
今は調理後の食器洗いだけでなく、調理中の手間や時間も省ける便利グッズが増えています。その中でも、家電ライターの田中真紀子さんがおすすめするのが、食材の下ごしらえやスープづくりなどに役立つミキサーです。ただ、ミキサーと一口に言ってもさまざまな種類があります。どのようなミキサーがどういう用途に向いているのか、改めて教えてもらいました。
フードプロセッサー、ミキサー、ジューサー、ハンドブレンダー、用途はどう違う?
「ミキサーとは、ボトル内に入れた野菜・果物などの食材を、『ブレード』と呼ばれる刃を回転させてかくはん、みじん切り、すり潰しをしてどろどろの液状にする調理家電です。面倒なみじん切りをはじめ、料理の下ごしらえに取り入れるとメニューのバリエーションが広がります。さらにスムージーやジュースも簡単に作れるため、1台持っているととても便利なのです」(田中さん・以下同)
買うときは、幅広い種類の中から、目的に合わせたミキサーを選ぶ必要があると、田中さん。
「ミキサーの種類は、ざっくりとフードプロセッサー、ミキサー、ジューサー、ハンドブレンダーに分けて考えるといいでしょう」
調理の下ごしらえを短縮できるフードプロセッサー
まずはフードプロセッサーについて。

「たとえば野菜をみじん切りにしたり、肉をミンチにしたいときに使うのが、フードプロセッサー。こねたり、混ぜ合わせたりすることもできるため、手間のかかるつみれや鶏団子、餃子の下ごしらえもあっという間に完了します。ただし液体状にはできず、水などの液体を入れる想定にはなっていないため、スープやジュース、スムージーは作れません。また氷のように硬い食材にも不向きです」
スープやスムージー作りにはミキサーが大活躍
液体状にしたいならミキサーがおすすめだといいます。
「ミキサーは食材と水を入れて使うもので、スープやスムージー作りに活躍します。氷などの硬いものにも使えますし、中にはヒーターを搭載し、鍋を使わずスープが作れるものや、オートプログラムを備えたものも。もちろんジュースも作れますが、果物や野菜の繊維が残るため、少しドロッとした仕上がりになります。この食感が苦手な人は、ジューサーを使うといいでしょう」
ジュースだけでなく搾りかすも出してくれるジューサー
ジューサーはその名の通り、ジュースを作るための調理家電。

「ブレードを回転させるミキサーとは異なり、食材をすり潰して液体を絞り出し、繊維は別の場所から排出します。そのため仕上がりはサラッと飲みやすく、スムージーの口当たりが苦手な人におすすめ。またかくはんしないため空気に触れにくく、食材の酸化も抑えられます。ちなみに別の排出口から出される搾りかすは、捨てるにはもったいない食物繊維のかたまり。料理に混ぜて使うことなどが提案されています」
ペーストやスープ作りに役立ち、洗い物も増やさないハンドブレンダー
そして、ミキサーにプラスアルファの機能を加えたのが、ハンドブレンダー。
「ハンドブレンダーは、スティックタイプのミキサーです。通常のミキサーは、専用ボトル内にブレードを設置し、その中でかくはんしますが、ハンドミキサーは鍋や深めのボウルなどに食材を入れた状態で使えるのが手軽です。煮込んで柔らかくなった食材を、その鍋の中でペーストにしたり、スープにすることができます。
洗うのは先端部分だけなので、洗い物が少ないのも魅力。中には専用ボトルが付属しているものや、アタッチメントが豊富なものもあるので、必要に合わせて選ぶといいでしょう」
では、それぞれの田中さんのおすすめ商品を見てみましょう。
【1】フードプロセッサー|レコルト『カプセルカッター ボンヌ』
コロンとしたかわいい見た目ながら、パワフルに食材を下ごしらえできるのが、こちら。

刻む、混ぜる、練る、つぶす、砕く、おろす、泡立てる作業をしてくれる、1台7役のフードプロセッサーです。
おろしや泡立てもしてくれる「1台7役」

「4枚の刃が高さを変えて配置され、パワフルにかくはん、粉砕します。付属のアタッチメントを使えば、手作業だと労力の要る大根おろしや生姜おろしも、生クリームの泡立てもあっという間にできます。コンパクトで洗いやすく、日々の調理に使いたい人におすすめです」
【2】ジューサー|ラドンナ『Toffy ミニスロージューサー』
ジューサーは、朝の慌ただしいときなど飲みたいときにサッと取り出して使えると便利ですよね。

そこでおすすめなのが、幅12.4cm×高さ36cmとコンパクトなジューサーです。
搾りかすも無駄なく使えるコンパクトサイズ

「スロージューサーの中でもスリムかつコンパクトなため、『キッチンの置き場所に困らず、出し入れも楽』と評判のモデル。ジューサーを買おうか迷っている人にちょうどいいサイズと価格ですね。
使用方法は一般的で、上から食材を押し込んでいくと、下からフレッシュなジュースが出てきます。液体のジュースとは別に、搾りかすの排出口もあり、栄養素を無駄なく取り入れられます」
【3】ハンドブレンダー|ブラウン『マルチクイック7 ハンドブレンダー [MQ7000X]』
スティックタイプのミキサーとしておすすめなのは、こちらのハンドブレンダー。
![ブラウン『マルチクイック7 ハンドブレンダー [MQ7000X]』](https://j7p.jp/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
特筆すべきは、握る強さによって回転スピードを調整できる、業界初の「イージースマートスピードテクノロジー」という技術です。
握り加減によって回転スピードを自由に調整できる
「ハンドブレンダーは、食材の硬さや仕上がりに合わせてブレードの回転スピードを変えられるものが多いですが、最初に数値で設定するものがほとんど。使っているうちに『もう少し回転が速いほうがいいかな』『最初はゆっくり回転させてほぼほぼ刻まれたらスピードアップしたい』などと微調整したくなったら、その都度一時停止してダイヤルなどで数値を変えなければならず、若干面倒でした。
その点、本製品は握り加減さえ変えれば回転スピードも変えられるため、使いながら直感的に調整できるのが非常に便利! また、かくはん力もパワフルなため、ポタージュづくりなどにも重宝します。
なお、本製品は専用計量カップが付属したシンプルモデル。必要に応じて、アタッチメントが豊富なモデルを選ぶといいでしょう」
いかがでしょうか。「最近、大根をおろすのがしんどくなってきた」、「野菜不足で便秘がち」といった悩みを手軽に解消してくれそうなミキサー。自宅に1品あると、調理時短にも健康増進にも一役買いそうですね。
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
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