割引券や金券は、節約に一役買ってくれる重要なアイテム。そこで、その一種である株主優待に注目してみましょう。
お金のプロフェッショナルである節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、株主優待券のお得な使い方について教えてもらいました。
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株主優待券を手に入れる方法
株主優待券で生活する人がテレビ番組で特集されるなど、株を持っていない人でも耳にしたことはあると思います。もともとは株主(株を買った人)に対して、その企業がどのようなサービスを提供しているのかを知ってもらうための一環として、優待サービスを提供していることがあります。その自社サービスを受けられるものとして、株主優待券があります。
しかし、最近は株価が値上がりしているので、銘柄によっては優待を得ることができる最低株数を買うには高額になってしまうことも……。また、景気の先行きが不明なので、初心者がいきなり株を購入することはあまりおすすめできません。そこで、提案したいのが株を買わずに株主優待券を手に入れる方法です。
金券ショップやネットオークションをチェック
株主優待券が不要な株主には、金券ショップに売ったり、ネットオークションなどで販売したりしている人がいるので、気になる株主優待券を探してみましょう。
また、期限が迫った優待券は金券ショップなどで特に安く販売されていることもあるので、近くにお店がある人は、定期的にチェックしてみることをおすすめします。
ここからは、お得な株主優待券の一例を紹介します。
割引率が大きい交通関係の株主優待券
利用条件が自分が乗りたい便に当てはまるかの確認は必須ですが、「ANA」「JAL」の株主優待券を使えば、通常の国内線運賃が50%割引の価格で搭乗できます。そのほか、搭乗便のキャンセルや変更が無料になったり、当日でも空席があれば適用できたり、という特典もあります。
「スターフライヤー」も50%オフ、「ソラシドエア」と「AIR DO」は1枚につき25%ですが、2枚利用で50%オフにすることも可能です。
JR東日本の株主優待券は、2020年度発行分から運賃および料金のいずれかもしくは両方を40%オフにすることができます。購入時の注意などがありますので、こちらも条件をチェックした上で購入しましょう。
お得感がわかりやすいテーマパーク・飲食チェーンの株主優待券
テーマパークや映画、飲食チェーンの株主優待券は、金券の場合が多いので、単純に額面と販売価格でお得度が判断しやすいですよ。よく行くお店の株主優待券が安く販売されていたら、購入を検討してもいいと思います。
資格勉強も株主優待券でお得に!
オススメは資格の学校「TAC」の株主優待券。講座自体が高額なので、かなりの割引金額も大きくなります。オークションサイトなどでも販売していることがあるので、受講を考えているなら利用することをおすすめします。
株主優待券利用の落とし穴
例えば、「ビックカメラ」の株主優待のように、株主優待券を利用するとポイントが付かない場合もあるので、注意しましょう。
購入金額と優待内容を天びんにかけて、どれだけお得になるかを考えて、上手に株主優待券を活用しましょう。
教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。丸山さんのオフィシャルサイト「らくらく節約生活」
構成/吉田可奈