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ダイエットや腰痛、冷え性改善効果も!「相撲体操」5つの型

横綱・稀勢の里、大関・高安の誕生もあり、大相撲はますます盛り上がっている。そんな中、注目したい力士の動きをアレンジして作られた「相撲体操」。土俵入りや四股や仕切りには、幅広い健康効果があった。

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相撲の基本動作の型を基に、日本相撲協会が2005年に考案した“相撲体操”こと、相撲健康体操は、全部で12の型がある
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「力士は新弟子として入門すると、相撲教習所に通います。そこでは、この体操と同じ型を習い、基本をみっちり教え込まれます。これは足腰を鍛えて相撲が取れる体をつくるためですが、相手を倒すためというより、自分がどんな体勢になってもバランスがとれて、倒れない体をつくるためのものなんです」

そう説明するのは、元力士で現在は伊勢ノ海部屋のマネジャーを務める、浅坂直人さん。彼は、相撲健康体操指導員の資格を持ち、日本相撲協会HPにある教本の解説イラスト『元気君』の作者でもある。

年をとると足腰が衰え、ちょっとした段差で転びやすくなるが、この体操を行えば、体幹が整い、足裏でしっかり地面を踏みしめて立ち、歩くことができるようになる。

さらに、足腰強化だけでなく、血行や代謝が促進され、冷え症や腰痛、肩こりも改善、脳も活性化し、ダイエット効果もあるなど、いいことずくめ。では、具体的にはどのように行えばいいのか?

力士たちが行う相撲健康体操は、指導親方らのイチ、ニイという掛け声に合わせて動く。自分で行う場合も掛け声を掛け(心の中でも可)、呼吸を止めずに行うのが基本。また、裸足になり、足指と足裏全体で、地面や床を踏みしめて行うのが理想だ。以下、浅坂さんに各型のおおまかなポイントを聞いた。

* * *

「相撲体操」は全部で12型あるが、その中から、5つの型をご紹介。呼吸を止めずにリズムよくやってみよう。

蹲踞(そんきょ)の姿勢で、心身のバランスを整える「気鎮めの型」

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●やり方

つま先は外向きで、背筋を伸ばしてゆっくり腰を落としてかかとを上げる。肩の力を抜き、両手をひざの上に置く。鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり息を吐く。以上を4~5回繰り返す。

●ポイント

相撲体操はこの姿勢から始める。ひざは広げられる範囲でOK。グラつく場合は、へその下あたりに重心があると意識すると安定。腹式呼吸でゆっくり深く。気持ちを落ち着かせる。この姿勢をするだけで股関節が刺激され、血行が促される。

胸筋と肩関節を動かし、神経を刺激する「塵浄水(ちりちょうず)の型」

「塵浄水の型」は、祓い清める意味と、武器を持っていないことを示す動作からなる。

●やり方

気鎮めの型の姿勢から、
【1】両手を前に伸ばし、
【2】目の高さで手を合わせ手を洗うようにもみ、
【3】両手を開き、
【4】柏手を打つ。
【5】手のひらを前で開き、
【6】両手を大きく広げてから手のひらを下に返し、手をひざの上にゆっくり戻す。
【7】 【1】~【6】を4~5回繰り返す。

●ポイント

蹲踞の姿勢のまま上半身を大きく動かすため、バランス感覚がさらにアップ。肩こりの解消&予防にもなる。蹲踞の姿勢ができない場合は立ったままや椅子に座ってもOK。椅子に座って行う場合も、足裏を地面にしっかりつけて下半身を意識しながら上半身を動かすと、全身運動になる。

片足立ちで足腰を強化。冷え性にも有効「四股(しこ)の型」

「四股の型」は、力士にとってもっとも重要な型で、毎日200回、時によっては1時間以上行う場合もあるという。足が高く上がらなくても、きちんと片足で体重を支え、静止するだけでも股関節まわりの筋肉が鍛えられる。

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●やり方

【1】足を肩幅より開き、腰をまっすぐ下に落として胸を張る。
【2】左足に体重を移動させ、
【3】左ひざを伸ばして立ちながら右足を上げ、
【4】できる限り上げたところで少し静止。
【5】つま先から足を下ろしていき、
【6】力強く踏み込む(左右各3回から初めて、徐々に回数を増やす)。

●ポイント

全身の血行がよくなり、冷え性にも有効。腰を下ろすときは、真っ直ぐ下ろし、お尻は突き出さない。四股は、足を高く上げるより、軸足をしっかり伸ばすことが重要。軸足の親指に目線を落とすと、バランスがとりやすくなる。

股関節周りを屋和楽して、下半身を強化「伸脚の型」

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●やり方

【1】四股の姿勢から右足を広げて伸ばし、腰を落とす。
【2】右足の指先を上に向け、かかとを突き出すようにして、もも裏も伸ばしたら、元の姿勢に戻り、左も同様に(左右各2回繰り返す)。

●ポイント

足の筋肉を伸ばして股関節の柔軟性を高める運動。軸足はつま先とひざが同じ向きになるように曲げる。最初は足幅を狭めに開き、腰も浅く落として行って。

地面を足の指でつかみ、気持ちを集中「仕切りの型」

「仕切りの型」「攻めの型」「防ぎの型」「四ツ身の型」「反り型」は、動きとともに「ヤア!」と掛け声を掛ける。これらは相撲の技につながる動き。12の型の中で「均整の型」はもっとも難しく、体幹が整ってこそできる動き。締めに行う深呼吸の「土俵入りの型」まで合わせると、約30分。中腰の姿勢から始める型が多いため、ラジオ体操よりもキツいイメージだ。

 

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●やり方

【1】四股の姿勢から、手を握ってわきを締めてひざの上に置き、上目で前方をにらみ、構える。
【2】右手を地面に置き、
【3】左手も置く。
【4】全身にグッと力をこめ、上体を前傾させる。
【5】上体を起こし、手を開いて前に突き出し、「ヤア!」と言う。
【6】両手を戻し、元の姿勢に戻る(4~5回繰り返す)。

●ポイント

力士が取り組みの前に行う所作。血流促進にも効果的。足の指やひざ腰も鍛えられる。

イラスト/うえだのぶ

※女性セブン2017年7月27日号

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