ「落花生の豆ごはん」
生落花生は炊き込みごはんにすると風味が引き立ち、炒り落花生とはまた違うおいしさを味わうことができます。おいしい「落花生の豆ごはん」をぜひ作ってみてください。

「落花生の豆ごはん」のレシピ
《材料》(3合分)
生落花生…300g(殻付き)、米…3合、酒…大さじ1、塩…小さじ1
《作り方》
【1】米はよく洗い、30分から1時間浸水させておく。
【2】生落花生の殻をむき、実を取り出す。
【3】米に酒、塩を加え、3合の目盛りまで水を入れて炊飯をセットする。
【4】炊き上がったら、よく混ぜ合わせて完成。
生落花生は頭の部分から剥くと、剥きやすく調理が楽になります。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ